男性不妊の原因になる生活習慣をまとました。これから結婚・妊活を予定している方はぜひお読みいただき、不妊になる要因を減らす心がけをしましょう。
「不妊」という言葉を聞いて、女性の問題だと考える方は多いでしょう。しかし、WHO(世界保健機関)によると、不妊のおよそ5割は男性側にも原因があると考えられているのです。男性不妊は決して珍しい問題ではありません。ところが、実際には「不妊=女性の問題」として捉えられてきたため、男性不妊専門のクリニックが少ないという問題があります。そのため、男性がパートナーに連れられて婦人科に行き、男性不妊の検査を受けることが多いのです。もちろん、婦人科でも男性不妊の検査自体は可能ですが、男性不妊を治療するためには、男性不妊に特化したクリニックを受診するほうがよいでしょう。特に生殖医療専門医の認定をもっている泌尿器科医での受診がお薦めです。
男性女性ともに、35歳を過ぎる頃から加齢による身体の問題が増えてくるため、妊娠しにくくなってしまいます。妊娠を希望されるのであれば、早い段階で「ブライダルチェック」や「不妊治療検査」を受けることが重要です。
※参考:世界保険機構(WHO)不妊症原因の統計データより(1996年)
男性不妊には、主に3つの原因が挙げられます。「精子の異常」「精路の異常」「射精の異常」です。それぞれ詳しく解説いたします。
男性不妊の中でも、およそ90%を占めるのが「精子の異常(造精機能障害)」です。精子の数が少ない、精子の運動率が低い、精子が全く作られないなど、様々な理由が挙げられます。
精子の通り道に問題があるのが「精路の異常(精路通過障害)」です。精子が通る道が狭くなっていたり、塞がっていたりすることが原因といわれています。精路の異常が起こるのは、先天性の原因、後天性の原因、原因不明の場合があるため、症状を見極め適切な治療を行うことが重要です。
近年増えている男性不妊の原因が「射精の異常(性機能障害)」です。勃起しない、射精しないといった症状が挙げられます。男性が射精するまでには、心理的、肉体的、神経的な反応が複雑に関わっており、どこかに異常が現れることで、射精の異常が現れるのです。特に妊活を始めてから、女性の排卵日付近に合わせて性交渉をしようとすると、プレッシャーで勃たなくなる、射精できなくなるといった方が増えています。
男性不妊には主に3つの原因が挙げられますが、先天性のものと後天性のものがあります。性染色体の異常、発育段階で受けた影響、精子の通り道が欠損しているなどは、先天性の原因です。それに対し後天性の原因には、生活習慣が大きく影響しています。生活習慣からわかる、男性不妊になりやすい人の特徴について解説いたします。
喫煙は、精子形成や精子の運動率に悪影響を与えることがわかっています。実際、喫煙者は非喫煙者に比べて、精子の量が10〜17%少ないという研究結果が出ており、異常な形の精子が出現するリスクも高いといわれているのです。また、喫煙は勃起不全(ED)の原因にもなると考えられています。
精子の形態異常、運動率の低下などは、精子の受精能力を衰えさせるため、男性不妊の原因となります。さらに、受精したとしても、先天性疾患や流産の危険性が懸念されるのです。
精巣内には、アルコールを分解する酵素が存在しています。アルコール分解時には、アセトアルデヒドと呼ばれる毒性の高い物質が発生しますが、過度な飲酒によってアセトアルデヒドが精巣内で過剰に発生し、精子を作る力を減退させてしまうのです。
細胞にダメージを与え身体を酸化させる活性酸素ですが、精子にも悪影響を及ぼします。活性酸素を取り除くには、抗酸化ビタミンを積極的に摂取する必要がありますが、食生活の乱れによってビタミンが不足している方がほとんどです。
コレステロールは男性ホルモンの原料となります。そのため、コレステロールが不足すると、精子が未熟な状態になってしまうのです。男性不妊の方の中には、痩せている、肉をあまり食べないなど、低コレステロールの傾向がある方もいらっしゃいます。
ストレスや疲労が原因で、男性ホルモンのテストステロンの分泌量が減少します。その結果、精子量の減少、精子の運動量低下、性欲減退などを引き起こすのです。
肥満の程度を示すBMI値が高いほど、正常な精子の数が少ないという研究結果があります。脂肪によって精巣が温められる、太ることによってホルモン値が変動するなどが、男性不妊の原因として考えられています。
男性不妊にならないためにも、生活習慣を見直すことは重要です。自分でできる男性不妊の予防方法について解説いたします。
タバコやお酒は、精子を作る力に悪影響を及ぼします。禁煙や適度な飲酒を心がけるようにしましょう。
精子を活性酸素のダメージから守るためには、抗酸化ビタミンを積極的に摂ることが重要です。特に、ビタミンCやビタミンEを摂取するようにしましょう。これらのビタミンは、緑黄色野菜や果物に豊富に含まれています。
規則正しい生活を送ることは、男性不妊の予防だけでなく、心と身体の健康にも大きな影響を与えます。バランスの良い食事をとる、十分な睡眠時間を確保する、適度な運動をするなど、生活を整えることによってホルモンバランスが整い、男性不妊の予防にも繋がります。
ストレスは男性不妊の原因になるため、ストレス発散を心がけるようにしましょう。例えば、旅行をする、買い物をする、おいしいものを食べるなど、自分にあったストレス発散方法を見つけてください。運動はストレス発散にも肥満予防にも効果的なため、日々の生活に散歩やストレッチなどを取り入れるのもおすすめです。
肥満は男性不妊にも繋がるため、適度な運動で体重をコントロールするようにしましょう。はじめはウォーキングやストレッチなど、軽めの運動から始めるのがおすすめです。
精巣付近が温まることで、精巣の機能が衰えてしまいます。そのため、長時間のお風呂やサウナは避けるようにしてください。
ノートパソコンを膝に置いて作業すると、パソコンから放出される熱によって精巣付近が温められてしまいます。精巣機能が衰える原因となるため注意しましょう。
ブリーフは体温がこもってしまい、精巣付近を温めてしまいます。下着は風通しの良いトランクスを選びましょう。
禁欲期間が長すぎると、精子の運動率が下がり、DNA損傷率が高くなる傾向があります。精子はおよそ3日間生存すると考えられているため、それ以上禁欲してしまうと、死滅精子が増えてしまうのです。そのため、禁欲は1〜2日程度が良いといわれています。
男性不妊の検査では、血液検査によって男性ホルモンの値、精子を作るホルモンの値などを調べます。また、精液を採取し、精子の数や運動率を検査することで、患者様の精子の状態を把握することが可能です。
なお、当院では「プレコンセプションチェック(ブライダルチェック)」の検査をご用意しております。
検査 | 検査内容 | 費用 |
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プレコンセプション チェック (ブライダルチェック) |
・精液検査 ・超音波検査 ・血管内皮機能検査(FMD) ・精子DNA断片化検査(DFI) ・酸化ストレス検査 ・血液検査 ・性感染症検査 |
58,300円(税込) |
※価格は全て税込です
※自由診療のため保険適用外となります。
男性不妊の主な治療方法について解説いたします。
精子に異常がみられる場合は、原因に合わせた治療を行います。サプリメント・漢方・ビタミン剤の処方によって治療できる場合もありますが、精液内に精子が見あたらない、奇形が多いといった場合には、手術や体外受精が必要になるケースもあります。
炎症による腫れが原因で精路が閉塞している場合は、薬剤による治療が可能です。しかし、薬剤による治療ができない場合は、精路再建手術が必要になるケースがあります。
勃起不全(ED)の場合は、薬によって治療ができます。ただし、射精の異常は原因がわからないことが多く、ストレスやプレッシャーなど心の問題が影響していることもあるため、専門の医師に相談することが重要です。
Dクリニックの男性不妊治療では「精子力」「勃起力」「性欲」の3つが重要だと考えています。プレコンセプションチェック(ブライダルチェック)や不妊治療検査によって、患者様の精子の状態を確認させていただき、症状に合わせた治療を行います。
・精子の質を上げるサプリメントを処方(オムテック メンズシードサプリメント)
・ED治療薬の処方(バイアグラ・シアリス)
・ED治療機器レノーヴァによる施術
・テストフェンの処方(ドリンク剤「オムテック スタンドアップドリンク」の処方)
なお、精子が見あたらない、精路が閉塞しているなどの症状がある場合には、提携大学病院をご紹介させていただきます。そのためにも、まずは「プレコンセプションチェック(ブライダルチェック)」や「不妊治療検査」をお受けください。
当院には、日本でも数少ない「男性医学」と「不妊治療」に特化した医師が在籍しております。患者様お一人おひとりの状態に合わせて、適した治療方法や妊娠するためのアドバイスをさせていただきますので、まずはお気軽に検査にお越しください。