理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.283

チョ~ット一言

小林一広

早いもので今年も1/3が終わってしまいました・・・。熊本の地震では余震というべきなのか、震源地の移動というべきなのか、徐々に大分方面にかけての揺れが続いております。世間では一応GWと称して例年の民族大移動が始まっているようですが、被災地の1日も早い復興と安全の確保を祈るばかりでございます。そんな5月となりましたがコラム読者の皆様方に於かれましてはお変わりなくお過ごしのことと存じます。

さて今回の震災について様々な所から問題が噴出しております“マスコミの報道”というものについてチョ~ット一言だけ語らせて下さい。

まずこの度のような大地震での震災に於いて無念にもお亡くなりになった方々の死因で最も多いのは『窒息死』であることをご存知の方も多いと思います。倒壊した家屋に押しつぶされて呼吸困難となり命を落としてしまう事が一番頻出するのです。

今回は東日本大震災の時のような津波と原発問題がありませんでしたから、広域にわたっての大被害は出ていませんが、地震そのものの規模からいうと今回の方が大きかったようです。

そして震災発生直後の被災者の救助というものは当然1分1秒を争うものです。がれきに挟まれたり、押しつぶされてしまったりして助けを求めようにもその声が出せない状態の方々が現場には沢山いらっしゃったはずです。そして「真実を報道する義務」の名のもとにマスコミ各社が飛ばすヘリコプターの騒音が、やっとの思いで絞り出すその声をものの見事に“かき消していた”ことは阪神淡路大震災の後に指摘されていたのです。

必死で救出作業をされている方々にとって邪魔以外の何物でもない取材のヘリの騒音が、悲しいかなまたもや今回も熊本の空にはばら撒かれていたのです。喉元過ぎれば・・・ではなく、それを同じ過ちとして繰り返していた災害時の報道の在り方に関しては、もう少し報道各社で統一感を持って考えて頂く事は出来ないものなのでしょうか?

私はむしろ本当に救済に使用している、もしくは今どうしても使用の必要のあるヘリ以外は、このような状況下では災害発生からせめて72時間以内は飛ばさないような規制を政府レベルの判断でかけるべきではないかと思うのです。安倍ちゃ~んダブル選挙とか消費税増税とかで悩むのも仕方がありませんが、それくらいはここぞと思い切ってやってくださ~い!

それと非難所のあちこちからマスコミの取材スタッフに対して「おい、てめ~~~ら、俺たちゃ見せもんじゃ~ね~ぞ、ごぅらぁ~~~」の声が上がっていたようであります。その昔は避難所における情報源と言えばラジオ位しかなかったのが、現在は多くの人達がスマホ、タブレットPCなどの端末からTV、インターネット、SNSといった様々な情報を得ることが出来るのです。そしてこれがまた良くも悪くも過剰な情報を提供することとなり、対マスコミとのトラブルの原因になっているようにも思えるのであります。

きちんと伝えるべき正しい情報が素早く拡散するのは非常に良いことなのですが、私情が入り組んだ間違った情報が歪に拡散してしまう可能性も大いにあり、被災者の方々の神経を逆なでしてしまう事も少なくなかったのだと思います。これらの情報源が今の時代は存在している以上は、そのあたりの実態も踏まえてマスコミの方々は被災地での報道を考え直す必要はあるのではないでしょうか。『不謹慎狩り』は間違いなく今年の流行語大賞にノミネートでしょう。

続きまして最近そのマスコミから袋叩きになっている東京の都知事についてチョ~ット一言語らせてください。以前このコラムでも取り上げました彼らの豪華絢爛なる大名行列的海外視察(旅行?)でありますが、逆にロンドンの市長が来日された際の帰りの飛行機はファーストクラスではなく、ビジネスクラスでしかもポイント(加算されてマイル?)を使って帰国をされたとの報道がありました。

ここにきて海外出張とは別で、ほぼ毎週末湯河原の別荘に行くのに知事の公用車を使って行っている。しかも金曜日の忙しい週末のはずなのに14:30頃には都庁をあとにして別荘に向かっている。もしこの間に今回の熊本のような震災が都下で起きた時にすぐに都庁へ駆けつけて被災に対する陣頭指揮を執ることが出来るのか!といったような感じでこれまた不謹慎狩り化をしております。

彼の言い分では「公用車は知事室と同じで移動中に電話があっても秘密の漏えいは守られる」とか、「ルールに従っているから全く問題はない」とか必死で応戦をしておられます。そして遂に自らが「政治家ってのはトップリーダーです。・・・」と言い切ってしまい、この上から目線の発言で益々大炎上となっております。

知事の移動に公用車を使おうが、ファーストクラスに乗ろうが、法的(ルールとして)に問題ないのならそれはそれで構いませんが、他県や他国の“トップリーダー”達がどうしているのかを鑑み、それが常識的に的外れなルールなら自ら率先してそのルールを改新できる人を本物のトップリーダーと呼べるのではないでしょうか?

但しこの人を都知事に選んだのは紛れもなく都の有権者(私個人的には選んでおりませんが・・・)ですから、任命責任は勿論都民にあるわけです。ご自身では恐らく2020年の東京オリンピックの時も都知事で、当たり前のように開会式に来賓で出席するもの思っておられるのでしょうが、果たしてこの流れではさてさて如何なものですかね。

「その人の本質を見たければ小さな権力をもたせてみればわかる」と言った人がいるようですが、まさに“言い得て妙”とはこのことではないでしょうか。場末のクリニックとは言え『院長』という小さな権力を持っている私も他人ごとではありません(苦笑)。

 

 

三菱自動車工業についてチョ~ット一言語らせて頂きたかったのですが、字数の関係と親族、友人に自動車以外の三菱グループに所属している方々が結構いるもので、これはまたの別の機会という事で・・・。

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