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院長の部屋

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.356 ひきこもり

DRkobayashi1
早いもので令和も1ヶ月過ぎてしまいました。あたりを見回しても平成の時代と殆ど何ら変わりなく、今のところは経過しているような感じがしています。記録的な暑さとなった令和スタートの5月を終えましたが、コラム読者の皆様方はその後もお変わりなく健やかにお過ごしの事と存じます。

そんな元号には全く関係なく、筆舌に尽くしがたい悲惨な事件はいつの世にも出現してしまうようです。今回の多くの小学生を巻き添えにした通り魔事件は、首謀者が自殺すると言う結末に、事件の真相まで追求することが出来ないもどかしさも残してしまいました。

職業柄このような常軌を逸した事件を引き起こしてしまう要因に、精神疾患の存在をどうしても勘ぐってしまうのですが、報道によるところでは受診歴や治療歴のようなものは今のところ浮かび上がっておりません。

もし現在精神科にて加療中といった報道がなされたならば、その治療先の医療機関や主治医は恐らく今のご時世SNS等によってあることないことを書かれてしまい、スケープゴート的なやり玉にあげられてしまうのではないかと思われますが、これはもう想像しただけでゾッとしてしまいます。

今回のケースも最近問題視されている“ひきこもり”のようですが、先日内閣府の調査で我が国における40~60歳の“ひきこもり”は61万3千人いると結果報告をしており、15~39歳の推計54万1千人を上回り、こちらにまで我が国の少子高齢化の波が押し寄せていることが判明いたしました。

では何をもって“ひきこもり”と定義したかと言いますと、『自室や家からほとんど出ない状態に加え、趣味の用事や近所のコンビニ以外に外出しない状態が6ヶ月以上続く場合』と定義したようです。そこで精神科的に“ひきこもり”とは疾患であるのか?という事を尋ねられることは臨床の現場においても少なくはありません。

そこで必ず説明をするのは“ひきこもり”とはあくまでも状態像であって、それだけを取り上げて疾患であると診断するには無理があるという事です。そのひきこもる要因となった精神疾患の存在を確認したうえで、初めてその“ひきこもり”に治療が必要かどうかと診断が下されるわけです。

昔と違って今はどんなにひきこもっていても、スマホやPCを使うことが出来る環境であれば、外からの情報は好きなだけ手に入れる事は出来ます。つまり自らを一方的に外からも内からも情報を遮断してコミュニケーションを絶つことが一昔前のひきこもりで、恐らく昨今のひきこもりはインターネトで情報を集めたり、YouTubeを観たり、ゲームをし続けたりして過ごすひきこもりの方が多くなっているのではないかと思います。

上記のような定義を行ってもひきこもりにだって程度の違いがあります。全部が全部医療としての治療を要するものかと言えば決してそうではなく、当事者を取り巻く人間関係や環境調整等で上手く改善するものも当然あります。

一方でその昔勤務をしていた県立の精神科の医療機関では、医療スタッフと一緒にケースの自宅に乗り込んで、ご家族の同意を得て必死で説得をして、最終的にひきこもっている部屋に乗り込んでいき、ご家族同伴で病院に一緒に来て頂き入院加療を受けてもらうような、やや強引な切り口でアプローチをした経験もございます。(25年以上も前のお話ですから、今ではそんな荒業で強行突破をするようなことはしていないかもしれませんが・・・)

因みに、このケースは統合失調症の確定診断がついて、入院加療によってひきこもりの要因となっていた症状は改善され、最終的にはご自宅に退院されて“ひきこもらない”日常生活に戻られました。めでたし、めでたし!

今回の事件の加害者がどの程度のひきこもりであったのか、またその幼少時からの生い立ちをあからさまにして、マスコミは犯罪や心理の専門家と称する人を寄せ集めて、あ~~でもない、こ~~でもないと邪推してしまいますが、当事者が亡くなっている以上真相は解明できませんし、そんなことをして被害者が生き返るわけでもありません。

このような一連の野次馬的なマスコミ報道は、現在療養中の被疑者の方々や、そのご家族や学校関係者の方々にはPTSDを惹起させるようなものでしかありません。勿論こんな事件は二度と起こって欲しくはありませんが、いつまた発生するかもしれない同類の事件の抑止力にも全くなりはしません。

今回は薬物依存が引き起こした事件でもないのに、あたかも薬物依存と関連付けてしまうかのような発言をしたり、また結果的に自殺にはなりましたが、通常の単独で遂行される自殺と比較するような発言をしたり、コメンテーターと称する人達にも、もう少し冷静にきちんと言葉を選んで発言して頂けたらと思う場面も多々あります。

事件が事件だけに、このような場合のマスコミ報道の在り方や、一方で時と場合によってはそのマスコミ以上に力を発揮してしまう昨今のSNSの在り方は、今後我々と上手に共存するために発信する側も受診する側も、もう少し冷静に知恵を絞って行く必要はありそうですね。

 

 

あの診断名も一精神科医としてはかなりどうかと思いましたが、『適応障害』の某国会議員こそが本物の“ひきこもり”なのではないかと思う令和1ヶ月でございます。

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