理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.69

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『働き方改革』

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今年の東京の桜はまたもや例年よりも早々に咲くのかと思っていたら逆に遅咲きで、そしてやっと満開になったと思ったら、強烈な春の嵐であっという間に葉桜になってしまいました。そんな4月にこれまでとは違った新しい環境で新年度をスタートされた方々も、この拙コラムをご愛読いただいている読者の方々も、お変わりなくご清祥のことと存じます。

岸田さんは先日国賓級の待遇でアメリカにお出かけされました。「あなたもこれに乗れるのは最初で最後でしょうから、まあ一生の記念にご一緒にどうぞ」とバイデンさんに言われて “ビースト(アメリカ大統領特別仕様の車)”に乗せてもらったのかもしれませんが、果たして一緒に乗っていたことをバイデンさんは今でも覚えていらっしゃるかどうか?(笑)

被告の立場になっても相変わらず無茶苦茶なことを口にするトランプさんですが、麻生さんは既に『またトラ』と確信されたのか、そそくさと先取りの面会に渡米されておられました。それにしても私は彼がどうしてあれだけの支持を得られるのか不思議でしょうがなく、アメリカ人の民度って本当に困ったもんだと思っていました。そうしたら我が国だって選挙が近づくにつれて、またまた傍若無人に都政を動かす学歴詐称疑惑の小池さんがあれだけの支持を得られるのですから、日本人(東京都民)の民度もまあ大した違いは無いのかもしれません。

先日ある方と日本の政治家についての話になった時に、我が国の政治家の多くは「今だけ、金だけ、自分だけ」のどうしようもない奴らばかりだ!と嘆いておられました。今回の政治資金規正問題の岸田さんの落とし前のつけ方をみていても、まさにこの方が仰る通りで自らをきちんと律することなど不可能な人達なのだとつくづく思いました。東海道新幹線に個室が復活するそうですが、これだって結局国会議員に好き勝手に使われてしまうのが関の山という気がしますけど。

そんな我が国の新年度の目玉商品と言っても過言ではない『働き方改革』でございます。今回は我々医療従事者にもかなり踏み込んできております。時間外・休日の労働規制が適用されることになります。臨床に携わる医者には大きく勤務医と開業医というものに分けることが出来ますが、今回の労働規制は多くの場合勤務医に適用されることになろうかと思います。

過労に伴いうつ病を発症して、最悪の結果として医師が自殺をしてしまうケースなどが報道されると、場末の一精神科医として本当に身につまされるような気持になるのですが、これは医療従事者だけに限った事ではなく、全ての職種にも起こりえることですから医者だけが特別とは言えませんし、このようなことが起こる職場環境は間違いなく改善されるべきであります。

とはいえ医療現場というものは何でもかんでも杓子定規に仕事が進んでいき、定時にきっちりと終えられるものではありません。ましてや時と場合によっては患者さんの生死に直面している場合も多くあるわけで、5時間の予定で開始された手術が想定外の事態から数時間伸びてしまったところで、立ち会っていた今どきの研修医が手術の途中で「自分勤務時間が来ましたから手をおろします」なんてことを言いだしかねないと昭和のオヤジは真剣に心配をしております。

私は既に今年の流行語大賞にノミネートすると予想しております『ふてほど』(ドラマ「不適切にもほどがある」の略語)の中で、主人公の小川市郎(阿部サダヲ)さんが叫んだ「働き方って、がむしゃらと馬車馬以外にあるのかね」という台詞には正直グッと来るものがありました。やはり若い時にする仕事にはそんな場面はどこかでは絶対に必要ではないかとどうしても思うのですよ。

それは決して強制的にさせられてしまう馬車馬や、心ここにあらずの嫌々ながむしゃらは全くお話になりません。ここで言いたいのは「自分がこの仕事を極めるためにはどうしても今必要だ!!」と心の底から思う時に必要とされる“がむしゃら”と“馬車馬”の事を言っているのです。私は基本的に仕事というものは、自分自身それがしたくてするものだと思っております。

もちろん世の中の人が全て自分の本当にやりたい仕事に従事出来ているかと言われれば、中には「別に好き好んでこんな仕事をやっているわけじゃないですけどぉぉぉ」と言われる非常に残念なケースも多々あることは承知しております。ドラッカーとかいう人が言うには「労働とは働く人が仕事を行う事」で、「仕事とは人が働くことによっておこなわれるもの」なのだそうです。

その労働ではなく仕事を選ぶ上で“コスパ”だの“タイパ”だのが常に優先順位の上位にあるようでは、本当に自分にとって一番幸福であり、充実したやりがいのあると思える仕事に従事することが出来るものなのか?Z世代からは「オッサン余計なお世話だけど」と言われるでしょうが、私はそこをどうしても危惧してしまいます。

私は医師という仕事に就いてから30年以上経ちましたが、幸せなことにこれまで一度も「辞めたい」とか「辞めよう」と思うことなく今日まで働くことが出来ました。そこにはこれまで働かせていただいた職場の環境や、一緒に働いたスタッフの皆さんたちにも本当に恵まれたからこそ言えるのでしょう。運が良かったと言われればそれまでかもしれませんが、本当にありがたい事でございます。

そこで先ほどから一人で勝手に力説しているがむしゃらと馬車馬ですが、今思えばあの時ががむしゃらで、この時は馬車馬だったといえる場面が鮮明に記憶されているかと問われれば、いついつのこの時がそうだったと具体的に言葉にすることは出来ません。しかしそれを一度も経験せずにここまで来たのかと問われたら、そのようなことは決してなくて、ここまでの医師として働いてきた道程の所々には絶対にあったからこそ今こうして医師を続けていられるのだという事だけは断言できます。

仕事をするにあたっては個々の能力やモチベーションは違って当たり前ですから、何もかもに一律に線を引いて、「これより上にはみ出さないように、さあ皆さんでこれを守りましょうね」とするのは無理があるのです。逆の「最低限これ以上は皆さん宜しくお願いします」はあっても仕方がないわけで、もしそれが出来なければ他の環境か別の仕事を選べばよいわけです。職業選択の自由に適材適所という事ですから、あとはそれを受け入れるすそ野の広さの問題だけでしょう。

結局『働き方』なんてものは他人から一律に決められるものではなくて、『自分が責任をもって自分の心と体に問いかけながら、最終的に自分自身が決めるもの』だと思います。更に一個人だけではなくそれなりの組織の一員として働く場合には、周囲に対するコミュニケーション力や思いやる心が必要不可欠でしょう。そしてそこにはその組織や他のスタッフからのサポートや協力もあってこそはじめて良い仕事をすることが出来る環境が整うのではないでしょうか。

一律に決められない部分に対しては、雇う側と雇われる側が公平な常識の範囲内で、個々がお互いの総意の上にて決めていくしかないのですが、ただその『公平な常識の範囲』とやらが世代間における大きなギャップ(双方が思い描く非常識)になっているのが一番の問題なのでしょうけど・・・。

 

 

GWは熱中症に気を付けて過ごすことが当たり前の時代になってしまいました。くれぐれも皆さん体調管理にはお気を付けいただきつつ素敵なGWをお過ごしください。と言ったものの、そのGWがお仕事の方もたくさんいらっしゃるわけですよね~~~(>_<)。

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