メンズヘルスクリニック東京 > 前立腺がんサポート外来 > 前立腺がんのステージ(進行度)別生存率一覧
前立腺がんの生存率をステージ(進行度)別でまとめました。比較的進行がゆっくりで、生命を奪われることは少ないがんですが、場合によっては注意が必要です。
前立腺がんはステージⅣ(離れた臓器への転移がある)までの生存率は非常に高く、他のがんに比べて生存率の高いがんとされています。また、進行速度が遅いこともあり、ステージⅢでも5年生存率は100%と言われています。ちなみに、50歳以上の男性が亡くなるまでに一度でも前立腺がんにかかる確率は6.7%とされており、その前立腺がんによって死亡する確率は3.2%であるとされています。単純に計算すると、15人に1人が一生に一度、前立腺がんになる計算になります。他のがんと同様に前立腺がんも早期発見が何よりも重要です。それは前述した通り、ステージⅢまでの5年生存率が100%であることが理由です。ただ、前立腺がんはステージⅣになってしまうと、生存率は51.1%と激減します。他のがんに比べて生存率が高いということで安心せずに、早い段階で検査を受けることが重要になります。
前立腺がんの進行度は主にTNM分類で判断されるのが一般的です。
TNM分類 | |||||
---|---|---|---|---|---|
進行度 | T(原発) | N(リンパ節) | M(転移) | 説明 | 5年相対生存率 |
ステージⅠ | T1a | NO | O | 偶然発見された状態。 がんの大きさが前立腺組織の5%以下。 |
100% |
ステージⅡ | T1a T1b、T1c T2 |
NO NO NO |
MO MO MO |
T1a:偶然発見された状態。 がんの大きさが前立腺組織の5%以下。 T1b:偶然発見された状態。 がんの大きさが前立腺組織の5%以上。 T1c:血液検査によりがんが発見された。 (がんは検査で発見できないほど小さい) T2:直腸診や画像診断でがんが確認できるが、前立腺内に留まっている。 |
100% |
ステージⅢ | T3 | NO | MO | T3: がんが前立腺の被膜を越えて精嚢まで深く進行している。 | 100% |
ステージⅣ | T4 Tに関係なく Tに関係なく |
NO N1 Nに関係なく |
MO MO M1 |
T4:がんが前立腺の被膜を越えて、精嚢・膀胱頸部・直腸・骨盤壁などに進行している。 | 54% |
がん全体の死亡数中、前立腺がんによる死亡はどれくらいでしょうか?2012年のがんの死亡数(男性)が215,100名に対し、前立腺がんはわずか11,143名でした。これは全体の約5%となり、死亡率の低いがんであることが分かります。ちなみに、部位別の死亡数をみると、男性は肺がんが最も多く、がん死亡数の約23.9%を占めています。次いで胃がんが15.0%、大腸がんが11.9%と続いていきます。ただ、この20年間における死亡数の変化という視点でみると、前立腺がんの患者数が、1990年と比べて2010年には約3倍に増加している点は見逃せません。まだまだ他のがんと比べれば死亡率も低く患者数も多くはありませんが、急激に増えているというのが心配です。これは、現代の超高齢化社会や食生活の欧米化・簡便化、またPSA検査の普及が原因とされています。がんは死亡率の高低で考えるのではなく、あくまで早期発見が重要であることは忘れてはいけません。
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