理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.68

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『ギャンブル依存症』

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2月には半袖でゴルフが出来るような日があったので、今年も桜の開花は昨年以上に早いのではと思っておりましたら、思いのほか過激な寒暖差の影響なのか、ここ10年では最も遅い東京の開花宣言でした。

そうかと思えば開花宣言直後からいきなり夏日を記録するという天候に、桜も何かダラダラと咲き続けて一気に満開という姿になれずに中途半端で散ってしまう可能性もあるとの事です。昨今の異常気象では何かもう四季折々のメリハリのようなものを感じられなくなって来ているようであります。

いよいよ日米のプロ野球も開幕し、どのチームも優勝に向けて頑張って行かれるのでしょうが、なんと大谷君の右腕とも思われていた通訳の水原一平氏が、アメリカでの違法賭博にかかわっていたことが判明しドジャースを解雇されてしまいました。その巨額な負債を大谷君が肩代わりをして違法賭博の胴元に送金した疑惑も噴出して、おかげさまで新婦さんの顔出しのインパクトも軽く吹き飛んでしまいました。

様々なマスコミ報道によると水原氏は自ら「自分はギャンブル依存症である」と語ったとか。それがどこまで真実であるのかはこれから明らかになっていくのでしょうが、とにかく世間は大谷君が違法な闇賭博に関与したのか?していないのか?その話題で持ちきりです。質疑応答なしでしたが一応記者会見は行って、「自分は一切関与していないし、自分の口座から送金されていたことも全く知らなかった」とキッパリと語ってくれました。

ただまあどのようにして大谷君の口座から水原氏が秘密裏に勝手に違法賭博の支払いに送金が出来たのかが、多くの人々が関心を寄せているところかと思います。一部では大谷君が全てを承知の上で肩代わりしていたら大変なことになります。そこで罪は全て水原氏に押し付けたのではないかともいわれており、真実は未だ闇の中といった感じですが、そもそもどうしてこのようなことになってしまったのか?それは水原氏が自ら語った『ギャンブル依存症』という事は、私は間違いなく本当なのだと思うからです。

精神科医としての日頃の臨床現場でも依存症と言うと、薬物やアルコール(も1種の薬物と言えますけど)の依存症は珍しくありませんが、確かにギャンブル依存症という疾患も存在することは断定できます。以前他の病院に勤務していた時の外来で、自らがギャンブル依存症を治してほしいといきなり受診されたケースがありました。そのケースはやはり今回のように違法な賭博(この人はテーブル内にカードゲームがセットされていて、そこに座ってテレビゲームを興じるタイプの物)で、司法の目をかいくぐってそのお店に出向いて賭けを行っていたそうです。

そこで大きな手で上がることが出来て自分が勝つと、テーブルがものすごくきらびやかな画面になりいかにも鼓舞されるような音楽が流れてきて、その快感が忘れられずに頭から離れないと言っていました。夜自宅で眠っていても夢にその光景が現れてそこで中途覚醒してしまうと、どうしてもまた再びそこへ出向いて賭博に興じたくて仕方がなくなり、気が付けば着替えてそこに向かっていってしまっていたというのです。

我々の脳には様々な伝達経路がありますが、“脳内報酬系”と言われるものがあり、そこでは我々が日常で感じる気持ちよさ(ワクワク感や多幸感など)はこのような部位が機能して感じています。神経伝達物質で言うとドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニンといったものがバランスよく脳内で働いている時は大丈夫なのですが、ギャンブル依存症になりその伝達物質のコントロールの制御が不能になると、家族や友人達とのどんな大切な人間関係ですらも破壊してしまい、依存症状の方が圧倒的に勝ってしまう事が普通に起こります。

今回の大谷君が異国の地でベースボールプレーヤーとして大成功をしたことを、公私共に支え続けていた誰が見ても必要不可欠に思えた人間関係ですら、こんなに一瞬にして吹っ飛ばしてしまうほどギャンブル依存症というものは恐ろしく、大変な疾患として捉えなくてはならないものなのであります。(ところで当の一平氏は今はどこで何をしているのでしょうか?)

その昔はギャンブルをするにはそれぞれの賭場(パチンコ店、競馬場、カジノ、等々)に出向かないと興じることが出来ませんでしたが、昨今ではモバイル1つあれば世界中のどこにいても興じることが可能になってしまい、またその賭け方が数多く複雑化したことも今後ギャンブル依存症を益々増加させて、根深く重症化させてしまうものと私は危惧いたします。

『依存症』という疾患は一度確定診断がついてしまえば、自身にとってもまたその人を取り巻く人たちにとっても、本当に大変な決して一筋縄ではいかない非常に重症な疾病であることをご理解いただき、可能であるならばその発症を未然に防ぐことこそが最も大切な精神疾患であることを多くの方々に認知してもらえたらと願う場末の一精神科医でございました。

 

 

それとは全く別の話ですけど、大谷君夫妻にはこれから出来るだけ子沢山に頑張っていただいて、野球、バスケットボール、のみならず、テニス、ゴルフ、バレーボール、サッカー、etc.日本のオリンピックの球技における金メダリストは全て“大谷”選手となることを私の老後の楽しみとさせて頂きたいのですが・・・無理ですかね(笑)。

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