テストストロンを高めるためには、「運動」と「睡眠」はとても重要です。では「食べ物」はどうなのでしょうか?よく聞かれる質問です。実は、これさえ食べれば大丈夫というエビデンス(科学的根拠)の高い食べ物は、いまだに存在しません。
でも、テストステロンを効率よく高められる、食事のとり方というのがあります。
それは「大勢で食事をすること」。
おじいちゃん、おばあちゃん、息子や娘などが多い大家族で食事をするのが一番の理想ですが、核家族化が進んでいる今日ではなかなか難しいと思います。そこで、お勧めしたいのが「BBQ」。家族だけでなく、友人や会社の後輩・同僚などを集めて、自らが肉や野菜を調理師、「さあ、食えよ!」と皆に振る舞う。この「他人に与える」という行為が、テストストロンUPには効果的な方法なのです。
「他人に与える行為」は、「愛情をもって与える」ことで女性ホルモンが、そして「物理的なモノを与える」ことで男性ホルモンが高まるのです。面白いもので、モノを与える人はテストステロンが上昇し、逆にモノをもらった人は、テストステロンが確実に下がっていきます。
この原理を理解していれば、BBQだけではなく、ビジネスや飲み会などのシーンにも応用でき、日常的にテストステロンを高めることが可能です。ただ、テストステロンが高まってくると「目立とう精神」も上昇してしまうので、ついつい「オレが、オレが」になってしまいがちなので、周りに配慮したコミュニケーションも忘れてはいけません。テストステロンを高めるには、「人に与えること」だけでなく、「コミュニケーション」と、人のつながりである「ネットワーク」が必要不可欠です。
社長や経営者のような上に立つ人たちは無意識ながらも、常日頃からテストステロンを上げる努力をしているものです。テストステロンを高めたいなら、孤食は避け、人に与えること。人生の極意だと思います。
堀江 重郎(ほりえ しげお)
略歴
東京大学医学部卒業。東京大学病院、テキサス大学、パークランド記念病院、国立がんセンター中央病院、東京大学医科学研究所などで、救急医学、泌尿器科学、腎臓学、分子生物学の研鑽を積む。
帝京大学医学部主任教授、付属病院泌尿器科長を経て、順天堂大学医学部泌尿器科学講座教授、医学博士。精度の高い泌尿器手術をおこなう一方、学術的なアプローチを男性の健康医学に導入。日本初のメンズヘルス外来を開設。
所属学会・資格
日本泌尿器科学会指導医、日本腎臓学会指導医、日本癌治療学会暫定教育医、日本泌尿器科学会、日本内視鏡外科学会腹腔鏡技術認定医
前立腺がんサポート外来