理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.105

何をして明確か

何とか北京オリンピックも無事に終わったようです。我が国の結果はどうあれ、開催中に大事件が発生しなかったことは、まずはよかったですねといったところでしょうか。

最近の日本経済は、アメリカだけでなく中国の景気にも大きく左右させられてしまいます。昔はアメリカがくしゃみをすれば日本が風邪をひいていましたが、中国にも一緒にくしゃみをされたら、風邪どころか肺炎で即入院レベルになってしまいそうな予感すらしております。

マスコミあたりが懸念する“オリンピックバブルの崩壊”は本当に起こるのでしょうか?とある情報では我が国の鉄のスクラップの値段は、オリンピックが始まった直後からかなり下落し出したそうなのです。公共物や人様の物を盗んでまで売り払うようなことが横行しておりましたが、今後の動向は気になるところです。

国内のガソリンの値段はやや値下がり傾向のようですが、食品その他ここ何年も値上がりしていなかった物まで、どんどんと値上がりをしております。それに伴って個々の収入が上がってこないと当然経済は活性化しませんし、先行きが不明確なことに対する不安感は大きくなるばかりです。

髪の治療を日々おこなう中でやはり皆さんに共通することは、「私の髪はこれから一体どうなるんだぁ〜」ということです。少数ですが「行く所までいったから、改善するしか後はない!」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、ほとんどは前者のこの先を不安視するケースです。

これも患者さんに毎日のように言っていることですが、現在の医療レベルをもってしても髪に関しての明確な予測はできず、私ははっきりと「神(髪)のみぞ知るところ・・・」と申し上げます。専門性をうたって看板掲げといて「医師として無責任ではないか」と言われても、これが今の医療の限界である以上仕方がありません。わかってもいないことをわかったかのように言うことは詐欺まがい(民間療法の発毛・育毛サロンと同レベル)の医療ってことになりますよね。

とはいえ9年以上もこの医療に携わっているわけですから、これまでの治療経験に基づくある程度の傾向や推測でのお話しをすることはできますが、しかし個々に向けて「あなたは絶対にこんな経過をたどりますから!」と申し上げることはどうしても不可能なのです。

それでは、先行きが“明確な”不安と“不明確な”不安ではどちらが不安の度合いが大きいのでしょうか?人間いつかは死んでしまうことは、オギャーと生まれたときに万人に明確に決まっていることです。それはそれで物心ついたときから仕方がないと思っているはずです。しかし「その日」がいつ来るのか不明確であるから不安になってしまうことはあろうかと思います。

加齢現象とは人間が歳を重ねていく上で避けては通れない道です。そういった意味では明確な現象です。腹さえくくってしまえば加齢とともに変わっていく自分を自分の中で客観的に受け止めることができている人もいらっしゃいます。ただどのような変遷を辿るかは不明確ですからそこのところで右往左往してしまうのかもしれません。

そこそこ頑張ってお勉強して、それなりの学校を卒業して、まずまずの会社に入って頑張れば、とりあえずは安定した生活をおくれて、国民の殆どが自分たちは『フツウ』と信じていた「一億総中流」の昭和時代は、日々の生活の中に今現在ほどの不明確な不安感は蔓延していなかったのだと思います。

ちょっと頑張ったくらいでは目標校に合格できず、まあまあの学校を卒業しても希望の仕事に就けず、これならどうよの会社に入ってもいきなり倒産することだってある。不明確なことだらけのこの世界で、何一つとして明確な先が見え難い日々の中で、多くの人々が自分を取り巻く環境だけではなく、自分自身にすら恐れ戦いているのかもしれません。

これから墜落することが“明確に”決まっている飛行機に乗っているよりも、落ちるかどうか“不明確な”飛行機に乗っていることの方がある意味では不安かもしれませんけど、まだそっちの可能性に私は掛けてみたいのですが皆さんは如何でしょうか?

 

私は“明確に”何かが待ち受けている我が家へとこれから帰宅いたします・・・。

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