理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.124

質の低下

全国的に梅雨入りの空模様となりましたが、コラム読者の皆様はお変わりなくお過ごしでしょうか?相も変わらず新型インフルエンザは全国的にポツリポツリと出現しておりますが、例の厚労大臣もインフルエンザよりは“厚と労”に身を裂かれるかもしれない事の方がご心配のようで、あれだけ好きだった記者会見もめっきり行わなくなりました。

先日「Sox21」なる遺伝子が薄毛に関係ありそうとの研究発表がありました。しかしその報告とは“髪のキューティクルの発現に関係する遺伝子”のようで、いきなりこれを男性型脱毛症(AGA)に引っ掛けるには何となく「2階から目薬」のような感は否めませんでしたが、我が国のマスコミはこぞって飛びついておりました。

まあそんなこともあってか、先日より私どもに対しましてテレビの取材が珍しく2件ばかり続いたのでございます。どこの局かは今回あえて伏せさせていただきますが、これがまたどちらとも取材の担当責任者がちょ〜〜〜っと問題ありの方々だったのです。

別に私が主役で延々と何十分も出演するわけでなく、たかだか数十秒〜数分程度の放送時間なのに、これが全くと言っていいほど視聴者に対して「髪の問題のどの部分をどう知らしめたい」といったビシッと一本筋が通った取材目標を持って来ていないのですよ。

クリニックに来てから「あ〜でもなければ、こ〜でもない・・・」的に質問内容もふらふら変わったり、「ネットで調べたら・・・」とネットのどこにだれが記載したかもわからんような内容を鵜呑みにして質問してきたり、挙句の果てには髪以外の医療にも手を広げようとし出す始末に、こちらもさすがに痺れを切らして「だから一体どうしたいの?」と問いかけてもトンチンカンな返答しか貰えず・・・。

広告収入が激減してテレビ局も大変な時代になったとはいえ、もう少し質のいいスタッフによるレベルの高い番組作りにしっかりと励んでいただきたいものですね。これでは国民のテレビ離れはますます進んでしまうのではないのでしょうか。こちとらぁ受診料だってキッチリ払っているわけだしって、あっ言っちゃったよ問題の責任者の局。

そこで質の低下と言えば、ここのところしつこいようですが例の裁判員制度です。あれは「地方裁判所における刑事事件限定」の制度ですから、裁判員の人達が仕事もお休みして、一生懸命親身になって下したまっとうな(?)判決も、被告なり検察なりが控訴してしまえば審理は高等裁判所へと行ってしまいます。と言うことは結局今まで通り最終的に法曹界の人たちだけの裁定によって刑が決まってしまい、裁判員の人達の労力はどのような形で生きるのでしょう。

今後地方裁判所で刑事事件が結審する確率はきっと低くなるに違いありません。とどのつまり高等裁判所が上から目線で、地裁の判決に対して“質の低下”を揶揄するような結果にならなければ、と余計な心配までしてしまいます。さぁ〜て、これからと〜っても忙しくなりますよ〜高等裁判所さんは。

我が国の政治(家)の質も昨今如何なものかと言われる傾向にあります。先日も「今の政治は正しいことを言っても認められない」と言い訳をして辞任(実質は更迭)された大臣がおられましたが、いい歳こいて一体何を言っているんだと思いました。正しいことを言っても認められないのはあなた家庭内だって・・・・、おっとまだオチには早すぎますね。

いついかなる時と場合においても、正しいことを言うことが絶対に正しいわけではない事ぐらいわからないのですかね〜(=正しいことでも言って良い時と場合があるでしょうが)。本当に言わねばならない時に言わねばならない事を言って、それを本当に享受しない政府や政党に自分が属しているのであれば、自らがとるべき選択肢はもっと前にあったはずですよね。

選挙前だけに口ばかりで、あまり派手な動きもできずに、都合のいい時には結局“長いものに巻かれろ”では、これまた国民の政治不信につながると思うのです。政治(家)の質もこれまた低下ですか。今回の「質」って言葉は、ちょっと前のはやり言葉でいえば「品格」に変換できるような気もしますが・・・。

 

私は「医療の質」どころか、「夫の質」や「父親の質」も落とすことは許されないことを肝に銘じつつ日々精進する次第でございます。

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