理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.125

十年一日

さあ梅雨明けも待ち遠しい今日この頃ではございますが、コラム読者の皆さま方は如何お過ごしでしょうか?そこで毎年この時季の決まり文句になってしまいましたが、どうしても言わずにはいられないこの台詞「本当に早いですね〜。今年も残り半分ですよ!」でございます。

マイケル・ジャクソン氏の突然の死には多少ビックリはしたものの、「エ〜〜〜ッ!どうして?」と言うよりも「ウ〜〜〜ン、まあこんなこともありそうだったよね」の方が気持ち的には大きかったですね。まあ平成生まれの若者にとってはスッカリ“伝説の人”あたりに位置づけられるのでしょうけど、旬な時代を共有した中年前後の方々には感慨深いものもあろうかと思われます。

マイケルの全盛期までは遡りませんが、我がクリニックもこの7月で開院10年を無事迎えることができました。「十年一昔」と言いますが、そこに至るまでには「石の上にも三年」を3回は乗り越えなければならないわけです。それでも苦労の連続と言うよりも、正直“アッ”という間の息もつけない感じの10年だったように思えます。

精神科医が髪の毛の医療だって?何でまたそんな事を?そんな疑問を持たれた方も当初は(今でも?)多く、そのような質問もたくさん受けました。もちろんこの医療は私1人だけで立ち上げたわけでなく、形成外科、皮膚科などの先生方と一緒のスタートでありました。ただこのコラムにも何度も登場するフレーズですが、「加齢現象における髪の状態において、正常異常の医学的な境界線は存在しない」ことについては10年たっても何ら変わりはございません。

自分の年齢に対して髪が薄いと思うか思わないかは、他人が決めることではなく自分自身が決めることです。つまりそこでは “自分の気持ちがどうであるかがすべて”と言うことになります。であるからこそ私自身は開院当初から何の違和感を抱くこともなくこのクリニックでの診療をスタートし、その後の10年間においても精神科医としてのidentityは一度も揺らぐことは無かったですし、これからも絶対に揺らぎ無いものと自負しております。

ただ治療効果に関しては、先述のように客観的な正常異常のラインを明確に示せないことや、治療薬が今の段階では非常に限られたものであることから、すべての患者さんに100%の満足をしていただくことは不可能であったと思います。おそらく当クリニックの臨床効果は、某発毛サロンの社長さんがTVで堂々とおっしゃっている「3.4%の方が不満足であった・・・」には“到底”及ばないものと確信をしておりますが・・・。

全ての分野においても日進月歩の時代に、途轍もなく効果のある育毛剤がどこかの化粧品会社から発売され、巷のドラッグストアに“薬剤師が存在しなくても”販売ができるような状況になれば、当クリニックの存在意義も大きな変化を余儀なくされることでしょう。 とりあえずその日を迎えるまでは、頭髪医療の最前線で今まで以上に頑張っていく所存ではございます。

我が国では盛者必衰、栄枯盛衰、と言われますが、今後は「あのマイケルも晩年は・・・」と語り継がれるのでしょうね。しかし医療とは、悩める、困った、苦悩する患者さんを前にしておいて、そのようなことではお話になりません。20年、30年後の頭髪医療がどうなっているか予想もつきませんが、我々の医療を信じて通院加療していただいている皆様方に対しまして、私たちが目指すところとは、少しでも前向きに、ちょっとでも上向きに、ただひたすら前進あるのみでございます。

最後に、ひとまずここまでたどり着けたことに対しまして、患者さんの為に一緒に日々診療に汗をしてくれている各クリニックのスタッフ一同、経営手腕は皆無と言える管理者を常にサポートしてくれているコンサルティング会社の方々、医療のみならず生きることへのmotivationを休むことなく焚き付けてくれる最愛の家族に、図々しくもこの場をお借りしましてお礼を述べさせていただきます。感謝!

 

マイケル・ジャクソン氏の死亡報道のあった朝、JR新宿駅南口で改札を出ていく人たちに向けて、「マイケルジャクソン死亡」と手書きで綴ったA4の用紙をひたすら持ち続け、呆然とした表情で一人号外を発信していたお兄さん。それはそれは計り知れないショックだったのでしょうね〜。合掌。

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