理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.345

“災”

DRkobayashi1
結局平成最後の冬は東京では木枯らし1号を39年ぶりに記録することなく(西高東低の冬型の気圧配置で、西北西~北からの風速8m以上の風を“11月中”に観測することが定義だそうです)終わってしまいました。

そこで今年はやはり暖冬かと思っていたら、突然の寒波襲来にあっという間に大雪に見舞われてしまった地方もあるようです。こんな記録的な寒暖差の中、早いものでこのコラムも2018年最終号となりました。

先日今年の流行語大賞は『そだねー』、今年の漢字は『災』に決まり、2018年もいよいよ残り半月となりましたが、コラム読者の皆様方はお変わりなくお元気にお過ごしの事と存じます。

今年は確かに年明けから全国的に大雪に見舞われ、その後のオリンピックで“そだねー”が連呼され、大阪で大きな地震が発生した後は台風の連発で各地に甚大な被害が及び、記録的な暑さで全国的にうだっていたら今度は北海道で大地震を認めるという、天変地異による災害が確かに多かった年という事で2004年以来の“災”となったようです。

また天災だけでなく人災はというと、仮想通貨の流出事件、女子レスリングやボクシング協会と、最後になって急激に尻すぼみになってしまった女子体操に日大アメフトといったスポーツ界のパワハラ関連問題、財務省の決裁文書改ざん、東京医大に端を発する医学部不正入試問題等が人災と思われているようです。

実は私この漢字の決定は、正直上手いのか下手なのかわかりませんけれど、あの大きな筆で毎年したためておられる清水寺の偉いお坊さんが必死で考え抜いて発表されているのだと随分前は信じていたのですが、実は全国から一般公募されて一番投票数の多いものが選出されるようです。

今年は応募総数193,214票のうちの20,858票(10.80%)がこの“災”だったらしく、以下は『平』(8.34%)、『終』(5.70%)、『風』(2.18%)、『変』(2.01%)と続き、6位以下は1%台になってしまうようです。

つまるところ実は皆さんかなりバラバラな漢字を応募されているのだなと思った次第でして、1割程度の得票率で1番というのもちょっとね~~~と若干首をかしげるところでもありますが、皆さんの今年の漢字は如何でしたでしょうか?

そこで上記の人災(かなり特定的な人達に限定されるものですが・・・)の中で、医学部不正入試問題に関しましては以前このコラムでも私なりの意見を述べさせて頂きました。そしてこの年末ギリギリになって一体何があったのかわかりませんが、次々と内部事情を開示する大学が出現してきました。

実は先日私が医学部の学生時代に所属しておりました水泳部の同門会なるものが開催され、多くの現役の学生諸君にも会って来たのですが、話によると今年の1年生はナント女子が過半数を超えているというのです!

まあそれであれば我が母校はそのような女子学生が不利になるような入試操作はしていないのだろうと高を括っておりましたところ、どうやらこれが違っていたようで北里大学でも人為的な操作を行っていたというではありませんか。こんな操作をしての女子過半数越えですから、これはもし行っていなければほぼ女子医大かぁぁぁ・・・(笑)。

それよりもっと笑えたのが、順天堂大学の弁明であります。「女子は精神的な成熟が男子より早く、相対的にコミュニケーション能力が高い傾向にあるため面接評価点が高くなってしまう。そこで(二次試験の面接で)判定の公平性を確保するために男女間の差異を補正した」そうであります。

コミュニケーション能力なんて“性差”よりも“個人差”の方が絶対に大きいと私は思いますが、それなら多浪生は男子であっても成熟していてコミュニケーション能力が現役学生よりも高いはずなので、面接評価点の補正を行う必要があったとするべきですよね。

まあそのあたりの詭弁はともかくとして、今回これらの人災のそもそもの発端となった東京医大は先日繰り上げ合格者を発表しておきながら、今度は受け入れ上限を超えたと言って5名を再び不合格にしてしまったのであります。私は法律の専門家ではありませんが、一度合格と発表してしまったものを、それを後から学校側の都合だけで不合格にすることは法的には問題がないのでしょうか?

またその他の大学でもこのようなことから追加合格者がゴソゴソと出てきており、その人たちが来年度に入学を決めるとなると、必然とこれから行われる入試で来年度の合格者の数は学校によっては随分と減らされてしまう事になり、今の高校3年生はかなり割を食ってしまうわけです。

医学部を目指す受験生にとっても正に『災』の年となったと言えましょう。いよいよ来年は元号も変わりますし、ここはひとつ「災い転じて福となす」2019年になって欲しいと願うばかりでございます。

今年も1年間この拙コラムに最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。皆様におかれましてもどうぞ良い年をお迎えになられます事を祈念しまして、2018年最後のコラムとさせて頂きます。

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