理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.336

被災後泥棒

DRkobayashi1
ここ最近連夜の寝不足の元凶となっておりましたサッカーのワールドカップはフランスが、ウィンブルドンテニスはジョコビッチ選手が優勝し、これでやっと熱帯夜の中でも睡眠時間を確保できるかと思いきや、今週末に向けてゴルフの全英オープンが始まってしまいます(泣)

夏休みも最近は社内で分散してとるようなところも多くなってきたせいか、7月も中旬になってくると朝の通勤電車も心なしか空いて来ているような気がします。観測史上最速の梅雨明けから東京は酷暑が続いておりましたが、今回の全国的な大雨で被災された皆様におかれましては、心よりお見舞いを申し上げますと共に1日も早い復興及び復旧を祈念致します。

私の実家は山口県にあるのですが、今回は広島県、岡山県、四国では愛媛県といったところで甚大な被害が認められてしまいまして、運よく山口県では先程の県と比較してもそれほど大きな被害はなかったようでございます。そんな天候不順の夏となりましたがコラム読者の皆様に於かれましてはご清祥のことと存じます。

地震の時の津波は海から襲ってきましたが、大雨による土砂崩れや土石流は山から襲ってきます。全周囲を海に囲まれて、家屋のすぐ後ろには山のある日本という国は、地形的に本当に震災に対して脆い国なのだと今回つくづく感じました。

このような大規模な被災があると“必ず後になって”問題視される「緊急非難に対する初動の遅れ」が今回もあちこちで呟かれております。我が国における紛れもない少子高齢化の現状に、特に今回のような被災地では高齢者の比率が圧倒的に多いため、警報が発令されても迅速な非難というものが困難なケースが多かったためにこのような被害規模になってしまったところもあるものと考えます。

民主党政権時代に事業仕分けと称して「何十年とか、何百年に1回の災害に公共事業費を充てることなどナンセンスである!」と予算を削りまくって鼻息荒かったおばさんが、今度は手のひらを反して「このような災害に予防の手立てを怠っていたのは・・・」と騒いでいるようです。今回の大雨は50年に1回あるかないかの規模と言われており、それでこんなになるのですから今さら何をか言わんやであります。

そんな現状を目の当たりにしながら、国会では私個人的にはお国のためにどれだけお役に立っていらっしゃるのか、ちょいと理解に苦しむ参議院議員を6人も増やすことを決めてしまいました。あと6名増えたらこの国がもっと良くなると皆さんは本当に思われますか?減らす理由は山ほどあっても、増やす理由が私には全く分かりません!彼らの給料は全て我々の支払った税金ですよ!

そして国会で言えば恐らくカジノを含む統合型リゾート(Integrated Resort)整備推進法案(通称「カジノ法案」ってやつですね)も最終的に可決されてしまうのでしょう。何をそんなに急いで決めなくてはならないのか、これもまた私には理解に苦しむものなのですが、色々な利権やら私利私欲がうごめき絡み合っているのでしょうから、どうしても今国会でないと!なのだと思います

この法案で常にまとわりつく『ギャンブル依存症』の問題ですが、小生も精神科医の端くれとしてご意見を言わせて頂くと、既に我が国には公営ギャンブルとして競馬、競輪、競艇、オートレースが随分昔から運営されており、街中にはパチンコ、スロットのお店も一昔ほどではありませんがまだまだ沢山営業をしております。

これにカジノが1つ2つ増えたところでそんなに身上をつぶす人が大勢現れるかと言えば、まずそれはないものと思われます。ただ1回に賭ける金額がそれらとは違って大きいのかもしれませんが、それはそれだけのお金を使える一部の限られた人達だけですから、世間様が国を挙げて心配するほどの事でもないと思うのです。

過去の外来で明らかにこの人は正真正銘のギャンブル依存症と確定診断をつけた人は診察中にこのようなお話をしてくれました。この人はとある繁華街にあるお店の、決して合法的とは言えないテーブル型のテレビゲームに依存していました。

色々と経緯を聞くと「そのゲーム機で勝った時(パチンコで言うところのフィーバー状態になった時)のテレビ画面の色や音が、夜に眠っていても突然脳裏に浮かびあがって来てしまうと、全く自分を抑制できなくなってしまい自然とそのお店に向かってしまう」と言うのであります。

ここまでのお話をされてしまったら、これはもう場末の精神科医でなくても『ギャンブル依存症』の診断は簡単なのではないかと思いますが如何でしょう。恐らくこの人の脳内ではギャンブルに勝った時に溢れ出たであろうβ‐エンドルフィンあたりが、普通にしている時に突然湧き出てしまい、自分を抑制できなくなってしまう状態になるものと思われます。そうなると自分の意志だけでその欲求を抑え込むことが困難になるのかもしれません。

果たしてギャンブル依存症と確定診断がつけられる人が我が国にどれだけいて、カジノとやらが出来たらどれだけ増えるかなんて明確な数値で表すことは不可能でしょうが、6人増える国会議員の人達やマスコミが騒ぐほど増えることはないと思います。

多くの被災地の人達が猛暑続きの中で大変な思いで過ごしておられる時に、正に火事場泥棒改め“被災後泥棒”のような感じで、これらのくだらない法案を通してしまうそのやり方は決して褒められたようなものではないと思ってしまう2018年酷暑でありました。

 

 

19歳でまだまだこれから活躍する場面を沢山見せてくれるのでしょうから、彼の名前は「エムバペ」なのか「ムバッペ」なのか我が国のマスコミはどちらかにきちんと統一して頂きたいのですが如何でしょうか?

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