理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.326

誰も何も言いません

DRkobayashi1
暦の上では春となりましたが、まだまだ寒い日が続いております。平昌オリンピックも開幕し日本選手団の活躍も期待通りか、期待外れか、微妙な展開で競技は続けられております。このコラムを書いている時点ではまだ金メダルは1つも取れていない状況です。今年は寒波の到来が多かっただけに、春の訪れが本当に待ち遠しい今日この頃ですが、コラム読者の皆様方はお元気にお過ごしでしょうか?

相変わらず今年はインフルエンザが大流行とマスコミは騒いでおります。しかし医療の現場にいる一臨床医から言わせて頂くと「本当に大流行なの?」と疑ってしまう部分があるのです。確かにワクチンの製造失敗で供給が出遅れたことは事実です。相次ぐ巨大寒波に例年よりも気温が低く乾燥傾向である。これもそうかもしれません。

しかし一番大きな要因は臨床現場でインフルエンザの確定診断が簡単に素早く出来るようになってしまった事なのだと私は思っているのです。知人の内科医でも、熱もそれほど出ておらず症状もそれほどはないけれど、家族に出ているから念のためね・・・、と検査をすると「ハイ!出ましたB型です!!」

こうなると当然確定診断もそのようになり、会社や学校も休んでもらうしかありません。診断キットの無かったその昔はインフルエンザの診断なんて医者の独断と裁量で決まっていたわけです。先述のように「あ~~~熱もそんなに出てないし、体の症状も軽症だから、こりゃあただの風邪でしょ」で終わっていたケースは山ほどあるはずです。

これらが次々に簡易検査で“インフルエンザ”として炙り出されたら、診断した医者は届出伝染病として24時間以内に保健所に届け出なくてはなりませんから、確実に発症例としてカウントされてしまい、症例数だけで言えばそりゃ~もう自ずと厚労省もマスコミも大流行と言わざるを得ませんよね。でも本当でしょうか?

こんな事ちょっと考えればわかるはずなのに誰も何も言いません。

 

東京の銀座のど真ん中にある歴史ある公立小学校の標準服が「アルマーニ」のデザインになるという事でえらく巷がざわついております。そもそも“標準服”なるものを私自身が経験したことがなく、どのような意味を持つ服なのかがよくわかっておりません。

中学、高校と “制服”を着て通学をしておりましたが、当時はズボンの裾幅を変えてみたり、詰襟の高さを変えてみたり、袖口のデザインやボタンの数を調整したり、裏地に得体のしれない刺繍が施されていたりと、「決められた」制服に対するささやかな抵抗を示す連中も私を含めて確かにおりました。

当時の制服、校則、といった全てを十把一絡げのように丸め込んで統制させようとする権力のようなものに、何か不平や疑問や反感をもって日々燻っていた、まさに尾崎豊の歌詞に出て来るような学校生活を送っていたという人達は、我々世代の中高年は多いのではないかと思います。

それが制服ではなく“標準服”って一体何なのでしょうか?少し調べてみますと「学校などの組織において、所属者が着用することが望ましいとされる服装。ただし制服とは異なり、常時着用の義務はなく、推奨されるに留まる。」服の事だそうです。

ですから本来は学校側が推奨する色やモデルのことであって、指定する販売店で売られているものでなくてもいいし、自分で縫製したものでもいいし、本人が嫌なら着なくてもいいし、学校が強制する類のものではないらしく、実際に学校が示している標準服を着た子供と、私服の子供が一緒にいる学校もあるようです。

ところが一応は標準服として位置づけている学校でも、実態は殆ど制服のような強制力を持たせて、転校生に標準服を買わせたり、標準服から外れた服装の生徒が指導を受けたりすることも少なくないようなのです。

最近は猫も杓子も「格差社会の是正!」を切々と訴える政治家やマスコミが横行しております。通学において私服だと着る物に「格差」が出るから制服なら皆が同じで、着ている物の差によるいじめも未然に防げるといった考え方があるようですが、今時着ている物でいじめますかね~?いじめってもっと他の事で沢山起きているのではないかと思うのですが・・・。

そこで制服でもなく私服でもなく、全く中途半端な立ち位置の“標準服”を設定する意味がよくわかりません。私も聞きたかった質問でしたが、今回のアルマーニ問題となっている校長先生にどこかの記者が「先生はアルマーニの服(スーツ?)はお持ちでしょうか?」に対して、ご本人は「持っておりません!ハンカチ位なら…」と回答しておられました。

ここは本来このプロジェクトを本気で邁進する気があるのなら「ハイ!私も泰明小学校の校長としての自覚とプライドを鼓舞するにあたり、勿論職場では常に全てアルマーニです!」位の事を返してほしかったですね~~~。(笑)

そして標準服にしては値段が高すぎるとマスコミ側が糾弾するのであれば、その校長先生の回答の後に「どうしてお持ちではないのですか?」と尋ねるべきだと思いますが如何でしょう?その校長先生が「ア、ア、ア、アルマーニのスーツは高額すぎて公立小学校の校長の給料ではとても買えません」と言わせたら終わる話ではありませんかね。

こんな事ちょっと考えればわかるはずなのに誰も何も言いません。

 

 

それはさておき、私が一番知りたいのはあのアルマーニの標準服は「一体どこで製造されるのか?」という事であります。Made in Italyならそりゃ~もう拍手喝采ですが、アルマーニでも商品によってはPeruやParaguayあたりで作っている物もありますからね~。さて何をもって本物と言えるのか、誰も何も言いません。

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