理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.257

値上げ?値下げ?

小林一広

桜もアッという間に満開となり、新年度がスタートいたしました!新しい環境に身を置かれる方も、今までの場所で引き続き頑張られる方もご清祥の事とお慶びを申し上げます。またコラム読者の皆様方に於かれましてもご健勝の事と存じます。

首相は“賃上げ”と勝手にほくそ笑んで一句詠んでおられましたが、新年度になった途端いきなりの“値上げ”ラッシュに一般の消費者はちっとも笑える状況ではありません。乳製品全般、食用油、珍しいところではケチャップ類、他にもディズニーランドやディズニーシーの入場料も上がります。

それでもって厚生年金や国民年金の支払額も上がるわけですから、全ての国民が賃上げされるわけでもないのに、「何を能天気なことをほざいておるのか!」と元官僚の古賀さんなみに叫びたくもなる方は少なくないと思います。

私はその古賀さんの発言場面を生で観ていたわけではありませんが、ご本人的には『窮鼠猫を噛む』位の気概で番組に乗り込まれたのでしょう。テレビ局側からすれば録画番組なら100%カットでしょうが、生放送だけに“テロだ~~~!!”と叫びたくもなるのはごもっともです。

今回の彼のやり方が良いか悪か、正しいのか正しくないのか私自身のコメントは差し控えますが、某テレビ局にお勤めの方が「いやぁ~~~今は安倍政権の批判はちょっと・・・」と、官邸側からの何とも言えないプレッシャーが局内に漂っているようなことはまんざら嘘でもないようなお話を聞いたことはございます。

そんな物騒な新年度の値上げに対しまして、値下げのお話を一つさせて頂きましょう。私共がAGAの治療で使用しております薬剤『フィナステリド(薬品名:プロペシア)』のジェネリック医薬品が今月我が国においても上市されます。

ジェネリック医薬品と言えば、既に皆様ご存知だと思いますが、最初に世に出せた製薬メーカーの薬の特許が切れたことにより、他のメーカーが後発品として同じ成分の薬を販売した薬剤です。新薬とはその発売までには莫大な時間と費用をかけてやっとの事で世に送り出せるわけですから、薬の値段なんて多くの場合は実際のその薬剤の成分の値段というよりも、それまでにかかった費用を取り戻す値段と思った方がよいかもしれません。

そんな砂漠の中に落としたコンタクトレンズを探し出すくらいの労力で発見した虎の子の薬を、販売し始めて何年かしたところで全く開発の努力をすることのないメーカーが同じ成分の薬を売り出す。

しかもお上は保険診療における『薬価』(=薬の値段)をジェネリックには低く設定するものですから、患者さんは少しでも治療代を安くしたい(=霞が関は国民の医療費を少しでも抑えたい)と思えば当然そちらを選んでしまいます。

基本的に我が国の医療は特殊な医療を除いて全て保険診療によるものですから、札幌で風邪をひいても、那覇でひいても同じ検査と同じ薬が出た場合は同じ料金のはずです。もっと言えば最近腹腔鏡の手術後の件で騒がれている病院でその治療を受けても、世界的にも有名な“神の手”によってなされた手術でも同じ手技であれば同じ料金です。

ですから少しでも安心してこの身を預けることのできる医者を探し求めるのは当たり前の事だと思いますが、探し求める限界もありますし比較も簡単にできるものでもありません。ですからご縁という名の運不運は伴いますが、保険料を支払っている国民は平等に同じ医療を受けることが出来ることに一応なっております。

であれば薬価をジェネリックだけ安く設定するのは変ではありませんかね?皆が平等に同じ医療というのであれば先発品の薬価も同じに下げるべきでしょう。逆に先発メーカーも値引きされたジェネリックメーカーに売り上げを持っていかれるくらいなら、(それまで十分独占で儲けてはいるでしょうが)「自分たちの薬価も同じに下げてくれ!」とお上に申請すれば、高い値段で売れない薬よりも安くしてでも売れる薬の方が「損して得取れ」になりはしないのでしょうか?

とまあここまでは保険診療のお薬のお話で、先述のフィナステリドは“保険外診療”のお薬ですからお上が薬価を設定しておりません。ということは薬の値段をメーカー側が最終的に決めることになるわけですから、ジェネリックが出たらチキンレース的な値下げ競争になることは必至です。下手をするとメーカーの体力(資本力)勝負みたいになる可能性だってないとは言えません。

そうなると我々業界の治療費にも必ずや影響が出てくるわけですから、他人事のように悠長に構えているわけにはいかないのであります。まあ少しでも安価で、尚且つ最高の医療を提供することが私達の理想でもありますので、その理想に少しでも近づいていけるような2015年度にしたいと思っておる次第です。

前回のコラムの中で「勤労は国民の義務・・・」と記載したところで、筆者の意図とは異なる捉え方をされた読者がいらっしゃるという情報を得ましたので追記いたしますと、「家事は立派な勤労です!」と私は思っておりますので誤解の無いように宜しくお願い致します。

 

 

但しきちんとその家事が遂行された場合にのみ適応ですが・・・(冷汗)

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