理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.256

あれから4年後

小林一広

3月も中旬となり、そろそろ桜の開花宣言も間近になっているように思われます。目玉を取り出してジャバジャバと洗いたくなるような衝動に駆られる花粉は相変わらず蔓延しておりますが、コラム読者の皆様方はお元気にお過ごしのことと存じます。

年度末ということで普段よりもご多忙モードに入っておられる方も多い時季であります。我が国の場合4月スタートの新年度とともに、行く人、来る人、去る人、移る人etc.と、自身を取り巻く環境が変わる方も沢山いらっしゃる季節であります。

その「環境変化」に伴って発生するストレスから生じてしまうことが多いとされる“5月病”なるものも、恐らくわが国特有の現象(疾患?)ではないのでしょうか。まあ何にせよ“立つ鳥跡を濁さず”と言いますように、出る側も出られる側もお互いが気持ちよく新年度を迎え、良いスタートを切ることが出来ればそれにこしたことはありません。

昨日から北陸新幹線が開業いたしました。新幹線から日本海を見ることが出来るのは、何でも今回の線が初めてのことだそうです。この開通で富山や金沢に向かう飛行機(航空会社)はかなりの打撃をこうむることになるのでしょうか。

今までは長野に向かう御仁の中には、たとえどんなに“爆睡”していても終点だから着けば起こしてもらえると安心していた方も少なくなかったかもしれませんが、これからはハッと気が付けば既に『金沢』となってしまう方も絶対に出現しそうです(笑)。

新幹線だけでなく、都内の高速道路も先日環状線が繋がって羽田に行くのが便利になったようで、色々なインフラが整備され、移動の時間が短縮されたり、交通渋滞が緩和されたりする事は決して悪いことではありません。しかしそれに引き換えこれまた先日で4年経った東日本大震災の復興は未だに遅々として進んでいないような気がしてならないのです。

我々の所得税や法人税の税率を引き上げてまでも計上させて頂いた復興予算も、2013年度までの25兆1000億円のうち約5兆円が使われず国庫に残ったままになっていることが会計検査院から発表をされております。

5兆なんて額をもし銀行に預けていたら、我が国の普通預金で雀の涙ほどしかない金利(今現在の最高はイオン銀行の0.12%です)ですら年間約『60億円』ですからね。小林家この金利だけで一生遊んで暮らせます。政府は一体何をしておるんじゃ~~~ですよ。
その一方では被災地の復興とはあまり関係もないようなことにその予算を使われているなど、“あの日”から4年経った今、お上が民主であろうが、自民であろうが結局あの人たちのやることなすことには本当にやるせない気持ちにさせられてしまいます。

同時に福島の原発処理にしても、現地で一生懸命勤務されている方々には失礼な物言いになりますが、東電は本当にきちんとした処理をやってくれているのか?本当にあの会社に任せておいて大丈夫なのか?と言いたくなるようなニュースがポロッ、ポロッと漏れ伝わってきます。(本当は表に出せないような話が実は山ほどあるようにも勘ぐってしまいますが・・・)

先日陸前高田に残っていたあの“奇跡の一本松”から作ったモンブラン社の万年筆が話題になっておりました。海水の塩分を含んだ枯れた松の木を素材に万年筆を制作することはかなり大変だったようで、113本(311本は作れなかったということなのか?)が完成したとのことでした。

そのお値段ですが、な、な、なんと1本48万1千円!!(税抜き)だそうでございます。またその売り上げの20%を同社は復興支援に寄付されるとのことですが、「たかが万年筆なのに値段が高すぎる!」だとか「たった20%の寄付なのかよ!」と騒ぐ輩もいるようで、まあ何をするにも復興支援は大変だな~と思う次第です。

ですから使われていない予算があるのなら、私は何でもいいから今すぐにでもばら撒けと言っているわけではありません。中にはお金だけをもらうことで働かなくても生活はできる事から、昼間からパチンコ屋に入り浸ったり、明るいうちから連続飲酒の状態になってしまったりと、震災「前」と生活状況が一変して震災「時」ではなく震災「後」の家庭崩壊を余儀なくされたケースも少なくないと聞きます。

被災をして何もかもを失ったから働かなくて良いのではありません。憲法27条にもあるように『勤労』は国民の義務であります。ただその働く“場所”を震災によって失ってしまったことは大変残念なことであり一番の問題なのですから、その働ける場所や環境を可及的速やかに再構築することが復興の最重要課題のはずです。

震災直後は今日や明日の食べ物や飲み水の事、生存の安否確認、雨風を凌いで落ち着いていられる場所、それらがまず大切であったことは間違いありません。でも4年経った(経ってしまった)今はその時とは状況は明らかに違っているはずです。支援する側もされる側もそのあたりをしっかりと認識して次へのステップアップを継続的、段階的に推し進める必要があるのだと思います。

先日来日されたウィリアム王子の本当の目的は、我が国の後に訪問された中国と英国の関係を密にする(中国が設立を主導するアジアインフラ投資銀行に英国が出資をすることを決めた)ためのもので、亡き母の訪問国日本やその被災地訪問などはそのあたりをうまくぼやかす為との噂もありました。

まあそれはそれとしても、放射能汚染の誹りを免れない福島県内にきちんと1泊して、福島県産の食材で構成されたメニューを(全部かどうかはわかりませんが)召し上がり、福島の地酒も飲まれたという行為は立派なことではないでしょうか。我が国の皇太子“ご夫妻”あたりがご一緒に宿泊されたらもっと素敵なお話になっていたでしょうにね~~~。

 

 

そんな思いを馳せながらも私は日々の最重要課題であります家庭内復興に汗をする次第でございます。

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