理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.210

流行りもの


桜の開花宣言もボチボチ聞かれる頃となってまいりました。今年は花粉のみならず、怪しい微粒子までも西の大陸から大量に飛来しております。トップが代わってもばら撒き続ける国の輩は、申し訳ないでもごめんなさいでもなく、傍若無人な態度を相変わらず続けているようです。そんな三寒四温の今日この頃、コラム読者の皆様はお元気にお過ごしのことと存じます。

確かに我が国における高度成長時代の所謂「公害」による大気汚染では、一体どのようなものが巻き散らかされていたのかは、現在のような精密な解析装置がなかったわけですから正確に解析はされていません。ひょっとしたら今の中国よりももっと悪質な物質だったとしたら、こうして今現在皆さんそこそこ生き延びてはいるのですから、まあそれ程大騒ぎしなくてもいいのかも・・・。

今年は関東を中心に20~40代の男性に風疹が大流行しているようでして、東京都感染症情報センターによると、都内で今月10日までの1週間に風疹と診断された人は137人で、今年に入ってからの患者数は既に合計762人だそうです。これは、去年の同じ時期の50倍で、過去5年間で最も多かった去年1年間の患者数672人をもうすでに上回っているというのです。

風疹の主症状は「発熱」「発疹」「リンパ節腫脹」の3つが代表的ですが、必ずしも全てがきちんと認められるかというと軽症の場合などではその限りではなく、子供をあまり日頃から診察していない内科医ですと、大人の風疹なんて普通そんなに出くわすものではありませんから、ほかの診断を下されてしまうことも珍しくないのです。

また特効薬や決定的な治療法があるわけでもないため、発症してしまえば他人にウイルスを巻き散らかさないよう(飛沫感染ですが感染力は麻疹や水痘ほどは強くない)に安静にして経過観察をするしかありません。

風疹に一番注意が必要なのは、皆さんもご存知かと思いますが妊婦さんです。妊婦さん(特に12週までの初期の時期が要注意!)が風疹に罹患しますと胎児の目(白内障)や耳(難聴)、心臓などに障害を認める恐れがあります(先天性風疹症候群)。ところがその最近の妊婦さんの4人に1人はこの風疹ウイルスに対する抗体が不十分と言うではありませんか!妊婦さんのいらっしゃるご家庭では、本人は勿論ですがご主人を含めたご家族も予防接種を行ったほうが良いようですね。

かつては5年ごとに大きな流行が発生していたのですが、1994年以降に大きな流行はありませんでした。ただ局地的や小規模の流行は認められていたようです。一度罹患すると殆どの人が終生免疫を持ち、子供の頃の症状は比較的軽いものですが、2000人~5000人に1人の割合で脳炎や血小板減少性紫斑病などの合併症を引き起こすため注意は必要です。

平成23年度の感染症流行予測調査によると、30代から50代前半の男性の5人に1人は風疹の免疫を持っておらず、20代の男性は10人に1人は風疹の免疫を持っていなかったそうです。また大人では発熱や発疹の期間が子供と比較して長くなり、関節痛がひどくなることが多いようです。今年の2月に、生来健康な25歳の男性が39℃の高熱を発した後に痙攣の重積発作で緊急搬送され、最終的に「風疹髄膜脳炎」との診断を受けた症例報告も出てきております。

過去に風疹にかかったとの記憶のある人達に血液検査を行ったところ、約半分は記憶違い、または風疹に似た他の病気にかかっていただけという調査結果もあり、風疹にかかったことが血液検査などで確定されていない場合は必ずしもその記憶は信頼できない場合が非常に多いのですね。

ですからこれまで風疹の予防接種を受けたことがない(この記憶も怪しかったりして・・・(笑))のなら、なるべく早く予防接種をうけることをお勧めします。そこでもしこれまでに風疹に罹患していたとしても、今回の予防接種をうけることによって特別な副作用等の問題が発生することはありません。それどころか過去に風疹に感染していても、その免疫力をさらに強化する効果が期待されることもあるのでより安心できるというわけです。まあ暫くは流行の動向なども気にしつつ、先述の主症状などに注意をしながら皆さん2013年の春をお過ごしください!

ここのところのいつもながらのコラムと毛色が変わって不思議に思われる方も多いかもしれませんが、たまにはこんなコラムもいいじゃないですか、一応これでもお上から頂いた医師免許の有効期限はまだ切れていませんから~~。

えっつ、有効期限?実は書き換えもなく死ぬまで有効なのでぇ~~~す。ある意味それも怖いけど(爆)





毎年のことながら先日東大合格者の速報が出ていました。別に東大が1番だとも思いませんし、今年娘が合格したわけでもありませんが、学校別の合格者数で言うと今年の結果は、娘の学校、嫁の学校、私の学校の順番であったことが家庭内の全てを物語っているのかと・・・(泣)

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