理事長の呟き
〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜
Vol.169
記録的な早さで梅雨入りし、台風までやって来た5月でございました。あの3月11日以来、まさに天変地異続きと言える状態で6月を迎えることとなりました。コラム読者の皆さま方はその後もお変わりなくお過ごしでしょうか?
海外の首脳会議にノコノコ出向いたところで、相変わらず思い付きだけで大風呂敷を広げる(一体どうやってそれだけの太陽光パネルを日本中に指定した期限までに敷き詰められるのか?)しか能の無い首相の不信任案を、与野党合わせてこれ又その先をどうするのかについては全く無策な国会議員どもが画策しております。
今は解散総選挙なんてやっている暇なんかはないでしょうが!他にもっと急いでやらなきゃいけない事は山積みだってわからんのですかね。まあどうせやったところでAKB48の総選挙の盛り上がりには完敗してしまうのがオチでしょうけど。
そんなこんなでこのコラムも震災関連続きでしたので、今回は少し趣を変えてみようかと思います。そうです唐突に『五十肩』でございます。小生も来年は50歳になってしまいますが、まさにその五十肩に昨年末あたりから苦しんでいるのです。
随分前に自分の母親がこれを患って、やれ「洗濯物が干せない」だとか、「前空きの洋服しか着られない」とかブツブツ言っていたことを思い出し、まさに実子がこの症状なわけです。噂には聞いていても、まさかこの自分がこんなことになってしまうなんて夢にも思っていませんでした。
最初はクリニックで白衣を着るときに腕を通そうと後ろに回した時に「イテテテ・・・」といった感じでした。それがあまりにも日々続くものですから、おや?これはもしかして・・・。と勘ぐりだしたわけです。異国では「Frozen shoulder」と言います。これから暑くなって節電、節電って言われるから涼しそうで良いじゃない。何て思わないで下さいよ。
冷たくなって、そのあとどうなります?そう、凍って固まるわけです!つまり最悪カチンコチンに肩が固まるんですってよ、知ってましたかあなた。知り合いの整形外科医に尋ねてみても、特効薬があるわけでなく、即効性のある治療もなく、ひたすら固まらないように痛みに耐えてリハビリを日々続けるしかないとのご返答。
毎日ちょっとずつ努力を積み重ねコツコツ続けていく。これは正直私の辞書に最も存在する確率の低い文言なのですね。それを自身が一番わかっているだけに、「溺れる者は・・・」といった感じで先日博多のクリニックに出張の時、宿泊先のホテルでつい呼んでみてしまったのです、マッサージの人を!
さて迷える50前の子羊の所にやってきた方はと言うと「こんな深夜に働いても労基署は文句を言わないんでしょうか?」と勘ぐってしまうようなadvanced ageなお姉さまですよ。時間が時間だけにそれなりのユニフォーム着てなければ、私の商売柄「夜間徘徊?」って疑っても・・・。まあそんなお姉さまです。
「こんな遅い時間にお呼び立てして申し訳御座いません」と私(W)。
「仕事柄全然普通やけん、はいベッドの上ば横になって。で、どこの調子が悪かですか?」と件のお姉さま(O)。
<以下少しでも臨場感を再現出来たらと思いまして、博多弁の記憶をたどって可能な限り駆使してみますが、決してnativeではございませんので不適当な言い回しに博多関係者の方々はお気を悪くなさらないようお願い致します>
「いや〜五十肩になっちゃいまして、もう半年くらいですかね・・・」(W)
「腕が上がらんことなっとるでしょう」(O)
「そうそう」(W)
「横にしてから上に行かんちゃろ」(O)
「それです、それです」(W)
「上着を着る時に痛うて着れんこつある」(O)
「うわぁぁぁ、ビンゴ、ビンゴ」(W)
「はい、痛かったら言いんしゃってください(おもむろにマッサージ開始)」(O)
「うっ、うわっ・・・(ひたすら頚部から後頭部周辺に体重がのってくる)」(W)
「痛かですか?(そう言いながらも入る力強さはそのまま)」(O)
「んぐ、う〜〜〜ん(痛みというよりも後ろからの押さえつけで顔が枕に圧迫されて息が出来ない状況)ぶはぁ〜(窒息寸前で息を吸う)」(W)
「(その辺りを一通り押さえつけられ若干の酸欠状態に肩で息をし始めながら)今のあたりが(ハァ)何かの(ハァ)“つぼ”みたいなところ(ハァ)なんですか?」(W)
「そりゃ〜眼ったい」(O)
「め、め、めぇ〜〜〜。僕はその五十肩であの・・・、お願いしてみたんですが」(W)
「(何の返答もなく)はい、横んなって。痛かったら言いんしゃいよ」(O)
(いよいよ今度は肩周辺のマッサージが進行していきますが・・・)
「い、い、・・・いっ、いっ、・・・イテ、イタ・・・」(W)
「(ただひたすらに揉み続ける)」(O)
「チョット、・・・アッ、・・・イタタタタタ、痛かです(意味もなくこちらも博多弁になる)」(W)
「(それでも力加減は一向に緩むこともなく)」(O)
「タタタタタ、イタ、イタ、痛い、痛いっちゃ、(既に涙目でタッピング)」(W)
「・・・(こそっと小声で)これ位は我慢ばせんと!(更に力が入りだす)」(O)
「バタ、バタ、バタ、バタ(声すら出せず両足をひたすらバタつかせる)悶絶」(W)
その後は何を訴えようとも力が最後まで緩むことはない博多の夜でした・・・。
翌日、「あれ、少し腕が上がるような・・・、可動痛も心なしか軽減したような・・・」いやぁ〜〜恐るべし博多のマッサージ。
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