理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.067

スキマスイッチ

昨年末から年明けにかけて色々な歌手やバンドのライブ番組をテレビでやっていました。ご覧になられた方も多いと思いますが、なかなか本物のライブを観にいく時間がとれない私などには非常にありがたい放送でした。

昨年の大晦日に5歳になって間もない娘と2人で渋谷へ買い物に出かけていた時のことです。HMV(ひょっとして御存知ではない方のために:CD,DVDなど音楽全般の商品を取り揃えているチェーン店です)の前で「スキマスイッチ」と入り口の自動ドアに書いてあるのを見つけていきなり。

娘:「ねえ、ねえ、ス・キ・マ・ス・イ・ッ・チってな〜に?」

父:「えっ、どうしてそんな事を訊いたの?」

娘:「だってあそこに書いてあるでしょ(と、入り口のドアを指差す)」

父:「(それを見て納得し)あぁ〜〜歌を歌うグループの名前だよ」

娘:「フ〜〜〜〜〜ン、そうなんだ・・・・」

その後お昼にラーメンが食べたいというもので、センター街付近にあるラーメン店へ入って2人で仲良く(?)年越しラーメンをすすっていたところに有線放送から先程のスキマスイッチの歌がタイミングよく流れてきたので

父:「これこれ、この歌だよ!この歌がスキマスイッチ!」

娘:「(沈黙)」

父:「どうよ、スキマスイッチは?」

娘:「う〜ん、いいね〜この歌」

父:「CD買って帰る?」

娘:「買う!買う!買いたい、買って!」

そんなこんなで大晦日の家路へ急ぐ帰りの車の中ではスキマスイッチが鳴り響いておりました。今では娘も時々思い出したように口ずさんでおります・・・。

昨今CDが売れなくなっていることは皆さんも御承知かと思いますが(あのユーミンですら今やアルバムは5万枚だそうです!)、先日さる音楽関係の方とお話をしていたら、それなりにCDが売れているバンドでも、ライブを行うとお客さんが来ないというのです。

昨年何十万枚とCDを売った某グループ(Aqua Timezって知ってますか?あっ、言っちゃった)が渋谷C.C.Lemonホール(あの「渋谷公会堂」が今ではこんな名前になり果ててます〜〜〜)でコンサートを開催したところ閑古鳥が大声で鳴いたとのこと・・・。

どうも最近の若い人達は、生身の人間が作り出す音・奏でる演奏よりも、CDやiPodの中にある“情報としての音楽”だけで十分満足してしまうようなのですね。聴きたい時に聴いて、聴きたくなくなったらその場でスイッチを切る。いつでもいかなる時でも同じ音を音楽として楽しむ。それだけで十分と思っている人が多くなっているのも、まさにテレビゲーム世代の象徴とも言えるのではないでしょうか。

昨年も全国各地で大きなコンサ−トが話題になったりしましたが、来日アーチストも含めて、元気良くコンサ−トに足繁く通い、その舞台で歌う人達はどちらの側もオジサンが多くを占めているようです。

世の中には本当に色々な歌い手さんがいらっしゃいますが、その人の歌だけで(アンプラグドどころか楽器の演奏も何もなく)、その声だけにお金を払っても是非聴きたいと思えるような歌い手さんは?と尋ねられたら、たまたま年末に2人のライブをテレビで観たからではありませんけど、私の場合は“井上陽水さん”
と“小田和正さん”はお金払います。きっちりその場でキャッシュにて何のためらいもなくお支払いいたします。

私の日々の外来診療で、究極の診察とは何かと尋ねられたら、患者さんから「薬も検査も何もいらないから主治医の顔が見れたらそれでいい」と言ってもらえることとお答えします。何だか新興宗教の教祖サマと変わらないようですが、誤解を恐れずに言えば究極の精神医療とは『お布施』と『診察料』と呼び名が違うだけかもしれません。あとの違いとすれば保険診療では「必要以上の法外な請求は致しません」という違いでしょうか・・・。まさにそのような治療関係を永遠の目標として行きたいものです。

 

何をされようと、何を言われようと、まあ居てくれるだけでありがたいと思うように日々努めておりますが、“家族”なる存在には・・・。

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