理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.091

自信が持てない

先日東京にも雪が降りました。うっすらと雪化粧をした街並みも趣があっていいのでありますが、積雪が10cmを超えると都心の交通機関はもう“オッパッピー”になってしまいます。

全国ネットのテレビニュースでもそれを第一報として報道したりしますが、この時季毎日を雪の中で生活していらっしゃる方々にしてみれば、「東京の奴らは何をこんな雪でガタガタ騒ぐんじゃ!」ときっと思われているはずです。いかに日本の全てが首都圏を中心に回っていると驕り高ぶる人間が、この東京に多いかという問題の表れかと思われます。

これまた先日、都内某区の公立中学校で、高校受験の予備校が課外授業をするのしないので揉めていました。その授業内容ですが、“文科省のカリキュラムに則したお勉強”があまり上手でない生徒の底上げではなく、成績が上位の子たちを選抜してもっと上を目指していただきましょうというものでした。

そういった生徒に対しての授業が、公立校の先生方では不可能であるという白旗を上げてしまったものなのか、課外授業まで手が回らないのか、そんなものをする意欲ははなからないのか、真意の程は定かではございませんが、賛否両論あるのは当たり前と言えば当たり前でしょう。

中には授業料が通常の塾へ通うよりも安くて済む、といったメリットを謳ってもいましたが、今のご時世我が国において「勉強が好きで好きでしたくてたまらないけど、家が貧しくてどうしても塾へ通えない」なんて立身出世の伝記小説に出てきそうな子供が果たして“どんだけ〜”いるでしょうか?

そんなワシントン条約に抵触しそうな絶滅危惧種こそ、学校の先生方が手厚くケアして課外授業を行うべきです。そして担当先生方の給与に対しても時間外手当をきちんとつけてあげたらどうでしょうか。それでもって塾の授業が受けたい人は(受けさせたい親は)、自分の行きたい(親の行かせたい)塾に行くのがやっぱり筋でしょう。

最近世界的に見ても我が国の子供達の教育レベルの低下を指摘する報道が多いのでありますが、本当に低下しているのでしょうか?ひょっとして我が国はそんなに変わっていないけど、他国のレベルアップによって追い越されただけではないか?と贔屓目に思ったりもしました。しかし一方で現実に因数分解のできない大学生がかなりいる(これができないからと言って日常の社会生活に多大な支障が生ずる主婦は殆どいないとは思いますが・・・)ような噂からは、やはり我が国はレベルダウンしているのでしょうね。

学力の低下、株価の下落もそうですが、何某かの悪化に伴い多くの人々は『不安』に思いを馳せてしまいます。日々の外来でもこの「不安を何とかしてほしい!」と患者さんに相談されることは非常に多くなっています。不安の解消に関してはVol.37にも書きましたが、不安の対極に存在する『自信』を取り戻すことであります。

具体的にはどういうことか。つまり先述の話でいえば、『自(分の中学校を)信』じることができる、『自(分の担当教師を)信』じることができる、『自(分の今している勉強や仕事を)信』じることができる、『自(分の生まれ育った国を)信』じることができる、ついでに我がクリニック的に言わせていただきますと『自(分の髪をどこまで)信』じることができる、そして最後は本当に『自(分自身を)信』じることができる、事なのだと思います。

波平さんなんて、頭頂部のあの1本の存在に対しての自信はかなりのものとお見受けいたします。一国の首相でいえば、本当に根拠があるんだか無いんだか分からないけれど、あの自信満々の小泉さんの発言に、国民も軽い集団催眠にかかっていたかのように、日本の景気も多少なりとも上向きを続けて、小泉チルドレンなるとんでもない国会議員を生み出したりしてしまったのです。

それが全て他人事のように不敵に「ムフフ・・・」と笑って誤魔化す福田さんになって、我が国の株式の時価総額は100兆円以上下落したそうです。ガソリン税云々の前にもっとやるべきことは山のようにある気がするのですが・・・。

年の始めからちょっと暗めの話題になってしまいましたが、政治も教育も経済も我が国の全てが何か自信を失っているような気がしてなりません。こんな時だからこそ、せめて診療くらいはきちんと自信を持って対応できるよう全力を尽くそうと思う立春前でした。

 

ところが一歩家へ足を踏み入れると、その『自信』がものの見事に打ち崩されるのは天命なのでしょうね・・・。

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