理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.095

ジェネリックなるくすり

昨年の4月1日付のブログで、いきなりこのコラムの断筆宣言をいたしまして、まんまと筆者の目論見通りエイプリルフールに引っ掛かっていただいた読者の方々もいらしたようですが、今年はそのような事は致しませんのでご安心ください。

前回も少し触れましたが、相変わらずこの時季は“花粉症”を避けて通れないようですし、日々外来を行っておりましても、「今年から発症した!」と言われる患者さんは増えているように思うのですが、皆様の周りでは如何でしょうか?

この疾患の一番辛いところは今のところ“万人に対する特効薬”が存在しないことだと思います。百歩譲って「効果を認めても一方で副作用(口渇、眠気、etc)が辛くて・・・」、の状態も大きな問題だと思います。

先日某製薬メーカーが、花粉症を持つビジネスパーソン(現在自分で働いて稼ぎがある人のこと?)を対象に行った意識調査によると、現実的に払える金額で「花粉症が完治するならいくらまで払えるか?」の問いに、3人に1人が10万円以上50万円未満と答えており、平均は『33万2,251円』となったそうです。

これやっとけば一生花粉症とおさらばできますけど、に果たして30万位払いますか?これはおそらく重症度の差によるのではないかと思います。かなり重症な人は、鼻閉に苦しみ「夜もこの季節はぐっすり眠れない」と訴える方もいらっしゃいます。私も本当に目が痒くなると目玉を取り出して本当にゴシゴシ洗いたくなるような気分に曝されます。

では、このアンケートを我々が行っている髪の毛の治療で行ってみたら、さあいくらの金額になるのでしょうか?つい先日、現実に某発毛サロンに対して納得ができない結果に対して訴訟を起こして、結果数百万円単位の和解をしていたことが新聞紙上を賑わせておりました。ただこれは決して「慰謝料」ではなく、支払ったお金が“ある程度”戻ってきただけのようですが・・・。

ここ最近目につく広告で、某大手製薬メーカーが俳優の渡哲也さんを使って≪「どんな薬か」だけじゃなく、「どこの薬か」を考えたことがありますか。≫と言わせるCMをご存知でしょうか?おそらく4月からジェネリック薬(パテントが切れた後の後発薬品)が市場に台頭してくるのをかなり牽制してのことと思われます。

ジェネリック医薬品に関してはVol.51で触れておりますが、開発メーカーとして売り上げが激減してしまっては死活問題ですから、必死になることは分からなくもありません。ただここまで“なりふり構わず”の様相を呈しては如何なものかいなと首を傾げたくもなります。

製薬メーカーを含めた我々医療従事者は、まず患者さんに対して「どんな薬か」を100%理解してもらうことが先決なのであります。実際の医療現場で患者さんとやり取りをしていると、他の医療機関(他科だけでなく同じ科も含む)で処方されているお薬を「どんな薬か」良く理解されないで服用されていらっしゃる方をお見受けすることは決して稀ではありません。

「この薬はこんな副作用が出るかもしれない事は前の先生からお聞きですよね?」

「はっ、・・・・聞いてませんけど・・・」

私の日常診療によくあるやり取りです。(逆に私の患者さんが他院で言われているかも・・・オイオイ)

こんなことが起らないように厚労省は、薬剤師さんにもその一役をより一層担ってもらうべく、院外処方(「かかりつけの薬局を持ちましょう」)を強く推し進め、医薬分業を(表向きは)奨めているはずなのです。にも拘らず「どんな薬か」を良く知らないで飲んでいる患者さんは未だに後を絶たないのです。

某製薬メーカーさんも敢えてあの逆の宣伝(「どこの」と「どんな」を逆にする)をすれば、非常にかっこよかったのに残念ですね〜。私が社長なら絶対そうさせます。さてどこの広告代理店さんを使われたのでしょうか?

しかしまあ患者さんからしてみれば「んなの、どこの薬だってかまやしね〜んだよ。キッチリと治してくれるんならよっ!」が本音でしょうけどね。

もちろん我が家では「どこで」「どんな事を」してきたのかが最重要課題です・・・。

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