理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.168

ユッケと原発

GWもあっと言う間に終わってしまい、早いものであの震災から2ヶ月が経過いたしました。汗ばむ日も徐々に増えてきております。これから節電をどこまでやっていけるものなのか、本当に計画停電はしなくて済むものなのか、木々の緑が眩しく感じられる中で一抹の不安がよぎる今日この頃、コラム読者の皆様方はお元気にお過ごしでしょうか?

先日聞いたお話ですが、日本の野菜は放射能に汚染されて非常に危険だとの思いから、香港の某高級料理店でガイガーカウンター(放射線量計測器)を使用してチェックを始めたそうです。そうしたところ見事に反応したのは何のことはない自国の“中国野菜”の方で、中国人スタッフ一同「自分達はこれまでにこんな食べ物を普段から口にしていたのか・・・」と真っ青になったそうです(笑)。

野生の動物などと違って、「これは本当に食べても大丈夫かどうか?」を識別する能力は、人間の生活が近代化されるにつれ益々退化している事は確実です。“震災報道”と“東電いじめ”にやや辟易し始めたマスコミの格好の餌食となった今回の某焼き肉店のユッケ問題ですが、飲食店での食中毒事件としてはあまりにも死亡者数の多さにびっくりしてしまいます。

今のところではメニューを提供した店側と、その肉を卸した精肉業者で罪のなすり合いを呈しておりますが、報道(これもどれだけ当てになるのかわかりませんけど)を見聞きする限りでは、正直どっちもどっちの感は否めません。

現地の人曰く、問題の焼き肉店は富山ではここ数年で飛ぶ鳥を焼き鳥・・・じゃなかった焼肉屋だった、落とす勢いで急成長をしていたようで、地元ではTVコマーシャルもかなり放送され、事実週末は夕方4:00位からお店の前に家族連れで行列が出来ていたそうです。

何でも富山県は共働き率、持ち家率ともに我が国の上位にあるらしく、そこで当然外食率も低くはないとの事。味はそれなりでも値段が安くてサービスもまずまず(例の焼き肉屋さんは各テーブルに担当の係がついて対応していたとか、また小さいお子様への対応もきめ細やかであったそうな)であれば今の時代なら富山と言う土地柄以前にお客さんの入りも上々になるはずです。

まあ各論的な問題はどう考えても先述の関係各位のお肉の扱いでありますが、総論的には“ユッケ”なる全国どこの焼肉屋にも置いてあるメニューの存在になってくるわけです。実際私も過去に何度か口にしたことはございますが、O-111なる大腸菌にやられてしまった経験は幸いにもまだございません。

私自身この事件そのものよりもビックリしたことは、食用生肉は“馬刺し”しか厚労省から認められていなかったという事実の方であります。お店に行けばユッケだけじゃなくって、“レバ刺し”なんてメニューも普通に壁に貼ってありますよね。

こういったことは日本中で親方日の丸も国民の多くも「これまでこれでほとんど大丈夫だったじゃ〜ん」といった自分たちで勝手に作り上げた“安心”という名の虚像の上で胡坐をかいていたことに他なりません。でもそうなるとこれは今回の震災における「福島原発問題」と全く同じではありませんか!「ユッケの厚労省」が「原発の経産省」になっただけでしょう。

「そこまで言うのであれば日本中のユッケを国が禁止にすればいい!!」みたいな逆切れ会見を件の焼肉チェーン店の社長さんは絶叫しておりましたが、東電の会長か社長が「こっちがそこまで言われるんだったら電気の供給を止めましょう!!」とこれ又こんな逆切れなんてされちゃったら世の中大変なことになってしまいます。

“大変なことになる”ことは彼らの腹の中では十二分にわかっているからこそ、東電の傍若無人とも思われる態度がいまだにそこかしこで垣間見えるのでしょう。まあメルトダウン発覚の会見も酷かったですよね。

記者が「メルトダウンしたんですよね?」と尋ねたことに対して、
東電社員「(なんやかんやと遠回しな説明の後で)・・・そのようにとってもらっても構わないのではないかと〜」

とまあ我々の業界(精神医学よ!)における専門用語で言う、まさに『迂遠』(「うえん」と読みます)に近いような状況説明に100%国民感情を逆なでしたものと思われます。だって「はいメルトダウンを確認いたしました」とすぐに認めれば2秒で済むことでしょうに、だれがメルトダウンの説明をしろと言った!自らでキッチリ肯定しないあたりはこの期に及んでもまさに役人感覚の人達ですね。東証一部上場企業のはずなのに。

私自身は以前から申し上げていますが、過去には「絶対優良安定株」と言われていた東電株も含め、株に手を出したことは一度もございませんが、今年の東電の株主総会は一体どうなってしまうのでしょう。人ごとながらチョット興味はそそられております。

 

まあ〜相変わらず小林家では、原子炉以上に“家庭内”のメルトダウンの方が十分死活問題にはなりますが・・・。

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