理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.394

院長の部屋 Final

DRkobayashi

結局再発令となってしまいました緊急事態宣言でございます。前回の発令時よりも感染者数は桁が違って増えているにもかかわらず、商業施設や飲食関係への縛りはユルユルです。という事は前回の感染者数で厳しく抑え込めた実績は、今回のこの対応ではせいぜい感染者数の増加を多少抑える程度の効果しかないような気がしております。

大した拘束力も無いと既に化けの皮が剥がれてしまった緊急事態宣言も、どうせやるなら全国一斉にやってしまえばいいものを、ズルズル小出しにすることでは国民の新型コロナに対する士気を高める事は絶対に不可能だと思います。果たしていつまで続ける気でしょうか?

大したエビデンスも無く一番の感染の温床とやり玉に挙げられているそれなりの人数での会食ですが、「国会議員でのルール作りを・・・」と言い出したあたりから、いまさら何をこの人達は言い出すのかと驚き、ルール云々でなくて会食そのものを今は止めましょうと誰一人声を上げなかった事で、日本の議員はもう終わっていると結論付けさせて頂きました。

政府寄りの政治評論家という人が「彼らは人に会うのが仕事だから・・・」と忖度した発言をしておりましたが、だったら今の世の中zoomでやれるだろ、オンラインで出来るじゃないか、という事になるのですけれどそんなことはおくびにも出しません。

首都圏の首長がまるで『西遊記』のようにゾロゾロと官邸に出向くのだって、オンラインで十分できる話ではありませんか!オンラインでやるとテレビに映らないから小池のおばさま主導で三蔵法師役を買って出ているわけでしょう。誰が孫悟空で、沙悟浄かは皆さんのご想像にお任せいたします。

マスクだってN95とまではいわないまでも、当初は不織布でないと意味をなさないと言われていたのが、昨年春先のマスク不足の時ならいざ知らず、変にデコラティブな布マスクを装着して人前で声を荒げて会見されていますが、あれもどなたかご注意された方が良いのではないでしょうか?

誰が森さんの首に鈴をつけるのか状態となっておりますオリンピックの開催の件ですが、政治家(自民党系)がオリンピックをこれほどまでに執着する理由は、もしも開催する事が出来て何とか無事にパラリンピックまで終えられれば、その感動と勢いを何とか利用して総選挙に臨まないと、ここまで落ちてさらにまだまだ落ちそうな内閣支持率をテコ入れできる時がもうないからでしょうね。

その支持率が株価とは真逆にジリ貧の菅総理の話し方が色々な事を指摘されたり、メルケルさんやジョンソンさんやマクロンさんの演説と比較されたり、SNS等では散々な目に遭っております。まあ私からすればあれは“全く生徒たちから信頼を得られていないダメダメ校長のグダグダ朝礼”レベルだと思って拝見しておりますが皆さんは如何でしょうか。

人生タラレバは良くない事は承知の上で、もし安倍前首相が体調を崩さずにそのまま総理大臣を継続していたら、さて今現在はどのような状況になっていたでしょう?今度は違う色のアベノマスクあたりが登場していたりして(笑)。

医師会のお偉いさん方は連日マスコミで『医療崩壊』と大声をあげておられます。皆さんはご存知かどうかわかりませんが、我が国で医療に携わっている医者は全員日本医師会の会員かと言えば、決してそうではございません。弁護士はそれぞれの弁護士会に所属をしていないと弁護士としての仕事は不可能です。

ところが医者は違います。日本医師会の執行部は個人で診療所や病院を経営している開業医が殆どと言っても過言ではありません。ですからあの必死の訴えは日本の全ての医者の代弁かというと、それはチョッと違うところでもあるのです。

つまり新型コロナの重症者を受け入れて加療をしているような総合病院(特に公立病院や大学病院)の医者は医師会に入っていないか、準会員レベルの立場の人が殆どと思って頂いた方が良いのです。という事は連日テレビで医療崩壊と叫んでいる医師会のお偉いさんは新型コロナの入院患者を直接治療する医者ではなく、自分の患者さんが感染した時に入院できる手配をしている医者だという事です。

つまり医師会の人がどんなに叫んでみても入院病床を直接増やす力はそれほど無いと言っても良いでしょう。我が国では現在新型コロナの重症患者さんを入院加療しているのは、公立の総合病院と大学病院(これには私立大学も入っています)が殆どで民間病院はかなり少ないものと思われます。

つまりこの辺りに入院患者さんが収容しきれていない問題点があるといえます。感染症の治療の対策が十分と言えない民間病院で新型コロナの入院を受け入れてしまうと、他の疾患の患者さんへの院内感染や、コロナ対応にマンパワーがとられて通常診療への人手不足が生じてしまいこれまで通りの医療を提供できなくなります。つまりそれはその病院の収益に直接影響して病院存続としての死活問題になってしまうのです。

まあ今の時代においてこのように世界中がウイルス感染まみれになってしまう事を想定した医療体制なんて、少なくとも平和ボケの我が国ではその準備は不可能であったのだと思いますし、それを突然急にやれと言われても(とは言え発覚して既に1年も経過しているのだから対応が遅すぎる感は否めませんけど)この医師会中心の民間医療制度では出来なかったのでしょう。

しかしこのような時に率先して機能してもらわなくてはならない公立病院を次々に閉院させたり統廃合したり、半官半民みたいな経営状態にして行ったのは、何を隠そう厚労省なのですよね。少子高齢化による医療費の増大を抑え込むことだけを考えてそのような措置をとり続けてきました。

つまり今となって民間病院が機能しないと騒いでも、有事に対応する公立病院を減らし続けていった要因はやはり厚労省にあるのですから、早急に法改正でもして民間病院のベッドが上手く機能するような政策を整えるのが政治家とお役人のお仕事でしょうに。

昨年も出ては消え、出ては消えを繰り返す新型コロナウイルスの治療薬ですが、この度イギリスでは我が国で開発された関節リウマチの治療薬が、抗炎症作用のあるステロイドと併用した場合に、併用しなかったものと比較して重症化を抑制して死亡率を低下させると認めたそうですが、これもいつの間にか消えてしまうこれまでの眉唾物ではないことを切に祈るばかりでございます。

そんなこんなで新型コロナウイルスとの戦いは2021年も続いておりますし、まだまだ続きます。1日も早い“収束”(よりもこっちの方の“終息”)を願うばかりですが、もう少し時間と知恵とお金は必要のようですね~~~。医療従事者の端くれでありながら、最前線でCOVID-19の診療に携わっていない平和ボケ外来の院長が偉そうなことは言えません事は重々承知しておりますが・・・。

さて今回で394号となりました院長の部屋でございますが、突然ですが本号をもちまして最終回とさせて頂きます。長年のご愛読(者がどれだけおられるのか全く不明ですけれど・・・)誠にありがとうございました。

 

 

そこで来月からは『理事長の呟き・・・』というタイトルだけが変わって、まあ中身は殆ど変わらずにグダグダと執筆を続けさせて頂きます(笑)

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