理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.384

パンツのゴム

DRkobayashi

例年にない長梅雨になってしまい、今年もまた全国各地で豪雨における被害が多発してしまいました。被災地の皆様には心よりのお見舞いと、このコロナ禍でそちらにも神経を使わなくてはならない状況下ではありますが、1日でも早い復興を祈念申し上げます。

そして観測史上初の全く台風の発生しなかった7月の影響が、これから8月以降の天候にどう影響して行くのか不気味でもあります。本来であれば今頃東京はオリンピック真っただ中で、世界中からの訪問者で朝に晩にと大盛り上がりを呈していたはずが・・・、都心では至る所で閑古鳥が鳴いております。

今回の東京大会までオリンピックは4年に1回の閏年(366日/年)の開催でローテーションをしておりました。その開会式の予定日に東京の再び増加傾向にあった感染者数が“366人”なんて、ちょ~~~っと小池のオバチャマあまりにも出来すぎてはいませんでしょうか?それにこれだけ涼しければ札幌でなくても東京でマラソンだって十分出来ましたよね~~~(笑)。

前回のコラムで私が指摘しました通り、先月の連休から日本中がものの見事に「Go To “トラブル”キャンペーン」と化してしまいました。もうここまで来てしまうと体調がすぐれないのか、やる気を失ったのか、疲れ切ったのか、安倍首相はきちんとした記者会見すら行わなくなっております。

それでもまだ配送できていないアベノマスクだけは8000万枚を送り付けると政府は豪語していましたが、それもさすがに世間の皆様の思いが官邸まで届いたのか、どうやら全ての発送は断念するそうです。組んだ予算は全て使い切らないとダメという霞ヶ関の凝り固まった思考は、もういい加減この辺りで止めてもらいたいものであります。

こうなって来ると、この現状を第2波と呼ぶのかどうかもハッキリしない我が国で、コラム読者の皆様方に於かれましては、ご使用中のマスクがどの様なマスクであろうとも、決して感染されることなくお元気にお過ごしの事と願っておりマスク。

我が国に新型コロナが上陸して以来、感染者『0』をず~~~っと継続していた岩手県にも遂にこのキャンペーンのおかげで感染者を出してしまいました。感染者が日々これだけ出ている東京にいると今やそれほどには感じないのですが、どうしても感染者が少ない地方では「感染者=極悪人」の図式が完成されているようで、随分前から岩手の第1号感染者になったら、「職場の退職、学校の退学は当然で、住むところさえも変えないと生きてはいけない!」といったようなお話が、まことしやかに噂されていたものです。

そもそも今回のトラブルキャンペーンですが、あれだけの予算を各都道府県に分散してその地方自治体独自で利用させたら、つまり感染者0の岩手県民が岩手県内を自由に移動してその先で泊って、飲んで、食べて、土産を買って、を行えばそれはそれで岩手県の経済は活性化された上で感染者も出ることは無いわけです。

それだと確かに飛行機や新幹線に乗る事は殆ど無いかもしれませんが、航空会社やJR各社にはもう少し我慢してもらって、国民の健康及び安全と経済復興の両天秤のバランスを考えたら、ここはもうそれぞれの地方自治体に実行の責任は持たせて予算だけをつけることが霞ヶ関の役人には出来ない発想なのでしょうね。ナンでもカンでもお上が牛耳っていないと気が済まないのでしょうね。

そんな岩手県初感染者みたいに不幸な人を出さないためにも、世界中の人々が一刻も早急に喉から手が出るほど欲している「ワクチン」と「治療薬」なのですが、ワクチンの方は良く言えば“かなり迅速”に、悪く言えば“かなり乱暴”に各国で開発過程を突っ走っております。仮に首尾よく開発に成功したとしても、我が国でどのような優先順位で接種が可能となるのか、そこでまたひと悶着ありそうな予感もします。

一方の治療薬ですが、先日Natureなる権威ある科学雑誌に、今後新型コロナの治療薬として期待が出来そうなものを約12000種類の薬剤(開発途中の物も含めて)から21の薬剤が候補にリストアップされ、その中でも特に有望とされた3つの薬剤の1つに小野薬品が開発を途中で断念した骨粗鬆症治療薬が挙げられたのであります。

正に寝耳に水の小野薬品さんですが、もしこれが特効薬として世に出せたなら、このとんでもない収益でもって本庶先生との法廷闘争にもバババ~~~ンと大盤振る舞いで、軽く示談にできるだけの札束をご提示かと思いきや、会社独自で検証を試みた結果では人体に投与した時の効果が十分に得られないと判断し、新型コロナの治療薬としての開発は早々に断念したそうなのです。本庶先生残念でしたぁぁぁ。

各地の政令指定都市では過去最大の感染者数を連日記録してきております。これは過日に緊急事態宣言を出した時よりもはるかに勢いを持った流れです。しかし多くの方々の危機感を無視して「Go To“トラブル”キャンペーン」を決行してしまった政府は、もう後戻りは出来ないと思っているのではないでしょうか。

その通りだと思います。一度伸びきってしまった『パンツのゴム』は決して元には戻りません!あとはずり落ちないように両手で必死につかみながら日々の生活を送るしかないのであります。

ここで開き直ってブラジルみたいに下半身丸出し状態で生活をするわけにもいきません。ですからあとは“ワクチン”と“治療薬”という『新しいパンツ』が手に入ればそれに履き替えて、やっと両手放しで安心して日常生活を普通に送る事が出来る日を今はひたすら待つしかないのですかね・・・。

 

 

次回8月15日掲載予定のコラムは、世間のコロナ禍の状況からひょっとしたら自粛という名の夏休みを頂戴するかもしれませんので何卒ご容赦下さい。

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