理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.372

「道具の進化」

DRkobayashi

東京ではこの冬まだ初氷を観測出来ておらず、観測史上一番遅い状態を継続中とのことです。一方中国では動物から人へ感染し、人から人への感染が可能に変異した新型コロナウイルスによる肺炎が世界中に蔓延している状況です。

春節で中国の人達が長期休暇となり世界中を旅する時季と重なってしまった事も大きな原因かと思われますが、2003年のSARSや2012年に出現したMERSの時と比較して、果たして今回はどのように終息するのか予断を許さない事態となっております。

我が家の近所の薬局にもマスクを爆買いしている輩(中国人旅行者?)を発見しましたが、こんなところにまで買いに来ているのかとびっくりしてしまいました。現実的に国内のみで仕事をしていたバスの運転手とガイドが、武漢からの乗客に感染させられ発症したという報告がなされ、一体どれだけ国内に持ち込まれて撒き散らかされてしまったのか不気味な感じもしてきております。

今年の夏には世界中から色々な人達が一気に東京オリンピックへと集結するわけで、競技の運営以外のこのような事でも一抹の不安を抱かせる年の初めでございますが、コラム読者の皆様方に於かれましては、お元気にお過ごしの事と存じます。

そのオリンピックで競技会場を東京からナント札幌へ強制的に変更させられたマラソンで、今度は使用するシューズにまでイチャモンがつけられてしまいました。皆さんも既にご存知かと思いますが、ナイキというメーカーが販売している『ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%(いわゆる厚底シューズ)』と言われている代物でございます。

構造的には単に底が厚いだけではなく、ソールの中に特殊な素材のプレートが仕込まれており、走るときにその反力で推進をサポートすることが出来る事から、自分自身の脚力以上の力で走ることが可能となるため、今年の箱根駅伝でもそれを履いた選手や大学が過去にありえなかったような好記録を乱発しておりました。

実際にフルマラソンでもこのシューズで好記録が多く量産されているようで、そのことに世界陸連がイチャモンをつけてきたというお話です。かなり前になりますが全身を覆うようなポリウレタンの水着で、水の抵抗を減らして競泳各種目で好記録が出すぎたときも、世界水連からイチャモンをつけられて結局はそのような素材の水着は使用禁止にした歴史がございます。

その昔1660年のローマオリンピックでは、エチオピアのアベべ選手は裸足で完走して当時の世界新記録を樹立したのであります。裸足ですよ!裸足でフルマラソン完走ですよ!その次の1964年東京オリンピックでは、さすがに靴は履いていたようですが、これまた世界新記録でオリンピックのマラソン2連覇を達成されました。

では、この記録が裸足ではなかったから認めないとか、靴を履くことはマラソンという競技上好ましくないからやはり全員裸足で走るべきとか、そんなイチャモンをつける人達は果たしてこの当時いたのでしょうか?

道具を使用するスポーツであればそれぞれの道具の進化はあって当然です。テニスのラケットも大昔は木製のラケットでしたが、これで今の選手達のような打ち方をすれば間違いなくあっという間に肘を壊してしまうでしょう。ゴルフも大昔は1番のドライバー、3番のスプーン・・・などは全てヘッドが “木”で出来ていましたから、それらを今でも『ウッド』と呼んでいます。しかし今現在そのウッドを本物の木材のヘッドで競技しているプロは1人もいません。全てチタンやステンレスといった金属素材等を使用して、“本当のウッド”の頃とは比べ物にならない飛距離を生み出しています。

先述の陸上競技では競技会場はその昔は全て土のグランドでしたが、今では国際大会などで土のグランドを使うことなどまずありません。特殊な素材の地面をしっかりと蹴って走っていますから、土とは異なる反発力や摩擦力などがあるはずですし、靴底のスパイクの有無でもそれは絶対に記録に影響が出るものだと思われます。

それと陸連が今回の件で言うには「皆が平等に使用できる品物でないと不公平が生じてダメ」ともクレームしていました。しかしそれを言ってしまうとトップアスリートの履いている靴なんて、契約メーカーお抱えの究極のオーダーメイドですから、それこそ世界に1足しかないような代物なわけで、そもそもそこには他の選手との平等性なんて全くあるはずがございません。

今回は何となくナイキの一人勝ちに陸連がやっかみを言っているだけのようにも見えて、逆に他のメーカーさんには「これよりも速く走れる究極の靴を開発してやるから、ナイキのこんなシューズなんて容認してやれよ!」という位の気概をライバル会社として発揮して欲しいものですな。
 
オリンピックの後にはパラリンピックが直ぐに開催されますが、これこそ選手達をサポートする用具の進化や発達があったからこそ、これだけ大会の盛り上がりが期待できるようになったと言っても過言はありません。これらもいつかは規制の対象でしょうか?
 
マラソン選手が“タケコプター”や“どこでもドア”を使いだしたらこれは確かに問題でしょうけど、あの程度のシューズの進化は容認するべきではないかと思う、新型コロナウイルス蔓延中の令和2年1月の終わりでございました。

 

 

武漢からチャーター機で帰国させてもらったのちに、ウイルス検査を拒否して帰宅した人が2名いると報道されました。何を思い直したのか、誰に説得されたのか、検査希望を言い出したとの事ですが、これはもう“鬼女”達が血眼になって個人情報を探し出して、あっという間に本人どころか住所、所属会社、親族あたりの情報まで一気に拡散されそうな気が・・・(恐)。

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