理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.342

医学部入試問題

DRkobayashi1
さすがにもう打ち止めであろうと前回のコラムで高らかに宣言したものの、その後に台風26号が発生してしまいました。日本に直接上陸はさすがにしませんでしたが、グアムやサイパンはかなり甚大な被害を被ったようです。心よりお見舞い申し上げます。

渋谷のバカ騒ぎハロウィンも沖縄の成人式の連中と全く中身は同じで、三流マスコミが必要以上に取り扱うから逆に群れてしまうという集団心理の成れの果てと思いつつも、今年もあと2ヶ月となり朝晩は肌寒さを感じられておりますが、コラム読者の皆様に於かれましては健やかにお過ごしの事と存じます。

この時季になってきますと受験生の皆さんはそろそろお尻に火が付き始める頃かと思いますが、今年は東京医大さんの件を皮切りに、医学部の入試問題で受験業界はかなり揺れているようです。その前に東京医大さんがこの春に合格ラインにありながら、大学側の操作で不合格になってしまった50名程度を来春受け入れるような事を言い出しました。

現在は他の大学や他の学部に入学してしまった人や、現在も浪人生として受験勉強中の人もいるでしょうから、そんなに簡単に「はいわかりました。来春から宜しくお願いします!」なんて言える人はいないような気がします。

既にほかの大学に在学中の人には、今年入学にかかった諸費用を東京医大さんは賠償してくれるのでしょうか?今現在必死で勉強中の浪人生は来春の結果がすべて出るまでは待ってくれるのでしょうか?それだけの数の入学を受け入れるとなると、普通に受験をして来年入学できる枠がかなり減るわけですから、東京医大さんを普通に受験しようと思う人は激減しそうな気もします。

そして受験者数が激減するという事は、実は私立大学の収入減にとっては大きな痛手になる事を意味するのであります。今年の東京医大さんの一般入試(これ以外にもセンター試験利用入試、推薦入試もあるようです)では2935名が志願しています。

受験料が1人60,000円!!ですから、一般入試の受験料収入だけでも176,100,000円あるのです。この収入源となる受験者数が減ってしまう事は大学側からすると由々しき事態と言わざるを得ません。

そこで東京医大さんの奇策として、この度医学部に通常在学するであろう6年の期間にかかる費用を、来年の入学者から約10,000,000円減額できるようにすると言い出しました。これは最近他の某私立医大が同様なことを行って受験者数を増やし、合格に必要な偏差値を上げて、少しでもお勉強が上手な学生をとるような作戦に成功しております。

ただ受験勉強が上手な学生が、全て将来的に患者さんにとっても、チーム医療をしていくうえでも、優秀な臨床医(医者には臨床現場に携わらない“研究医”というポジションもありますが)になれるかどうかは確約されるものではないことは紛れもない事実ですけど・・・。

過日ニューヨーク大学の医学部の学生の学費を全額支援する奨学金を支給することが発表されました。こんなことが可能となるためには途方もない額の寄付や支援がないと不可能なのは明らかですが、中には1人で約110億円寄付した大富豪がいたりするそうですから、チョッと我が国では月をあきらめてもらったZOZOTOWNの協力でもないと無理なお話でしょう(笑)。

実際問題として果たして我が国において1人の医者を誕生させるのに、一体どれだけの経費が必要なのかは諸説がありはっきりしたことは申し上げられませんが、私立大学においても学校側に支払う学費以上の経費が掛かっている事は明らかであります。

ですから国の補助(文科省の助成金)の下に医者になっているのだから、医者になったら国民の皆様にそのお返しをするような仕事ぶりを発揮する必要はあるものと思って、私も今日まで臨床の現場で汗をかいてきたつもりであります。確かに職業選択の自由は確かに憲法で認められておりますが、医師の資格を取得した以上はその資格を必要とされる業務に携わる義務があると私は思っております。

そこで今回の東京医大さんに端を発してしまいました女子学生に対する入試における不平等な扱いの問題なのですが、先程申しましたように医師の資格を有した人間が全て医師としての職務を全う出来ていればこの問題はまさに不平等極まりないお話となるのです。

ところが我が国における女性医師の勤務実態を問うと、男性医師と全く同じような勤務をされていない(全く働いていない、常勤ではなくパートのみ、診療科の偏りが大きい、etc.)ものだから、「そこはどうしても入り口の部分で微調整をさせておいてくださいね」といった感じで当たり前のように行ってきたのだと思われます。

厚労省も国家資格を持った全ての医者の勤務実態をあからさまにすれば、上記のような臨床現場の実情が今どのようになっているのかを国民にも理解してもらえるはずだし、そうすれば入り口(入試)の問題から、出てから(職場環境)の問題も、もっと皆さん冷静に客観視できるので、自称コメンテーター達が不毛なバトルをテレビで繰り広げる必要もないはずだと思いますが・・・。

確かに出産や育児をしながら仕事が続けられない職場環境が悪い!という方も多いでしょう。どんな男性医師をもってしても太刀打ちできない位優秀な女性医師も沢山おられましょう。とは言え、では皆さんは最近多くはなりましたが、男性看護師が半分いる病院に率先して入院したいと思われますか?暴動を抑え込む機動隊の最前線や非武装地帯の協力支援の自衛隊員に男性と女性を半々で勤務させますか?

何が何でも男女が全て平等でなければという偏った風潮や思考が、人類の本来であれば平和な営みをいたずらにかく乱させているような気がしてならない2018年残り2ヶ月といった感じであります。

 

 

主婦の領域に率先して手を差し伸べないと安全安心が担保できない事につきましては身をもって重々承知はしております!!

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