理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.338

組織のトップ

DRkobayashi1
記録的に台風の発生した8月が終わり、早いもので今年も残り1/3になりましたがまだまだ残暑が厳しい今日この頃です。前回はこのコラムも夏休みを頂きましたが、コラム読者の皆様に於かれましては体調を崩されることなく健やかな夏をお過ごしになられた事と存じます。

まあ言うまでも無く今年の夏は記録的に暑い夏でございました。2年後のオリンピックが一体どうなるのかを不安視する声や、これは毎年のようにこのコラムでも触れております高校野球の件ですとか、もうこれまでの夏とは違った対処を来年以降も強いられることを覚悟しなくてはならないのだと思います。

諸外国が今となっては導入失敗を警鐘している中で、オリンピックのためだけにサマータイムの導入をいたるところで連呼している元首相翁です。その昔と違って時計の針を単に2時間動かすだけで済むのではなく、多くのシステムが時間通りに稼働しているわけですから、それを全て変更することの大変さと困難さを全く理解出来なのでしょうねあのお方は。絶対に無理っス!!

それにしてもこれだけ暑くて日本中がエアコンをフル稼働していたはずなのに、不思議と電力会社が電力不足を訴える事は一度もありませんでした。下手に節電を呼び掛けて熱中症があちこちで今以上に頻出してしまうと、訴訟沙汰になりかねないとビビってしまったのかもしれません。しかし8月の電気代が恐ろしいのは我が家だけではないと思いますが・・・。

そんな酷暑の中でここ最近マスコミを賑わせているのが種々のスポーツ協会のゴタゴタであります。レスリング協会のパワハラに始まり、日本大学アメフト部の指揮系統の問題から、ボクシング連盟の“歴史の男”問題になり、今度は体操協会がまたパワハラだそうです。そこで思うのは問題になっているそれぞれの組織は、殆どトップレベルの人がかなり長いことその地位に居座っているような気がするのですが如何でしょうか?

どんな組織であれトップを頂点としたピラミッド体形になってしまうこと自体は、これは致し方ないことだと思いますし、そうしないとまとまる話もいつまでたってもまとまらないという事になりかねません。

ただあまりにも身内だけでの話になると、不正やごまかしのようなことが横行してしまう可能性があるため、大会社の会計には監査法人がチェックをするといった抑止力を働かすようなことも一応行われてはおります。

一口に組織と言ってもその大きさは様々です。これから我が国のトップを決める事になる自民党の総裁選挙レベルから、当院のような場末のクリニックの院長までその規模の差はかなりあるのですが、これを私の数少ない趣味の一つのゴルフで例えさせて頂きます。

皆さんご存知の方は多いと思いますが、ゴルフは14本までのクラブを使ってプレイが可能です。そしてその役割とは多くの場合飛距離の打ち分けになるわけで、一応最も距離が出るクラブをドライバーと言い、グリーンに乗せるために短い距離を打つものはウエッジと言われるものを使用するのです。

常にボールは同じものを使い続けるので、後はカップインさせる所にあるピンまでの距離と方向が合えばそれで問題は解決するのですが、プロでもその二つの要素を常に思った通りには打てません。特に方向性はクラブとボールの接点が1度違っただけでも結果的には狙った方向には飛んでくれなくなります。

そこで使用するクラブによってプロなら300ヤード以上先に飛ばすドライバーと、グリーン周りで20ヤード先を狙うウエッジでは、ボールを打ち出す時の角度のずれが同じ1度でも、最終的にボールが到達する位置はドライバーとウエッジでは比較にならないほどの大きなブレになってしまう事がご理解いただけますでしょうか。

つまり何が言いたいのかというと、組織が大きくなればなるほどトップのほんのちょっとした初動ミスが、末端にまで届く頃には大きなブレになってしまうという事であります。ゴルフで言うところのOBって奴ですね。トランプ氏の気分任せのツイートで、その発言内容によっては世界中が右往左往してしまうのはこんな感じでしょうか。

毎シーズン常にモデルチェンジをする巷のゴルフクラブとまでは言いませんが、大きい組織になればなる程それなりの一定期間でモデルチェンジをしていかないと、徐々に色々なほころびと言いますか問題が露呈していく気がします。

その地位に恋々と居座ってしまう事で、今まで見えていたものが見えなくなってしまったり、人前で言えないはずの言葉を平気で口にすることが出来たり、周囲の意見に対して実直に耳を傾けなくなったり、そんなことの積み重ねが組織を衰退させてしまうのではないかと思います。今回の体操協会さんにも今後一波乱ありそうな、何やらきな臭い感じが私にはします。

アメリカは中間選挙があり、我が国も自民党総裁選挙があり、結果は今のところわかりませんが、トランプさんにしても安倍さんにしても、ここからがきっと“終わりの始まり”になってしまうのでしょうから、組織をまとめる求心力も果たしてこれまでのように維持できるものなのかどうか・・・。

トップを退く引き際の難しさというものを痛感させられた2018年の晩夏でございました。

 

 

クリニックでは一応「院長」ですが、家庭での私のポジションはどうも“犬”が一番わかっているようです・・・(泣)。

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