理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.327

真の労働とは?

DRkobayashi1
あっという間に2月も終わり、今年もまた私にとりましては例年のように点鼻薬と目薬が必携となる花粉の舞い散る3月となってしまいました・・・。ファ、ファ、ファ、グッシュン! あっ、失礼致しました。 

始まる前は一体どうなる事やらと心配しておりました平昌オリンピックも無事に閉会して、殆ど“空(カラ)”でやって来たと類推する万景峰号はフルの燃料を入れ込んで、目一杯のお土産を積み込んで北へと帰って行ったこととこれまた類推致します。そんな2017年度最後の月となりましたが、コラム読者の皆様方に於かれましてはその後もお変わりなく健やかにお過ごしの事と存じます。

先述の通りオリンピックは無事に終了しましたが、まだこれからパラリンピックが残っておりまして、これがちゃんと最後まで滞り無く無事に終了しない限りは、まだまだ本当に全ての大会が終了したとは言えません!オリンピックに引き続いての我が日本選手団の活躍を期待するところでございます。

前々回のコラムではその出場すら危ぶんで心配をしておりました羽生君は、奇跡の復活劇を遂げてものの見事にオリンピック2連覇を達成してくれました。また女子のスピードスケート陣は期待通りの成績でメダルを量産して、日本のスケート連盟は盆と正月が一気に来たような大盛り上がりだったことと思われます。

冬季オリンピックにおいては“過去最高のメダル数”とマスコミは騒ぎ立てましたが、競技種目がそれこそ日の丸飛行隊の札幌オリンピックの頃と比較すれば、それはもう圧倒的に増えていますから、それを単純に比較するのも如何なものかと思ってしまうのは私だけでしょうか?

それにしても今回のスケート競技では、ロシアはドーピング問題で出場出来ないとIOCはしておきながら、個人の名目で普通に出場してメダルを取ってしまうとか(だったら「私も出たい!」と言えばオリンピックなんてだれでも参加できるものなのか?)、フィギュアスケートの採点ではどう見ても自国選手贔屓のあり得ない加点をする中国の審判員とか、どう見ても自爆テロ的に他国を巻き込むような転倒をする北朝鮮のスケート選手とか、突っ込みどころはそれなりに満載ではありました。

今国会運営で逆風が吹きつつある安倍さんも、先日の囲碁、将棋に引き続いて今回の羽生(ハブではなくハニュウ)君には国民栄誉賞の『乱発』も十分予想しておりましたが、その予想通りこのタイミングで国民の目を少しでも国会からそらせたい的な、支持率低下を少しでも防ぐ気持ちがあるのかどうかは定かではありませんがやはり授与を決めたようです。

その国会での目玉になっております『働き方改革』でありますが、先日来大学病院や特定機能病院と言った規模の大きい病院での医師の勤務時間が様々なマスコミからやり玉に挙がっております。

確かに過労死をするまで勤務するようなことがあってはまずいとは思いますが、そのような現場で臨床を行ってきた私のような医者の端くれにも言わせて頂くと、そこはそんな簡単にシステムで勤務時間をコントロールできるような職場ではなく、むしろコントロール“してはいけない”場所なのではないかと思っているのであります。

その昔から『若いうちの苦労は買ってでもしろ!』と言われて我々は育ってきた記憶がありますが、今それを部下に口にするとパワハラで訴えられてしまう時代になっております。しかし本当にそれですべての職種をひっくるめてしまってもよいのでしょうか?

どんな仕事でもそうかとは思いますが、特に医療の臨床現場では予期せぬことが常に起こってしまう場所であり、その後の対応における見通しが全くつかなくなるケースも決して珍しくはありません。

ですから臨床における医療現場とはそんな職場であることを働く前からきちんと理解して、そしてその覚悟をもって勤務する必要があり、そこでは常に杓子定規では済まないことだらけなのですから労働時間をきちんと決めてその通りになんて事は不可能なのです。国は何にでも同じように首を突っ込むのではなく、それぞれケース・バイ・ケースとして細やかに対応してもらいたいものであります。

それこそこんな中途半端なルールを模索して、全ての現場に落とし込もうとするのなら『吉本の芸人』や『ジャニーズのアイドル達』はこれみんな絶対にアウトでしょうに!それは確かに理不尽で悪質な労働環境はなくす必要がありますけど、自分が好きで、自分の責任において、自分で納得してやっている仕事にまでお上が口出しするような国は、間違いなくこれからの発展は絶対に望めません。

つまりは“これ以上は働くのではない”ではなく、“可能な限りは働いてくれ”(但しその労働の実績に見合う報酬は確約するから)が一番大切な事なのではないでしょうか。決して不可能なほど働く義務は労働者にはなく、不可能なまでに働かせる権利も雇用者にはありません。

そしてこれは仕方がない事ですが個々の能力差は確実に存在し、個々における向き不向きも当然ございます。ですから厚労省様にはそのようなあたりまでの細やかな分析をして頂いた上でデータの提出をお願いしたいものでありますが、これこそ不可能な労働を強いる事になってしまうのでしょうか・・・。

 

 

果たして「そだね~~~」は2018年流行語大賞として生き残れるか?今年も残り10ヶ月ありますからチョッと微妙ですかね(笑)

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