理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.187

濃厚


日本中が激震に揺れてしまった歴史的震災から1年経ってしまいました。花粉は例年通りに猛威をふるい始め、桜の開花宣言は例年よりも遅くなりそうな2012年の春です。コラム読者の皆様方はその後もお変わりなくお元気にお過ごしでしょうか?

1年経ってあの地震直後からの首相官邸や東電の対応が開示(と言ってもほんの一部でしょうけど)されてきております。そしてこれが本当であるならば、ま~~~お粗末も甚だしいと言えるのではないでしょうかのオンパレードです。

だってその時の議事録も残っていないなんて、開いた口も塞がりません。我々のグループ内での医局会ですら議事録は残っていますよ。我が国におけるあの時の首相がいかにア“カン”かったかを、今になって洩れて来る情報から更に思い知らされている今日この頃といったところでしょうか。

「被災者ではなく復興者、被災地ではなく復興地に1日でも早くなって欲しい」とゴオクエンジャー(SMAPのメンバーで今のところ我々の仕事には関係がなく、昨年9月と今年の1月にスピード違反で捕まって免停になってた人ですね)が先日言っていました。台本があったのか、自分で考えての言葉だったのか判りませんが、この時ばかりは本当にその通りだとこの台詞にはえらく感心をしてしまいました。本当に1分1秒でも早い復興を願って止みません。

そんな復興途上の我が国において、先日とある報道番組で知ったのでありますが、今ヒットしている商品の1番大事なキーワードとは何か皆様御存知でしょうか?ナントそれは『濃』だそうです。濃い、濃厚、濃密、etc.この手のネーミングが大ヒット中との事。お気づきでした?

シチューに始まりカレー、プリン、ミルク、チーズケーキ、シュークリーム、ラーメン、コラーゲンに、おつまみスナック、入浴剤から化粧(笑)に至るまで、出るは出るはまさに何でもありの状況なのです。

その理由を経済評論家が分析をすると、昨今の経済状況(=不況)から同じ金額を払うなら『濃い』方が “お得感”や “高級感”があるようで、皆さんついついそちらの商品を選んでしまうのではないかと分析をしていました。

その一方で対人的なコミュニケーションや人間関係はと言えば、特に若い人を中心に最近では『希薄』を望む傾向があるように感じるのですが如何でしょう?何事にも『熱く』語る先輩や上司や松岡修造は、ウザかったり、キモい人として扱われているように見えます。職場の恒例行事や飲み会には参加したくなく、早く家に帰って1人の時間を過ごしたい人達が増えている現状ですが、果たして本当に人間関係に於いては『希薄』を望んでいるのでしょうか?

この状況に関して私が思うところと致しましては、実は本当に望んでいるのではなく、人と熱く関わる術を失くしてしまっていたり、関わり方のトレーニングが未熟なままで社会に出てしまっていたりするからではないかと推測しているのであります。本音のところでのガチな人と人とのコミュニケーションが上手くできるかどうか。これって実は今現在多くの企業が新入社員に最も求めている項目の1つになっているはずです。

今回の芸能マスコミを騒がせたタレントさんの件も、そんな得体のしれない自称占い師に身を全て委ねてしまうという状態は、結局はコンビの相方だったり、所属事務所だったり、周囲の友人だったり、親兄弟とちゃんとしたコミュニケーションがとれなかった事が招いた結果ではないかと思うのです。

そして驚くべき事には、この(様な)人に対して同じような状態に過去になっていたという人達が、あとからどんどんと現れて来ているという事実です。つまり多くの人が本当は自分のことを
“熱く”、“濃く”、わかって欲しいと思っているからこのような事件(?)が各地で相次いでいるのではないでしょうか。

歴史的にはどうしても他人(自分以外の人という意味)に委ねられない事は、多くの場合「宗教」といったものへの信仰として現れるのでしょうけど、オウム真理教の時のように教祖本人にどっぷりといってしまうと、単なる“洗脳”になってしまい、今回のケースと変わらなくなるわけです。

人と人の間で本当の信頼関係を構築するためには、時には熱く、濃く、接することが必要な場合だってあるはずです。いつも私は人間関係で大事な要素の1つに“距離感”という言葉を使います。でも必要とあれば思い切って相手の懐に飛び込む!思いのたけをぶちまける!そんな濃くて熱いコミュニケーションも時と場合と“相手次第”では有りだとここに断言致しましょう。

 

 

幻冬舎さん狙ってませんか?今回のタレントにおける一連の経過の告白本。
タイトルはもちろん『洗脳』!!

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