理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.383

Go To キャンペーン

DRkobayashi

この度の『令和2年7月豪雨』にて被災をされた全国各地の多くの皆様に於かれましては、心よりお見舞いを申し上げます。1日でも早い復興を願うばかりではありますが、何十年に1回あるかないかの大雨が、これだけ毎年のように降るのであれば、これはもう本当に運が悪かったという言葉では済まされない時代になっているという事であります。

梅雨明けよりもコロナ明けの方が本当に待ち遠しかった今年の夏ですが、こうなると梅雨明けもとにかく早く来て欲しいと願う今日この頃です。そんな天変地異真っただ中の我が国ではありますが、コラム読者の皆様は安全に健康にお過ごし頂けている事と存じます。

前回のコラムでの予想通り、史上最低の投票率にはなりませんでしたが、ものの見事に小池のオバチャマがめでたく東京都知事に再選をされました。選挙運動らしい運動は殆どしていませんでしたから、選挙にかかった費用はひょっとしたら史上最低額での最高獲得票になったのではないかと推測いたします。

そんな中で東京を中心とした首都圏では、またじわじわと感染者が増加傾向を示しております。「PCR検査の実施件数が春先よりは圧倒的に増えたからだ!」と小池のオバチャマは言いますが、せめてこの大雨が新型コロナごと洗い流してくれるのであれば、それはそれで怪我の功名と言えるのかもしれませんけれども、残念ながら決してそのようなことはございません。

再び緊急事態宣言を発令するべきだと言う人達も決して少なくない中で、お国は『Go Toトラベル キャンペーン』を今月の22日から開始させるようです。確かに地方の観光地(特にインバウンドによる収益で潤っていた所)は、今年になってからの収益は大変な事になっていることは想像するに難くないかと思われます。

経済活動を止めることなくこのコロナ禍を生き抜いていく術を世界中が問われている事も十分わかってはいます。極論としてコロナで病死する人よりも、このままでは経済破綻で自殺する人の方が多くなると訴える論客もいます。人の動きを封じ込めればウイルスの動きは止められますが、同時に経済もピタッと止まってしまいます。

この新型コロナと共存できる手立てを見つけない事には、我が国のみならず世界中の人や物の動きが停止したままという事です。その共存のための手段の一つである治療薬の開発ですが、先日藤田医科大学から『ファビピラビル(商品名:アビガン)の明らかな治療効果は認められなかった』との報告がありました。

私をはじめ多くの皆さんが期待を寄せていたことと思われますが、正直残念な結果という事になりました。しかしこの結果が全てかというと、私はまだこの薬は可能性を秘めているように思うのです。

まず今回の治験結果ですが、症例数が89例であったという事です。新型コロナに罹患した人の何割かは、ほぼ無症状で経過をして改善してしまうと言われています。つまり薬が効いたのか、自分で勝手に治ったのか、その比較を異なる個体ですることは困難であります。

癌のようにそのまま何もせずに放置していれば、ほぼ確実に悪化する疾患であれば薬剤の効果を比較することは楽なのですけど今回の疾患はそうではありません。そのような事がある中で89例という症例数は結果を確定するにはまだまだ少ない数で、実際のところで数百例以上の治験結果を私は待っても良いのではないかと思うのです。

更にこれはもっと解析が大変になるのですが、他の薬とのコンビネーションによる治療効果を調査することも大切だと思います。毛利家の“3本の矢”ではありませんが、単剤では対応が困難でも合剤で戦えば勝てる可能性もあるはずです。実際にこれも単剤での効果を期待されたナファモスタット(商品名:フサン)もファビピラビルと一緒に投与することで効果が期待できるような研究も現在行われています。

あとはワクチンですが、今回新型コロナに感染した人達の抗体産生の動きや、持続性とその再感染抑制効果の問題がまだしっかりと確定されておらず、これもまたワクチンの製造に難題を提示してしまうのかもしれません。以前から言われているように、そんなに簡単に一朝一夕でワクチンは完成しないような雰囲気です。

そこで大した武器を持てずに対処しなくてはならない現在の我が国の医療チームは、このコロナ禍の対応やそれ以外のシワ寄せから大幅に収益を減らしてしまう結果となりました。東京にある某世界で唯一の(はずの)女子医科大学の病院では看護師さんに夏のボーナスが全く支給されないことが先日判明し、数百名単位での退職希望者が出るような話になっております。対応ベッドも勿論ですがそこで働くスタッフがいなければ当然医療崩壊は自明でございます。

このコラムを執筆中の今この時は、やはり不要不急の外出は可能な限り行わず、とにかく出来る限り人が動かないことが感染患者を増やさない唯一の手段である事は間違いありません。地方経済を救う目的とやらでこれを実施して、そこで地方に多い高齢者の感染が増大して、対応能力に乏しい地方の医療が一気に崩壊してしまったら・・・(恐)。

最近かなり活舌に問題を呈し始めている自民党の幹事長さんが『全国旅行業協会』の会長さんだからかなのかどうかわかりませんが、この感染拡大下で強引に実施する『Go Toトラベル キャンペーン』は、恐らく歴史に悪しき汚名を残す『Go To “トラブル”キャンペーン』になってしまう事は間違いないと私はにらんでいる2020年梅雨明け前でございます。

 

 

いつ申請したかも忘れてしまった頃に振り込まれた、お上から頂戴致しました有難い私の10万円の給付金は、支給直後に突如発生した歯科の治療でその使い道を選択する余地も無く、アッという間に全てそちらに費やされてしまいましたぁぁぁ(泣)

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