理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.341

白髪染め

DRkobayashi1
日々の外来でもお父様方の運動会での席取りの話題や、幼稚園や小学校のお受験の苦労話などが出て来ると、徐々に秋の深まりを感じずにはいられなくなってしまう私は特異体質でしょうか(笑)。

さすがに台風も今年は打ち止めとなるのではないかと思いますが、直接の雨風だけでなくその後の“塩害”なるものがあちらこちらで話題にされる今日この頃です。そんな深まりゆく秋の中でコラム読者の皆様に於かれましては、お変わりなくお過ごしの事と存じます。

あれだけ大騒ぎをして何ら変わった感じも無く、だったらもっと前に引っ越していれば無駄な維持費を使わずに済んだのに!と思わせる築地市場の豊洲へのお引越しですが、『大山鳴動して鼠一匹』どころか何千匹も出るとか出ないとか・・・(恐)。

そりゃ~初めての所に初めての人達があれだけ一度に大挙すれば、渋滞も起きるし混乱だってするに決まっているのに、マスコミはいかにも「それ見た事か!」と言わんばかりにはやし立てておりました。今後は“小池にハマってさあ~大変”な事件がどれだけ勃発するものなのかをただ見守るしかございません。

閑話休題。さて今回は前回に引き続きまして髪に関するお話をさせて頂こうかと思います。内容的には『白髪』でございます。読者の皆様の中で白髪を気にされていらっしゃる方も沢山いらっしゃると思いますが、かく言う私もここ何年かは白髪染めを遂行している身であります。

外来をしておりましても、薄毛、抜け毛の次に白髪を気にされる方が多いように思いますが、今のところ直接白髪を改善する薬剤(治療法)は見つかっておりません。従ってどうしても気になる方々にはひたすらこまめに染めて頂くしか手はないという事になります。

髪は頭皮から出ている部分(つまり肉眼的に見えている部分)が成長することは一切ありません。染めておられる方々は身をもって感じていらっしゃると思いますが、髪は全て頭皮の中から成長していくので、根元の白髪が目立ってきたら「あ~~またそろそろ染めないといけないのね」と皆さん思うわけであります。

髪の根元を構成する毛包というところでは、髪を作る工場(毛母細胞)と髪を染める工場(メラノサイト)が別々に独立して営業を行っております。髪の事は全てが解明されたわけではなく、まだまだ謎に包まれている部分が沢山あります。人種によって髪の性状や色が異なるのは遺伝による影響がかなりあるのですが、それもどうしてそのようになるのかは不明です。

加齢に伴って髪が細くなり、コシ・ハリがなくなってくるように感じるのは毛母細胞の機能低下によるものです。一方髪はメラノサイトからメラニン顆粒が放出されることで、髪に色を付けていたわけですが、放出する働きがなくなってしまうと黒髪ではなく白髪になってしまうのです。

つまり髪を作る工場の実績が低下すると薄毛になり、髪を染める工場の機能が低下すると白髪になるわけです。当院で行っている発毛治療とは、髪を作る工場の再建を行うのですが、髪を染める工場の再建は今の医療では不可能なのです。

このメラノサイトの働きを活性化する薬剤が発見されれば、白髪も医療で改善することが出来るわけで、そうなりますと髪染めの製品を取り扱う会社は軒並み経営不振に陥ってしまうでしょう。ただここ数年以内にそのような薬剤が上市される可能性はかなり低いと思われますので、やはり気になる人は自宅や美容院などで染めて頂くしかありません。

昔からテレビなどで白髪染めの宣伝を見る事はちょくちょくありますが、皆さんケープのようなものをクビには巻いていても、必ずと言っていいほど自宅の“リビング”や“ダイニング”と思われるような部屋で服を着たまま頭に染料を塗りだしたり、泡をもみ込んだりしていますよね。ではその後に一体どこでどのようにしてそれらを洗い流すのかが以前から本当に不思議で仕方がなかったのであります。そう思いませんか皆さん!

学会などで地方のビジネスホテルに宿泊することがありますと、ユニットバスの壁なんかに『髪染め禁止!!』と書いてあることがよくあります。なぜでしょうか?私が推測するに、自宅で髪染めをして洗い流すときに必ずと言っていいほどお風呂の壁にすすいだ液体が飛び散ってしまい、それらを手早く確実に洗い流していないとこれが100%落ちないシミとして残ってしまうのであります。

これを家人から強~~~く叱責されてしまった、染める場所を失ったオヤジ難民が出張先のホテルで夜な夜な白髪染めをしてホテルのお風呂の壁に落ちないシミを何の気兼ねも無く残していく事例が頻出しているからに他ならないのです。

そんな人生の喜怒哀楽が入り混じった白髪染めですが、唯一気を付けて頂きたいのが『アレルギー反応』の出現でございます。特に“ジアミン”によるアレルギーの出現では、顔全体が腫れ上がる程の状態になる場合もありますので要注意です。

と言っても、やってみて初めて認めるものですから未然に防ぐのは困難を極めます。取り敢えず髪染めの含有成分表に「●△◇・・・ジアミン」と表記のあるものはお気を付けください。

そして自宅で施行される場合は髪染めを行う48時間前に、毎回(前回までは大丈夫でも今回発症することも十分にありますから!)パッチテストを行っておけば大事には至らずに済むものと思われます。

また染めている間に発赤・掻痒・疼痛・腫脹といった異変を感じたら、早急にしっかりと洗い流すといった処置を施すようにしましょう。出張先のホテルで突然にお岩さんのような顔貌になってしまうのは、あまりにも痛々しいので全国の染め場を無くしたお父様方は十二分にお気を付けください。

 

 

ホテルのお風呂の話をこれだけ力強く断言できるという事は、まあまあこの件における『経験者』でないとここまでは言い切れないでしょう(笑)。
本当に落ちません、あれ・・・(泣)。

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