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院長の部屋

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.293 情報操作

小林一広
今でも私は電車通勤をしておりますので、自宅から最寄りの駅に毎朝歩いていくのですが、途中に金木犀を植えておられるお宅が続いている通りがありまして、この季節になるとその香りに包まれながら秋の訪れを感じている今日この頃であります。

本当に今年の9月は雨が多くて、スッキリとした秋晴れにお目にかかることが出来ておりません。またやっと涼しくなってきたのかと思いきや、変な蒸し暑さがぶり返して来るといった天候不順続きでしたが、コラム読者の皆様方に於かれましては昨今のお野菜高騰事情にもかかわりませずご清祥の事と存じます。

先月末から毎年の事ではありますが、「秋の交通安全運動」なるものが実施されておりました。近年交通事故による死亡者数は減少傾向にあり、昨年は4117人だったそうです。確か最も多かった年では16,765人(昭和45年)だったそうですから1/4まで減少したことになります。

ただ事故の発生件数はと言いますとそんなに激減しておらず、平成15年前後がピークでその後徐々には減少しているような流れで推移しております。そうなるとこの死亡者数の減少とは、まずは大きな事故が減ったのかもしれませんが、おそらく事故後の救急対応や搬送後の医療の対応の向上が死亡者数を減らしているといってもよいのでしょう。

事故の発生件数も最近の車には、衝突を事前に察知して自動でブレーキが作動するものや、車庫入れなども車体に取り付けられたカメラやセンサーが勝手に車を動かして見事に一発で決めてくれる装置など、大きなものから小さなものまで事故を未然に防いでくれるシステムが沢山装着されてきております。つまりこれからもどんどん交通事故は減っていく事になるものと思います。

そこでこの交通事故死の発生の件で、最近私がふと気になった報告がありますので一言意見をさせて頂きます。先日警視庁からの調査結果としてマスコミにも取り上げられておりました、夜間の走行中のハイビームの使用についての提言でした。

車の運転をされる方なら常識的なことですが、車のヘッドライトにはハイビーム(遠くまで照らすことが可能)とロービーム(比較的近くを照らすためのもの)がございます。それは暗い夜道であれば、当然遠くまで明るく照らす方が運転する側も道路にいる側も双方が安全であることは間違いありません。

ただハイビームというのは今までの物ですと、確かに遠くを照らす分対向車や近くにいる人や車が眩しく感じてしまい、逆に視界を遮ることにもなりかねないもので、全く街灯もない暗い夜道で、よほど人も車もいないような場所でなければ使用しませんし、通常の市街地をハイビームで走行する車なんて殆ど無いといってもよいでしょう。

そこで今回の報道なのですが、「歩行者が夜間に道路を横断中、車にはねられた昨年1年間の全国の死亡事故625件のうち、96%の車のライトがロービームだったことが警視庁の調査で分かった」とあったのでございます。

つまり夜間の死亡事故の殆どがロービームによって引き起こされたかのような話のもって行き方にチョイと私は異論を呈したいのであります。先ほどから言いますように夜間の殆どの車はロービームで走行をしているわけで、それこそハイビームで走行中の車なんて統計的にも数%(市街地では殆ど皆無)もいないはずです。ですから事故を起こす車の殆どがロービームなのは当たり前で、ハイビームの車の事故が少ないのはハイビームの恩恵で少ないというよりも、そもそもハイビームで走っている車が少ないから単に少なく算定されていることをきちんと言わないとお話になりません。

本当にハイビームの死亡事故発生に対しての優位性を立証するのであれば、同じ条件の道路をハイビームとロービームを同じスピードで同じ台数走らせた上での有意差を示さなければ統計的には全く意味のないものであることを警察庁もこれを報じるマスコミも気が付かないのでしょうか?

このコラムでも何度もコメントさせていただいております小池劇場の豊洲の地下水でも、共産党都議団の発表では“環境基準値の4割のヒ素を検出!”といかにも鬼の首を取ったかのような表現をしておりましたが、言い換えれば“基準値の40%しか検出はされなかった・・・”と言い換えることは可能なわけですよ。

まあそもそも検出されて喜ぶべきものではない物質ですからありがたいお話ではありませんし、交通事故で死亡者が出ることも決して喜ばしいお話ではないのですが、報道というものはやはり可能な限り中立な対場で正確な情報を提供するべきだと思います。

しかしそれぞれ発信する側の皆様方の思想信条も入り込む余地は十分ございますので、情報を受ける側がいかにそれらを冷静沈着に受け取って自身で正しく分析をするかがやはり大切であろうと思う今日この頃でございました。
 

 

そのような情報を冷静に受け取ってもきちんと『記銘』しておかないと、あとあと“家庭内”では紛糾をきたすことも忘れてはいけないのであります・・・。

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