理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.285

7万分の1

小林一広
渦中の都知事は全く辞職する気など微塵も見せないまま6月に突入してしまいました。彼が連呼し続けた『第三者』という名の、依頼者を弁護することが商売である『弁護士』が、彼の一連の行動はどうも厳密に言うと法律的には違法ではないと『依頼者からの職務』を遂行してくれれば、ご自身としてはこの件での幕引きは十分可能と思っているかのような会見での立ち振る舞いであります。

ニュース番組や情報番組などでそんなあの悪代官顔を毎日のように目にするたびに“イラッ”としてしまう今日この頃です。コラム読者の皆様方に於かれましても“イラッと”されていらっしゃるかもしれませんが、それはそれでお変わりなくお元気にお過ごしの事と存じます。

さて今回のコラムでございますが、先日に発生致しました大韓航空機の炎上事件で終始させて頂きます。と申しますのが、今回のタイトルにあるこの事件の影響を受けた7万人の当事者のうちの1人が私自身であったからでございます。

その日は午前中の診療を無事に終え、翌日からの博多での週末診療に向かうべく、いつものように搭乗予定の航空会社や空港までのリムジンバスのHPでそれぞれが通常運行中であることを確認した上で、4月よりクリニックから遠くなってしまったバスの発着場所にいそいそと向かったのであります。

乗車したリムジンバスも予定時刻通りに空港へ到着し、さて空港ロビー内に入ろうとしたところ、そこには私の人生における空港使用経験上で遭遇したことの無い数の利用客でごった返していたのです。もう受付カウンター周辺では見るからに殺気立った人達で立錐の余地も無く、まさにイモ洗い状態となっておりました。

実はクリニックを出る前に大韓航空機が何かをしでかした事はチラッと情報として入手をしておりましたが、その時には私の利用予定機には影響がないようなHPの記載でしたから、まさか空港がこんなことになっているとは夢にも思っていませんでした。

しかしその人だかりを見た瞬間に「こりゃ~あの大韓航空機が原因になっているんだろうな」とピンとは来ましたが、いつ空港が再開され飛行機が通常運行になるのかなんて予測もつかないような利用客も空港職員もパニック状態です。

スマホでその日の予約状況を検索しても私の後の便は勿論全て満席ですし、翌朝の始発の便からも席を確保することは不可能な状況でした。これでは翌日の博多での診療が出来なくなってしまいますから、もう反射的にモノレールに乗って浜松町⇒品川へと向かったのであります。その日は空港には数分しかいませんでした。大韓航空と言えば『ナッツリターン』で有名になりましたが、今回は『俺がリターン』となったのでございます。勿論新幹線で博多に向かうために・・・。

このようになったところで多くの人が考えることはやはり同じはずですからある程度の覚悟はしていたのですが、品川駅の新幹線切符売り場は既に数寄屋橋のチャンスセンターに於ける年末ジャンボの宝くじ売り場状態と化していたのでした。そのような中でJR品川駅職員がボソボソっと「北口改札の切符売り場はまだ10名位が並ばれているだけですぅぅぅ」と言っているのを聞きつけ、脱兎のごとく再びホームへと駆け降りてそのホームの端にある階段を駆け上がり切符売り場へと向かいました。

しかしそこには10名どころか既に40名以上が列をなしており、窓口で職員を介して切符を買う窓口が3ヵ所、自動販売機での購入場所が3ヵ所の計6ヵ所で一応購入可能とはなっておりました。東京から遠路はるばる博多まで辿り着くためには、一刻でも早く確実に座れる切符を購入しなければなりません。そこで私は「機械相手」か、「職員相手」か、どちらの列に並ぶべきかの決断を強いられてしまったのであります。

普通に事が進めば当然機械相手の方が絶対に早いはずですが、その機械操作に不慣れなおばちゃんに順番が巡ってきたりしますと、間違いなくそこで切符の販売が完全にフリーズしてしまうのです。そこで私はこれだけの人が並んでいれば必ずやそのような場面に遭遇する確率が高いと思いJR職員さんに直接頑張ってもらうことにしました。

しかしそれでも列は一向に前には進みません。そこで小林取り敢えず新幹線ホームに入り込んで、その場に来たのぞみに飛び乗って、切符は乗ってから買う作戦に打って出ることにしたのでございます。そこで並んでいた列を飛び出して自動改札にPASMOをかざしホームへ向かおうとしたところ、ナ、ナ、ナント自動改札の扉は開いてくれません!つまりPASMOでは新幹線のホームには入場出来ない現実を直視させられた瞬間のお話です(泣)。

そこで現実に立ち返り先程まで並んでいた列を振り返ると、ものの見事にさっきよりも列が“長く”なっているではありませんかぁぁぁ(号泣)。「大韓航空機俺がリターン新幹線座席争奪戦」の賭けに打って出て見事に敗れ去った小林は暫し呆然と立ちすくんでしまったのでした。そう言えばその日の朝の情報番組で「今日のしし座は12位です」と言われていたような気も・・・。そこで仕方なく自動販売機の列に再び並びました。

そんなドタバタを繰り広げ品川駅に着いてから既に40分以上経過したところで、切符を購入出来るその瞬間がやっとの事で訪れました。行先は博多で、とにかく一番早く着く列車で、確実に座れて、なんてそんな条件で機械に必死で入力をしていても一向に博多に辿り着ける指定席を購入することが出来ません。オイオイ、これでは周囲の小林を見る目は、先程自分が最も嫌っていた“機械の使い方がわからないムカつくオッサン”にしか見えないではありませんか(爆)。

そこで私は取り敢えず新大阪までの切符を購入し、新大阪からはJR西日本さんが新大阪発の列車を出しているであろうと、そこに一縷の望みをかけて品川をあとにしたのは既に17:00を過ぎたところでした(汗)。結局新大阪では殆ど待ち時間なく博多行きののぞみに乗り換えができました。そして約5時間強で博多へ到着し、ホテルにチェックイン出来たのは22:30を過ぎていたわけでございます。

28日の朝から無事に博多での外来診療を開始することもでき、何とか事なきを得た小林でありました。そしてお昼休みに既にカードで決済している運賃の払い戻しをしてもらうため航空会社に電話をしたところ、引き落とされた口座に後日払い戻しをしてくれるとの事でした。

これにて一件落着と思っているところに、何を思ったのか電話の向こうのお姉さんは診療を終えて29日の夜に帰京するために購入済みのチケットまでもキャンセルしようとするではありませんか(大汗)。そこで思わず私は「あの~~~、帰りくらいはいくら何でも新幹線ではなくて飛行機で帰らせてもらえませんかぁぁぁ!」と叫んでしまったというオチで今回はご勘弁ください(苦笑)。

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