理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.230

過剰反応

kobayashiDR


はい今年も1ヶ月終了!!残すところあと11ヶ月でございます(笑)。この時季ある程度は織り込み済みとはいえ、インフルエンザと共に予想以上にノロウイルスが全国的に猛威を振るっておりますけれども、コラム読者の皆様方はお元気にお過ごしでしょうか?

それにしてもあまりにも流行りすぎている感は否めないノロウイルスではあります。その昔「これはお腹(の症状)に来る風邪ですね。お大事に。」という内科医はかなりいたような気がしますが、あれはきっとノロウイルスが原因のケースもあったはずだと思います。

検査の精度が上がりウイルスをきちんと同定できるようになり昨今の診断に至っているのでしょうが、つまるところ昔から普通にいたはずのものです。今回新たに出現したり全くの新型として出てきたりしたわけではないのだとすれば、これは明らかに我々(特に子供達)の免疫力が低下しているのも原因のような気がしてなりません。

ノロウイルスはインフルエンザと違って飛沫感染はまずしませんので、手に触れて口に入るまたはウイルスの混入したものを食べることで感染しています。正直我々が子供の頃は外で泥だらけになって、少々不衛生なものも口にして育ってきております。つまりその積み重ねが免疫力を自然に強化する部分でもあったわけです。

ところが最近の子供たちの生活環境と言えば、TVのCMを観てもお分かりの通り、抗菌だの除菌だのを売り物にする商品のCMがこれでもかと出て来ますよね。こんなものを使いすぎることで、自然の生活の中で普通に強化される免疫システムが脆弱化しているのではないかと危惧するのであります。

その昔は兄弟姉妹も5人とか6人とかは当たり前で、その中で1人くらいは不幸にも免疫力が弱いことから大病で亡くなってしまうケースも決して珍しくはありませんでした。厳しい言葉でいえば、“自然界における自然淘汰”というものは人間とは言え全ての生物にとって存在しているはずです。

それが少子化に伴って1人しか子供がいなければ、そりゃ~自分の遺伝子を残すためには親だって(斯く言う我が家だって)必死になろうってものです。8人いて1人が残念なことでは最終的に多少の諦めもつくかもしれませんけど、1人だけですとそんなわけにもいかず今の世の中は抗菌、除菌、滅菌に血眼になる図式ですな。

また大した症状でもないのに過剰反応する親も増えている事から、今までは表に出てこなかった症例まできっちりとカウントされれば流行がアッという間に“大”流行へと変遷してしまいます。そうなると以前よりも発症件数が単純に増えたともいえないのかも・・・(悩)
 
話は変わって、50億円もかける割にはあまりパッとしない都知事選ですけど、オリンピック(冬季ですが)の真っただ中で投票日を迎えるなんてなんと皮肉なことでしょう。原発に関わる(開発、建設、運用、etc.)多くの企業はマスコミの大スポンサー様ですから、そちらの機嫌を損ねるような報道はおおっぴらにはできませんので脱原発的立候補な人達はやはり大変でしょう。

そのマスコミと言えば新春からのドラマがやけに物議を醸しだしております。「明日ママ」と呼ばれているようですが、私は全くそのドラマを観ておりませんし、観る気もありません。ただどうなのでしょうか「放送中止にしろ!」とか「スポンサーがCMを降りた!」とかグダグダ巷では言っております。

この手のドラマの最後に必ず出ますよね「この番組はフィクションであり、登場する人物、団体名は実在のものとは関係ありません・・・」というお決まりのフレーズ。ですから多少モチーフになったモノはあるでしょうが、何がどう描かれようとそれはあくまでも作り話であり、そんなに嫌なら観なきゃそれでいいわけですよ。

実際この前のクールでは、とある新人女優さんの番組があまりの低視聴率のため無残にも途中で打ち切られました。この今回のドラマだって観た人の殆どが“こんなの二度と観たくもない”と思って皆が観るのをやめれば番組だって自然に打ち切られますから。

マスコミが騒げば騒ぐほど好奇心をあおって、それを逆手にとって視聴率を上げようとする確信犯的な行動かもしれませんが、どっちしてもこれもちょっと過剰反応なのではないかと・・・。スポンサーだって自分の会社の商品を宣伝するのにどんな番組なのか全く吟味することなくスポンサーになってはいないはずです。

番組が始まって世間がワーワー騒ぐから番組を降りるのではこれもちょっと無責任かと。ノンフィクションの番組や報道番組で事実無根の内容で放送をしたのであればテレビ局側に100%問題もあろうかと思いますが、ドラマのスポンサーですからその辺はある程度番組内容は認識し了解した上でのはずですから、企業としての矜持をこの会社は全く持ち合わせていないのだと判断されても仕方がないでしょう。

ついでに新しいNHK会長の先日の発言も「ここからは個人的な見解として・・・」と言っている部分(まああの場で個人的見解を述べる側にも大きな問題はあろうかと思いますけど)は、オフレコなのだからマスコミは公の場に出さないことが一応のルールだと思うのです。

ところが今の世の中ちょっと何かあればすぐに揚げ足を取って、まるで鬼の首でも取ったかのような過剰反応で、標的を問答無用に奈落の底へと突き落とそうとするような対応はそろそろどうにかしませんか。でなければ彼は会長職にいる限り信仰が何で、支持政党はどこで、といったことを個人的に主張できない事になってしまいます。

過日のフランス大統領の恋愛問題では「政治の仕事とは無関係」として、公と私の区別をきちんとつけることのできるフランスの方々はそういった意味では我が国よりも大人だと思います。まあ何にせよサワギ過ぎ!イジリ過ぎ!のこの風潮を我が国はそろそろ何とかするべきではないでしょうかね。2014年もう少しおおらかに行こうじゃありませんか!

 
 

上記はマクロ的見解でしてミクロ的には騒ぎ立てて、いじり倒すはわが家の専売特許ですけど、はい。

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