理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.226

人の噂も…

kobayashiDR


はい!泣いても笑ってもいよいよ今年も残すところ1ヶ月でございます。何でも明日が2013年流行語大賞の発表のようです。このコラム執筆中に於いては個人的に本命「倍返し」、対抗「じぇじぇじぇ」、大穴「今でしょ!」といったところと予想しておりますが・・・。

まああとのトップテンには上記以外で、無理やりにでも当日本人にやらせるために「お・も・て・な・し」、多少は政界に媚を売るための「アベノミクス」、ただその場を盛り上げるための「ふなっしー」あたりが入って来そうな感じなっし~~。

もし「ブラック企業」の受賞で“ワタミ”や“ユニクロ”の社長さんが登場してくれたら、絶対それが一番の盛り上がりになることは必至でしょうが、まあそんなことは100%ありえないよな~~~。そんな何の役にも立たない予想を冒頭から繰り広げられて、やや引き気味かと存じますコラム読者の皆様方はどのような予想・・・ではなくて、お元気にお過ごしでしょうか?

そういう意味で今年も確かに色々な事が公私共々ございました。嬉しいことも、楽しいことも、悲しいことも、辛いことも・・・であります。しかし年内の事であっても既に記憶の片隅どころか忘却の彼方へ行ってしまっていることも沢山あるはずです。

つまり人の記憶なんてものは、残しておくには(もちろん個人差はありますが)絶対量そのものに限界があるという事は日々実感されていらっしゃるはずです。そこで果たしてこれを良い事とするかしないか、さて皆さんはどちらでしょうか?

現在試験勉強(受験勉強)真っ只中の人には、“忘却”なんて言葉は只今のところ最も忌み嫌う言葉になっているでしょう。一方で親しい人を亡くしてしまったり、恋人と辛い別れをしてしまったりした人には、少しでもこの悲しみから解き放たれたい気持ちで一杯なのではないかと思います。

ここで私の勝手な持論なのですが、人間は生きている以上全てが良い事ばかりではありませんから、多少の記憶は薄れるか忘れるようにわざと脳の機能としてそうなっているのではないかという事です。だって昔から「人の噂も75日」というではありませんか!他人様の大まかな記憶なんてそんなものでしょう。

昔から「記憶に残る選手が長嶋さんで、記録に残る選手が王さんだ!」と言われていたような(この記銘力の方が怪しかったりして・・・(笑))気がしますが、これはこれで何となく言い得て妙な感じがしておりました。まあ人の記憶が曖昧だからこそきちんと記録に残すわけですけど・・・。

少し話が変わりますが、私は先日約40年ぶりに小学校の同級生2名と再開することが出来ました。今年の夏に小学校の同窓会があり、その場で私の名前が出たことからその友人がPCでちょいちょいっと検索をしたところ、あっという間に私の現況に辿り着いて連絡が取れたというわけです。

いや~~~~本当に便利な世の中になったモノです。そこで久しぶりに会って40年前の昔話になるわけですが、やはり名前の出てくる人もいれば写真を見せられても顔と名前が全く一致しない(まあ40年も経ってすっかりオッサン、オバハンに成り果てて変わっているからとも言えますが)人もいるのですよ。

そうかと言えば、この40年近く思い出しもしなかったようなどうでもいいようなことが、ほんのチョットした何かのキーワードでパンドラの箱が開けられたかのように、一気にウワ~~~っと溢れ出てきてしまうようなことも起こり、記銘力の不思議さを痛感させられた一夜でありました。

ですがその忘れてもいい事、逆に忘れたい事までもが、今の時代は先述のようにPCで検索をかけてしまうと、ある事ない事まあありとあらゆる情報が次々に出てきてしまう現況であります。先程私は“便利な事”と申しましたが、ある意味これは本当に“怖い事”でもあるわけです。

記憶の片隅にそっと置いていたものが、ツイッター、フェイスブック、ラインなどの発信ツールを使われて、アッという間に世界中にブチ撒かれてしまうのです。過日の女子高校生の殺人事件でも“かなり”個人的な情報がこれらを使って加害者によって一方的に拡散され様々な物議を醸してしまいました。

因みに我々医師には診療上に於いて知り得た患者さんの秘密を正当な理由なく漏らした場合には、「6月以下の懲役または10万円以下の罰金に処する」と“刑法” 134条に規定されております。これが“民法”ではなく“刑法”なのが確か国家試験のポイントだったように記憶しておりますが・・・(この記憶も怪しいものです)。

話が飛躍しすぎてしまうかもしれませんが、今回の特定秘密保護法案を私自身としてはあのままで100%肯定し支持するわけではありません。しかし簡単に漏れ出しては国家の尊厳にかかわるような情報などは、やはり何らかの制限はかけないと危険な時代になっていると言わざるを得ないことも事実でしょう。

来年は少なくとも今年よりは明るく、楽しく、希望にあふれた記憶がいつまでも沢山残るような年になってほしいと願ってやみません。

 
 

恋愛時代のときめくような思いが薄れていけばいくほど家庭の中は・・・、
「それはこの前言いました!!」
「えっ、そうだっけ」
もうこうなると記憶というよりも記銘力の問題です・・・合掌。

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