理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.221

7年後

kobayashiDR


9月中旬というのにまだまだ日中は暑い日が残存しております。とは言え朝晩の気温差や夏の疲れなどで体調を崩しやすくなっておりますが、コラム読者の皆様は健やかにお過ごしでしょうか?

ついにと申しますか、やっとと申しますか、決まってしまいました。2020年東京オリンピックでございます。下馬評ではマドリードの方が優勢とも言われておりましたが、ふたを開けてみれば7年後東京での開催であります。

東京決定に関しては、次の2024年にはフランスが100年ぶりにあたるパリでやりたいから、2大会続けてのヨーロッパでの開催は不可能なのでそのあたりの関係は東京にテコ入れしたとかしないとか。

それであれば少し前(1992年)にバルセロナでやっているのですから、ちょっとスペインもこれだけ間をおかずに開催しようなんて少し欲張りと言えば欲張りとも言えそうな気が・・・。まあ終わってしまえば「夏草や兵どもが夢の跡」といった、まさに悲喜交々であります。

ところで今年の流行語大賞に「今でしょ!」「じぇじぇじぇ」「倍返しだ」に続いて「お・も・て・な・し」がノミネートされることは間違いないものと思われますがどんなもんでしょうか?

東京は前回が1964年ですから既に今現時点で49年経過しております。当時は現在の中国とまでは言わないまでも、何もかもがイケイケどんどんの時代であったと思います。今回の実質開催は2020年ですから、あと7年で東京(日本)はどのように変わ(れ)るのでしょうか?

ここぞとばかりに築地も勢いで移転させ、晴海の埋め立て(空き)地にはゴチャゴチャと建物を作り、首都高の補修や延長など、オリンピックを錦の御旗にして“族”議員と称する輩と大手ゼネコンが税金を湯水のように投入する事だけは自明です。

都市や国が豊かになろうとする手段として、とにかく物を建てられるだけ建ててしまった挙句、その後に破綻をしたケースは夕張市の例や第3セクターに任せた保養娯楽施設など、我々は過去に沢山経験してきたはずなのですが如何でしょう。おそらく自分の(原発処理の件ではそんなこと言いきっちゃって大丈夫なんですか的な)スピーチに酔いしれて、あの首相は消費税の増税に突き進んでいくのだと思います。

そもそも消費税とは今後の我が国に於ける高齢化社会に向けて、年金や福祉などの充実を第一の目的に設定されたはずです。今回の増税が果たしてそちらにきちんと回っていけるものなのか、これまでの莫大な国の借金を若い人たちへの負債とならないように減らしていけるものなのか、前回のオリンピック後の経過を繰り返しやしないのかと嫌な予感さえします。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、前回のオリンピック後に我が国では“証券不況”なるものが発生して、1965年5月には山一證券(まあ結局は潰れて消えてしまう運命にはあったようですが・・・)の再建に対して日銀特融を行い、その2ヵ月後には戦後初の赤字国債を発行したのであります。それが今では積もりに積もってご覧のとおりですよ。

別に私はオリンピックに対しまして恨みも辛みもございません。世界中のトップアスリート達が熱戦を繰り広げ、人類の限界に挑む姿は純粋に心を打たれるものであります。ただ現代のオリンピックはその“純粋”だけではどうにもこうにもならない規模のイベントになっているわけですから、“祭りの後”の事もちゃんと見据えたうえで盛り上げていかなければダメでしょ!!って言いたいわけです。

今現在我が国に於ける建設関係の職人さんは明らかに不足しているそうです。これからオリンピック、オリンピックと浮かれ気分で東京に何もかもを集中させてしまうと、結局東北の復興はまたもや後手に回りはしないのか?と危惧してしまうのは私だけではないと思います。

おまけに招致活動のスピーチでJOCのお偉いさんは「東京は福島から250㎞“も”離れているから安全なのです」とのたまわっておりました。これは逆にオリンピックという世界規模の観点からいえば「東京から250㎞ “しか”離れていない福島はとても危険な場所なのです」と世界中に吹聴したことと同じであります。

汚染水問題だってあれだけ堂々と「コントロール出来てます!」と言い切ってしまいましたが、だったら国会の食堂では福島の海産物だけを扱ってみせてほしいものです。0.3㎢の港湾内に完全にブロックしているのなら、東電の役員御一同様と国会議員の皆様方でその港湾の「外」で構いませんから季節外れの海水浴をしてみていただきたいものです。

目標や夢や希望に向かって頑張ることは大切ですし、いつまでの震災の影を引きずってnegativeな事ばかり言っていてもどうかとも思います。7年後のオリンピックがゴールなのではなくて、それから先に繋がる通過点としてみんなで頑張っていきたいものであります。

そうは言っても夏休みの宿題を全然片づけてもいないうちから、ディズニーランドに行ってスペースマウンテンに乗る事だけを熱く語られても、誰がそんな子供をミッキーの所へ連れて行きますかって!!
 
 
 
私にとっては7年後の東京よりも本日の家庭の方が切実ですから・・・(笑)
 

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