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院長の部屋

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.212 自殺企図

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淡路島ではまた大きな地震を認めたとのことですが、今のところは1995年の時のような大惨事には至っていない様で何よりでございます。4月も半ばとなり学校や会社の新人達も新しい環境にそろそろ慣れてきていらっしゃるかと思います。コラム読者の皆様方はお元気にお過ごしでしょうか?

さて最近気になったニュースに、『某大学病院の精神科医が外来患者さんをきちんと診察することなく帰宅させてしまいその後に亡くなってしまった。この件に関して警察が業務上過失致死容疑でこの医師を書類送検する方針を固めた』という報道がございました。

あくまでも一部の報道のみの情報であり、詳細は当然色々とあるものと思われますが、同じ仕事を生業とする身としましてちょっとこれは・・・?と思われる点がいくつかありましたので私見を加えて検証させていただきます。

まずこの件は2009年4月のお話のようです。つまり4年もたって今さらのこの報道ですから、恐らくはこれまでの間には何か色々の紆余曲折(魑魅魍魎が跋扈するようなこと)があっての事かと考えます。

もう少し詳細な内容としては、当時うつ病と診断されていた高校2年生の女子生徒(18歳)が患者さんで、彼女に処方された向精神薬を大量服薬してしまい、両親が通院している大学病院へ車で連れて行ったそうです。

ところが当直勤務中の医師は、病院の駐車場で車の外から窓越しに車中で眠っている患者さんを見て「そのまま連れて帰っても大丈夫」と告げ、両親は治療を求めたにもかかわらずそれ以上の診察を行わなかったという事であります。そしてこの患者さんは2003年頃から加療中で、しかもその医師は彼女の外来主治医であったというお話なのですよ。

そこでまず私が驚いたのは2009年に18歳なら2003年は“12歳”ですよ!果たして12歳をうつ病と診断しますかね?これはおそらく別の病名が裏にあるような気がすることと、18歳の女子高校生に一体どの程度の向精神薬が処方されており、またその管理をこのご両親は全て本人に任せていらしたのか?この辺りは関係者でないと事実関係は不明かと思いますが微妙なところです。

精神科に限らず医師にとって自分の担当する患者さんが亡くなってしまう事は一番辛くて最も残念な事であります。ただ我々の科では患者さん自らがその大切な尊い命を絶ってしまう事があることは、他科よりも頻度は多いと言わざるを得ません。

以前私が大学の救命救急センターに勤務していたころ、当然自らが死を選んで自殺企図を起こされた患者さんが搬送されるケースも沢山遭遇致しました。当時そのようなケースが搬送されて、全スタッフによる必死の救命措置を行っているときに外科系の先生がボソッと「こうやって一生懸命頑張って助けても、どうせいつかはまた同じことされちゃうんだよな・・・」と呟いていたのを耳にしたことがあります。

精神疾患による自殺企図が未遂に終わってしまったケースは、そこで「あ~助かってよかった。もう二度とこんなことはしないぞ!」となるものばかりではなく、残念なことに結局完遂まで繰り返してしまうケースも決して少なくないのです。ですから救命救急センターに長く勤務していると、必死の救命の『苦労』がいつの日か結局は『徒労』に終わってしまう場面に多々遭遇してしまう事による虚無感のような気持ちが、思わずそのような言葉となって吐露されたのだと私は思っています。(その先生の名誉のために申し上げますが、そんなことを言いながら蘇生や処置で手を抜いたり、いい加減な対応されていたりしてはいなかったことは私が確認しておりますのでご安心を)

そこでこの主治医が安易に患者さんを帰してしまった背景には、ひょっとしたら何度も同じような事をこのケースは繰り返していたのかもしれないと思ったのであります。事実我々が処方する睡眠導入剤は、沢山飲めば飲むほど効く類のものではありません。

一昔前のドラマや小説で自殺に使われていたものは、服薬した用量に比例して効果も増大する為に直接の死因にはなりますが、近年のベンゾジアゼピン系と呼ばれている睡眠導入剤は2次的な要因(寝ている間に嘔吐などをしてその吐物で呼吸困難を呈するなど)を注意および管理していれば、その薬が直接の要因となって死んでしまう確率はかなり低いはずなのです。

ひょっとしてそのような大量服薬をこのケースは何度も経験していて、今回も帰宅させても大丈夫であろうというミスジャッジをしてしまったのではないか、まさにイソップ童話の“オオカミ少年”のようなお話がこのような最悪な事態を生んでしまったのではないかと推測するのです。

リストカットや大量服薬を何度も繰り返してしまう事で、医師と患者さんの一番大切な治療契約における“信頼関係”が損なわれてしまい、治療をする側もされる側も疲弊してしまった結果、転々とドクターショッピングを続けてしまう症例は実は少なくはありません。その最悪の結果が今回のような患者さんの『死』という形で終わってしまう事は何としても避けなければならない事だと思います。

以上の事から今回のケースに於いて、同業者である精神科医を100%庇護するつもりは全くありませんが、医師、患者、家族、その他の人々(教師、恋人、友人、同僚、etc.)の連携がもっとうまくいっていれば、このような事例は起こさずに済むはずだと思っておりますが、必ずしもが思うようにはうまくいかないものです・・・。

自戒の念も込めまして、今回のコラムはこのケースに関してのお話とさせていただきました。





我が家で酔っぱらってソファーに寝たまま放置されることは、過去に数えきれないくらいありますが、有難いことにまだ生きて仕事が出来てま~~~す!

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