理事長の呟き

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.199

嗜癖


やっと日中も真夏日から解放されるようになってきました。朝晩には肌寒さすら感じられるようになった今日この頃、寒暖の差で体調を崩される方もチラホラお見受けいたしますが、コラム読者の皆様方はその後もお変わりなくお過ごしでしょうか?

67年前一時的にアメリカの占領下になったことはあっても、国自体を他民族から侵略された歴史ない国(民)は、今回の竹島、尖閣の件では一体どう立ち振る舞うことが正解なのか、そのようなDNAを持ち合わせていない中で政治も経済も混沌としているといったところなのでしょう。

前置きはこのあたりにして今回のお題でございます。『嗜癖』であります。“しへき”と読みます。英語では「addiction」と書きます。大辞泉によりますと<① あるものを特別に好む性癖。② タバコ・アルコール・覚醒剤などを連用し、やめると精神的・身体的に異常が現れる状態。アディクション。>となっております。我々の業界では「~依存症」と同じような意味になると思っていただいて結構かと存じます。

それが今回アルコール、タバコ、ドラッグ、ギャンブル、以外の物質が新たにクローズアップされてきたのです。スマホをお持ちの方であれば利用者もいらっしゃるかもしれませんが、テレビなどでもやたらと宣伝しております『ソーシャル・ゲーム』であります。無料でできると間口を広くしておき、そこからのめり込むほどに課金が生じるシステムに、気が付けば莫大な支払いが請求されるケースが後を絶たないようです。

何故そのような事が生じてしまうかと言えば、途中でゲームを止められなくなってしまう、つまり『嗜癖』の状態に陥るからなのであります。私はスマホを未だに持ち合わせておりません(普通の携帯でも参加可能のようですが・・・)のでこのようなゲームに興じた試しは一度もありません。ただこのゲームは聞くところによると明らかに作る側がやればやるほど“どんどんのめり込むよう意図的に制作している”みたいです。

その続けたくなるところに課金のシステムが待ち構えており、征服欲や達成感を得るためにどんどんと課金していく人が、これらのゲーム会社の収益を爆発的に伸ばしているのが現状です。アルコールやタバコやドラッグはその場に無くなればそれらを手に入れる努力が必要です。ギャンブルは営業中(開催中)でなければ参加できません。しかしこれらのソーシャル・ゲームはいつでもどこでもスマホさえ手元にあれば1日24時間1年365日永遠に継続可能だけに始末に負えません。

最近これらのゲームの依存症が精神科の医療対象として注目されており、嗜癖を専門に治療する病院で加療を受けるケースをNHKが放送していました。実はこのNHKというのがミソでして、各民放はまず今のところこれらが精神医学的に問題になりつつあること(なっていること)を大々的に取り上げたり、問題視したりすることは決して致しません。

なぜなら!それらのゲーム会社はこの不景気の中で莫大なCM契約をしてくれる彼らのとてもとてもありがたい、足を向けて眠れない“大スポンサー様”だからです。中国のお店では「釣魚島は中国の物!」と張り紙をしていたユニクロの社長さんに「尖閣諸島は我が国における固有の領土ですか?」と面と向かって質問できない(ユニクロさんももちろん大スポンサー様ですから)のと同じ構造ですな。

閑話休題。その番組内でソーシャル・ゲーム依存症の患者さんはこのようなことを言っていました。「周りの人が持っていないレアなカードを手に入れると、一緒にゲームに興じている人達から“称賛される”し、自身としての“達成感に浸る”事ができる」とポツリ。

それを聞いて思ったのですが、人は成長の過程で、褒められたり、何かをやり切ることで、自信をつけたり希望や前向きな気持ちを持てるようになるはずです。という事はそれらにのめり込んでしまう人達(特に若者)は、リアルな実社会の中でそのような達成感を得られずに悶々と成長してきたような(しているような)人達なのではないか?

以前にもこのコラムで書きましたが「順位をつけない徒競走を行う運動会」では、通分は出来なくても足だけならべらぼうに速い子供にとって、学校内での達成感は得る機会がどこにもないわけです。周囲から称賛されて尊敬の眼差しで見てもらえるチャンスが現代の文科省による教育の名のもとに摘み取られているのです。まあ全てがそのような教育制度だけの問題とは言いませんが、一端は十分にあると思っております。

いじめを含んだ上記の教育問題だけでなく、落ち込むばかりの経済成長、ますます厳しい雇用の現状、一歩も引けない隣国との外交、いつまでかかるか震災の復興、etc.このような問題山積みの我が国です。

最初に就任した時「再チャレンジ!」を連呼していて、今回自ら“有言実行”出来たものの、安倍さんで本当にいいのでしょうか?震災復興予算で現地より先に霞が関の官舎の修復や、沖縄の道路に防波堤を作る事を承認する野田さんをそのままで大丈夫でしょうか?橋下さん1人にオンブにダッコではどうにもならないのですが、小泉さんや小沢さんの時はチルドレンで今回は“ベイビーズ”と称するマスコミもありますけれど、果たしてそんな人達ばかりで問題は生じませんか?

そんなこの国の行く末を憂うる2012年秋半ばといったところでございます。






そんなことをエラそうに言っておきながら、一方では全くのノンポリの平和ボケの宣伝をひとつ。毎回各方面でご活躍中の方々にゲスト出演して頂いている小生のラジオ番組(毎週金曜日17:30~19:00「ドクトル・コバの銀座の奥義」)であります。スマホの方は“ソラトニワ”で検索いただき、専用アプリをダウンロードしていただけたら通話が可能な場所であれば世界中何処でも聴けます。PCの方はやはり“ソラトニワ”を検索して頂き、HPの右横にあるGINNZAの<Listen Now>をクリックして頂ければ聴けるはずです。ただ今のところ“生”放送における大きな放送事故も勃発することなく順調に放送継続中でございま~~す。

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