この記事の監修者

医療法人社団ウェルエイジング
メンズヘルスクリニック東京

事務長 加藤 知久 (かとう ともひさ)

髪に関する美容業界を経て、1999年にAACクリニック名古屋の前身である錦クリニックに入職。入職当時より事務長としてクリニック運営に尽力してきた。日本における発毛治療分野の黎明期からこれまでの変遷を知る。
数年前に住まいを名古屋から東京近郊に移し、ヘアメディカル関連クリニックの中で最大規模を誇るメンズヘルスクリニック東京の事務長として、スタッフ教育、業務改善、接遇強化に取り組み、毎日さまざまな髪のお悩みを持つ患者さまに真摯に向き合っている。

【ザガーロ:副作用と効果】5α還元酵素のはたらきを阻害することで、男性型脱毛症の進行を抑制する「ザガーロ(主成分:デュタステリド)」。ザガーロとはどのような薬で、副作用や効果はどのようなものでしょうか?使用時の注意点は何でしょうか?

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AGA治療薬「ザガーロ」の副作用と効果を知りたい!

「ザガーロ」という名称を、聞いたことがありますか?

「ザガーロ」は、“男性型脱毛症(AGA/MPHL)に効くクスリ”として、注目されています。

しかし、男性型脱毛症(AGA/MPHL)の治療薬としてはまだまだ“新参者”であるため、日本ではなじみが薄いのも事実です。

ここでは、「ザガーロ」という薬の基本情報とともに、その効果と副作用について詳しく解説します。

「ザガーロ」の副作用と効果と(1)「ザガーロ」って何?

ザガーロの副作用や効果を知る前に、ザガーロそのものの基本的な情報をまとめておきましょう。

「商品名=ザガーロ」「一般名=デュタステリド」

「ザガーロ」という名称は、医薬品の「商品名(販売名)」です。

医薬品には商品名とともに、有効成分の名称である「一般名(一般的名称)」があります。

「スカルプD メディカルミノキ5」は商品名で、その主成分の「ミノキシジル」が一般名です。

では、「ザガーロ」の一般名は何でしょうか?

「ザガーロ」の一般名は「デュタステリド」です。

「デュタステリド(商品名:ザガーロ)」は「5α還元酵素阻害薬」

では、「デュタステリド」とは、どのような薬効があるのでしょうか?

「デュタステリド」は、生体内にある「5α還元酵素(5α-リダクターゼ)」という酵素のはたらきを阻害する効果があり、「5α還元酵素阻害薬」と呼ばれています。

5α還元酵素は、男性ホルモンの1つである「テストステロン」を、さらに活性の高い「DHT(ジヒドロテストステロン)」という男性ホルモンに誘導するはたらきがあります。

DHTは、前立腺肥大症や男性型脱毛症(AGA/MPHL)の発症と大きくかかわっているため、デュタステリドの5α還元酵素阻害作用で、これらの疾患の治療を行うのです。

「前立腺肥大症治療薬」としての「デュタステリド」

前述の通り、デュタステリドには前立腺肥大症治や男性型脱毛症(AGA/MPHL)の治療に有効ですが、医薬品として活躍しはじめたのは「前立腺肥大症治療薬」としてでした。

デュタステリドはグラクソ・ウェルカム社(現・グラクソ・スミスクライン社)が開発したもので、2001年に前立腺肥大症治療薬としてFDA(米国食品医薬品局)に承認され、商品名「AVODART(アボダート)」として製造・販売されはじめました。

日本では、2009年に厚生労働省の承認を受け、「アボルブ」の商品名で製造・販売されています。

「男性型脱毛症治療薬」としての「デュタステリド(商品名:ザガーロ)」

2009年、世界に先駆けて、デュタステリドを男性型脱毛症治療薬として承認したのが韓国です。

日本では、2015年に男性型脱毛症治療薬としての承認が下り、2016年から商品名「ザガーロ」として製造・販売がはじまりました。

つまり、「アボルブ」と「ザガーロ」は、それぞれ適応症が「前立腺肥大症治療薬」と「男性型脱毛症治療薬」の違いはあり、商品名やカプセルの色・印字などは異なりますが、中身は同じ「デュタステリド」なのです。

(参照|医薬品インタビューフォーム「ザガーロカプセル0.1mg/ザガーロカプセル0.5mg」

「ザガーロ」の副作用と効果と(2)「ザガーロ」の治療効果は?

「デュタステリド(商品名:ザガーロ)」が5α還元酵素阻害薬であることは分かりましたが、では、なぜ5α還元酵素阻害薬は男性型脱毛症(AGA/MPHL)に効果があるのでしょうか?

これを理解するためには、まず男性型脱毛症(AGA/MPHL)の仕組みを知らなければなりませんね。

ヘアサイクルと男性型脱毛症(AGA/MPHL)

毛髪は「ヘアサイクル(毛周期)」という成長の周期にしたがって、「発毛」→「成長」→「脱毛」→「発毛」を繰り返しています。

健康なヒトでは、「成長期」が2〜6年あり、その間に、毛髪は長く、太く育ちます。

<健康なヒトの毛髪のヘアサイクル>
成長期(2〜6年):毛母細胞の増殖によって、毛髪が作られている時期
退行期(2〜3週間):徐々に髪の成長が不活発になり、毛母細胞が退縮していく時期
休止期(3〜4か月):髪の成長が完全に止まり、脱毛するのを待っている時期

(参照|「男性型脱毛症の治療薬」盛岡進(2010)

しかし、男性型脱毛症(AGA/MPHL)になると、「成長期」が極端に短くなり、毛髪が充分に育つ前に「退行期」へと移行してしまいます。
そのために、細くて、短い毛髪の割合が増えていきます。これが「軟毛化」です。

さらに、「休止期」から「成長期」へと移行する毛包の割合も少なくなります。つまり、「休止期」のまま活動を停止して、新しい発毛が減っていき、疎毛(毛髪がまばらな状態)が進行していきます。

男性型脱毛症(AGA/MPHL)と5α還元酵素

男性型脱毛症(AGA/MPHL)の発症には、遺伝的要因と毛乳頭細胞にある「男性ホルモン受容体」のはたらきが大きくかかわっています。

毛乳頭細胞の「男性ホルモン受容体(アンドロゲンレセプター)」に、血液や体液で運ばれてきた男性ホルモンが結合すると、毛母細胞へシグナルが発信されます。
このシグナルは、髭や胸毛、陰毛などの部位では体毛の成長を促し硬毛化を促進します。しかし、前頭部・頭頂部では、逆に軟毛化を引き起こし、男性型脱毛症(AGA/MPHL)を発現させるのです。

このとき毛乳頭細胞で、テストステロンが5α還元酵素と反応すると、前述の男性ホルモンよりも活性の高い「DHT」へと誘導されます。つまり、前頭部・頭頂部で5α還元酵素がはたらくと、より一層、男性型脱毛症(AGA/MPHL)の進行が促進されるのです。

「ザガーロ」のメカニズム

ザガーロによって5α還元酵素のはたらきが阻害されると、生体内で生産されるDHTの量が減ります。

前頭部・頭頂部の毛乳頭細胞でDHTの生産が阻害されると、毛母細胞の軟毛化を促進するシグナルの発信が抑制され、その結果、男性型脱毛症(AGA/MPHL)の進行が遅くなると考えられています。

「ザガーロ」と「プロペシア」の違いは?

ところで、「プロペシア」という、男性型脱毛症治療薬の名前を聞いたことがないでしょうか?

「プロペシア」はMSD社が製造・販売している薬の商品名で、これもやはり5α還元酵素阻害薬の1つです。

「プロペシア」の一般名は「フィナステリド」で、ザガーロの主成分である「デュタステリド」とは、標的にする5α還元酵素の種類が違うのです。

「デュタステリド」と「フィナステリド」の違いは5α還元酵素の種類

5α還元酵素には、Ⅰ型とⅡ型の2種類があります。

「フィナステリド(商品名:プロペシア)は、Ⅱ型の5α還元酵素に作用します。
一方、「デュタステリド(商品名:ザガーロ)」は、Ⅰ型とⅡ型の両方の5α還元酵素に作用するのです。

「デュタステリド」と「フィナステリド」の効果の違いは?

ネット上では、「ザガーロはⅠ型とⅡ型の両方の5α還元酵素にはたらくから、男性型脱毛症の治療効果も高い」という記事を散見しますが、本当でしょうか?

・(太文字)Ⅰ型5α還元酵素(太文字おわり):全身の皮膚・皮脂腺に存在する
・(太文字)Ⅱ型5α還元酵素(太文字おわり)前立腺、髭・前頭部毛包などに局在する

(参照|「男性型脱毛症治療の現状と今後の展望」坪井良治(2009)

グラクソ・スミスクライン社のサイトを見ると、男性型脱毛症(AGA/MPHL)に関係する部位(前頭部・頭頂部)にはⅠ型5α還元酵素とⅡ型5α還元酵素の両方が存在していて、そのどちらもが男性型脱毛症(AGA/MPHL)との関与が認められているとあります。

(参照|グラクソ・スミスクライン社:ザガーロ よくあるご質問(製品関連)

一方、「デュタステリドは、フィナステリドより全般的にやや優れた効果を示した」という報告もありますが、これはフィナステリドよりもデュタステリドの方が体内にとどまる時間が長いからではないかという説もあります。

詳細は今後の研究に期待したいと思います。

「ザガーロ」の副作用と効果と(2)「ザガーロ」の治療効果は?

「ザガーロ」の副作用と効果と(3)「ザガーロ」の副作用

ザガーロにはどんな副作用があるのでしょうか?

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「ザガーロ」の副作用

ザガーロの添付文書を見ると「重大な副作用」として肝機能障害が提示されています。
また「勃起不全」「リビドー減退」「精液減少」「射精障害」などの性機能障害も報告されています。

◎肝機能障害
・AST(GOT)、ALT(GPT)、ビリルビンの上昇などを伴う肝機能障害や黄疸の発症

◎男子胎児の外生殖器発達阻害
前述のように、ガザーロは男性ホルモンのはたらきに作用します。

妊娠中の女性がザガーロを服用すると、男子胎児の外生殖器の発達が阻害されることがあります。

そもそもザガーロは「女性」や「小児」は“禁忌”となっていて、使用することができません。

◎血清前立腺特異抗原(PSA)への影響
PSA(前立腺特異抗原)は、前立腺から分泌されるタンパク質の1つで、前立腺がんのスクリーニング検査として、血液中のPSA濃度の測定が行われます。

ザガーロは、このPSA値に影響を与えるため、前立腺がん検診を受ける場合には、検査機関に事前に知らせるべきでしょう。

「ザガーロ」の副作用と効果と(4)「ザガーロ」は医療用医薬品

「ザガーロ」は劇薬指定の医療用医薬品(処方箋医薬品)です。

入手する場合には、必ず医師の診察を受けたうえで、処方箋を発行してもらう必要があります。
つまり、一般用医薬品のように薬局やドラッグストアで入手することはできません。

海外製のデュタステリドを、個人輸入で入手することも可能ですが、個人輸入にはさまざまなリスクが伴うだけでなく、個人では副作用の管理などもできません。

もし、あなたが男性型脱毛症(AGA/MPHL)の治療に「ザガーロ」を使用したいと考えている場合には、皮膚科や薄毛治療専門クリニックで相談してみてはいかがでしょうか。

メンズヘルスクリニック東京では、男性型脱毛症(AGA/MPHL)の無料カウンセリングを実施しています。

ザガーロなどAGA治療薬を使用する場合には、使用する人のAGAの状況や体質、ライフスタイルなどを総合的に判断する必要があります。

もし、ザガーロによるAGA治療に関心がある場合は、まずはメンズヘルスクリニック東京の「無料カウンセリング」をご利用ください。

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なお、男性型脱毛症(AGA/MPHL)の治療薬については、メンズヘルスクリニック東京頭髪コラムにも詳しい記事があります。ぜひ、ご覧ください。
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「ザガーロ」の副作用と効果と(4)「ザガーロ」は医療用医薬品

【まとめ】

男性型脱毛症治療薬「ザガーロ」に、副作用や効果についてご理解いただけたでしょうか。

「ザガーロ(主成分:デュタステリド)」は、5α還元酵素のはたらきを阻害すること、男性型脱毛症(AGA/MPHL)の進行を抑制します。

その一方で、肝機能障害や性機能障害などの副作用のコントロールも必要です。
「ザガーロ」は医療用医薬品であるため、使用する場合には必ず医師の診察を受けて、処方箋を発行してもらう必要があります。

もし、ザガーロによる男性型脱毛症(AGA/MPHL)の治療を検討するのであれば、薄毛治療専門クリニックで相談することからはじめるべきでしょう。

投稿:メンズヘルスクリニック東京

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