この記事の監修者

医療法人社団ウェルエイジング
Dクリニック東京 メンズ

事務長 加藤 知久 (かとう ともひさ)

髪に関する美容業界を経て、1999年にDクリニック名古屋の前身である錦クリニックに入職。入職当時より事務長としてクリニック運営に尽力してきた。日本における発毛治療分野の黎明期からこれまでの変遷を知る。
数年前に住まいを名古屋から東京近郊に移し、Dクリニックの中で最大規模を誇るDクリニック東京 メンズ の事務長として、スタッフ教育、業務改善、接遇強化に取り組み、毎日さまざまな髪のお悩みを持つ患者さまに真摯に向き合っている。

薄毛、AGA(男性型脱毛症)の治療方法にはさまざまな種類のものがあり、日進月歩で新しい治療法も開発されています。
今回は、その中でも注目を集めている治療法のひとつ「PRP(多血小板血漿)療法」について詳しく解説します。
※メンズヘルスクリニック東京では、PRP療法は行っておりません。

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PRP療法とは、血小板の持つ力を活用した治療法

まず、一般的なPRP療法について理解しておきましょう。私たちの血液は血球(赤血球・白血球・血小板)と血漿(けっしょう)で構成され、それぞれ大切な役割を担っています。PRPとは「プレートレットリッチプラズマ(Platelet Rich Plasma)」の略称で、血小板を高濃度に含んだ血漿(多血小板血漿)を指します。血小板には止血作用があるほか、成長因子を放出して損傷している部位に直接働きかけ、細胞の増殖を促進して修復機能を高めながら、自然治癒力によってケガや病気を治療する大切な働きがあります。
PRP療法は、この自分で自分を治す自己治癒力をサポートする治療法です。まだ、標準的な治療とはいえないまでも、特に海外ではスポーツ外傷の治療などに以前から導入され、上腕骨外側上顆炎(テニス肘)、アキレス腱炎、靭帯損傷(肘、ひざ、足など)、肉離れ(筋断裂)、腱鞘炎などの治療に用いられています。有名スポーツ選手にもPRP療法経験者は多く、ニューヨーク・ヤンキースの田中将大選手、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手がケガの治療で導入したことで、日本でも一躍脚光を浴びました。

PRP療法の流れ

PRP療法の流れとしては、診察して適用を検査した結果が問題なければ、まず自分の血液を採取して遠心分離機にかけ、血液中の血小板が多く含まれる部分のみを抽出して精製したPRPを患部に注射します。この自分のPRPをそのまま用いる療法を自己PRP注入療法といいます。また、ヒト成長ホルモンを活性化する物質である成長因子(グロスファクター)を添加して血小板機能を増幅する療法も、おもに美容療法として行われています。
このようにPRP療法が応用されている領域は広く、以前から皮膚科や歯科、外科、整形外科の分野で行われていました。

AGA治療におけるPRP療法について

PRP療法は、AGAの治療にも用いられるようになりました。採血された血液から精製した自己PRPを頭皮に直接注入することで、悪化した頭皮の状態を血小板内に含まれる成長因子で改善し、ヘアサイクルを整えて、元々備わっている発毛力を改善する効果があるとされています。

PRP療法の治療スケジュール

PRP療法の治療スケジュールはクリニックにより大きく異なりますが、多くの場合、1回投与したら2〜3ヵ月の経過観察を行い、その後の効果を見ながら治療を継続します。投与の頻度はクリニックによって異なりますが、約1ヵ月ごとに約1回の割合で投与し、それを何回か繰り返すといった場合があります。1回のPRPの投与で、3ヵ月~半年間効果があるとされています。また1回の採血で、最大6回分のPRPが精製可能です。

PRP療法にかかる費用

PRP療法は保険適用外です。そのため、クリニックによって金額に大きな違いがあるほか、施術回数によっても金額は異なります。初診の場合には初診料に加えて採血料もかかるため、その分費用も必要になります。

PRP療法のメリットとデメリット

AGAの治療として一般的な投薬と異なるアプローチを可能にしたPRP療法ですが、メリットの一方でデメリットもあります。PRP療法のメリットとデメリットには、次のようなものがあります。

<PRP療法のメリット>

・自分自身の血液成分を使う治療なので、感染症やアレルギー、副作用のリスクが低い
・PRPは元々人間に備わっている細胞分裂の機能を促進させ、衰えた機能を補う治療法であるため、効果の表れ方も穏やかで、周囲の人に治療をしたことを気付かれにくい
・通院回数が比較的少ない
・1度の治療で比較的長期間治療効果が持続する

<PRP療法のデメリット>

・採血や頭皮への注射の際に痛みがある(通常、ブロック麻酔を使用)
・効果の表れ方が穏やかである分、症状の改善を実感できるまで時間がかかる
・保険適用外の治療であるため、治療費が高額

PRP療法の一番のメリットは、自分の血液を元に精製されたPRPを再び体の中に戻すので、副作用のリスクが低い点にあります。症状の改善状況には個人差があり、PRPの注入から症状の改善が見られるまで1~2ヵ月かかります。
また、クリニックごとにPRP精製の方法が異なるほか、採取した血液から精製したPRPのみを使用する場合と、そこへさらに成長因子を添加する場合があるなど、治療方法に違いがあります。実際にPRP療法を受ける際には、クリニック選びも大切なポイントになります。

PRP療法を適用できないケース

PRP療法を受けたいと希望したとしても、次のような場合は適用できません。自分の病歴や薬の服用をよく確認する必要がありますから、ご注意ください。

・脳血管疾患などの血液凝固に関与する薬を内服している
・心臓病や脳梗塞の既往歴(病歴)がある
・肝臓疾患や悪性腫瘍疾患がある
・血小板減少がある、血小板に関連した疾患がある、または血液疾患や既往がある
・B型肝炎、C型肝炎、HIV関連の疾患がある

PRP療法とAGAの投薬治療の併用について

PRP療法以外にも、AGA治療には内服薬や外用薬を使ったものなどがあります。PRP療法と併用して投薬治療を行うことで発毛活動を強く促す可能性もあります。

投薬治療は現在、AGAの治療法の中でも、日本皮膚科学会の「男性型脱毛症診療ガイドライン(2017年版)」において最も推奨できる治療方法とされている医薬品を用いた治療方法です。2017年6月現在、厚生労働省から薄毛症状に効果が承認されている薬剤(成分)は3種類あります。

ミノキシジル(外用)

ミノキシジルの正確な作用のしくみはっきりしていませんが、ミノキシジルを塗布した部位は血管が拡張して頭皮の栄養状態が改善し、発毛する環境が整うと考えられています。使用方法は、髪の毛が完全に乾いた清潔な状態で、気になる部分の頭皮に直接塗って使用します。また、ミノキシジルには内服タイプのものもあります。

フィナステリド(内服)

フィナステリドは、AGAの原因ともいわれている物質「5αリダクターゼ」を阻害する働きがあります。なお、医師の処方が必要な「医療用医薬品」となっています。

デュタステリド(内服)

デュタステリドも、フィナステリド同様、5αリダクターゼを阻害する働きがある薬です。5αリダクターゼには1型と2型の2種類があり、デュタステリドはこの両方に作用します。

AGA治療の投薬治療のメリットとデメリット

AGAの治療に推奨されている投薬治療にも、メリットとデメリットは存在します。また、医薬品である以上、副作用も存在します。個人で判断せず、専門の医師の指導のもとで、適切な治療にあたってください。

・メリット

AGA治療の投薬治療は、薬を服用したり、外用薬を塗り込んだりするだけで、毎日手軽に続けられる点がメリットです。クリニックでは、厚生労働省に安全性と育毛効果について認可された薬を、専門の医師が個々の症例に合わせて濃度を調整して処方するため、安全性の面でもメリットがあります。

・デメリット

厚生労働省に認可された薬であっても、薬剤である以上は副作用のリスクを避けることはできません。また治療に数ヶ月ほどの時間を要することはデメリットのひとつでしょう。

PRP療法の今後の展望

薄毛やAGA症状の治療にとって、PRP治療は比較的新しい治療法のひとつです。現時点では標準治療とはいえませんが、いずれ一般的な治療方法になることもあるでしょう。

※男性の薄毛治療には投薬が最善策と考えているため、メンズヘルスクリニック東京では今のところPRP治療を行っていません。

投稿:Dクリニック東京 メンズ

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個人個人で髪の悩みはさまざまです。同じような症状でも原因や治療方法が全く違う場合があります。
ご自分で判断せずにクリニックにご相談ください。AGAは早めの治療が効果的です。

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