この記事の監修者

医療法人社団ウェルエイジング
メンズヘルスクリニック東京

事務長 加藤 知久 (かとう ともひさ)

髪に関する美容業界を経て、1999年にAACクリニック名古屋の前身である錦クリニックに入職。入職当時より事務長としてクリニック運営に尽力してきた。日本における発毛治療分野の黎明期からこれまでの変遷を知る。
数年前に住まいを名古屋から東京近郊に移し、ヘアメディカル関連クリニックの中で最大規模を誇るメンズヘルスクリニック東京の事務長として、スタッフ教育、業務改善、接遇強化に取り組み、毎日さまざまな髪のお悩みを持つ患者さまに真摯に向き合っている。

AGA(男性型脱毛症)治療薬の主流である「フィナステリド」と併せて注目を集めているのが「デュタステリド」です。今回は、フィナステリドとの違いや効果的な使い方、副作用、使用時の注意点などについてご紹介します。

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AGAの原因となるジヒドロテストステロンの生成を防ぐ

AGA治療薬としては、フィナステリドが広く知られています。もう1つ、AGA治療薬の主力となるのが、デュタステリドです。

デュタステリドは、元々、前立腺肥大症の治療薬として開発された薬でした。日本では2009年に「アボルブ」という製品名で厚生労働省の認可を受けています。その後、このデュタステリドがAGAの進行を抑えることがわかりました。そして2015年に、イギリスのGSK社(グラクソ・スミスクライン社)による抗AGA用のデュタステリド薬「ザガーロ」が厚生労働省の認可を受け、2016年に発売されました。現在、デュタステリドを主成分としたAGA治療薬で厚生労働省の認可を受けている物は、ザガーロのみになります。

ちなみに、デュタステリドの価格は、ザガーロカプセル0.5mg(GSK製)/30錠(1ヵ月分)で9,500円ほどです。

それにしても、なぜ前立腺肥大症の薬がAGAにも効くのでしょうか?前立腺肥大症は、男性ホルモンである「テストステロン」が、より強い男性ホルモン「ジヒドロテストステロン」に変換されることで起きる症状です。デュタステリドには、このテストステロンがジヒドロテストステロンに変換されるのを抑える働きがあります。そしてAGAも同じく、ジヒドロテストステロンの作用で発症することがわかっています。そのため、デュタステリドを服用することで、ジヒドロテストステロンの生成が阻害され、AGAの進行が抑えられるのです。このメカニズムは、フィナステリドもまったく同じです。

フィナステリドで効果がなかった人にも効く可能性が!

では、デュタステリドとフィナステリドは何が違うのでしょうか?詳しくご説明しましょう。

前述したように、AGAの原因となるのは、男性ホルモンのテストステロンが変換されてできるジヒドロテストステロンという強い男性ホルモンです。そしてこの変換を促すのが、「5αリダクターゼ」という還元酵素です。ジヒドロテストステロンの生成を防ぐには、この5αリダクターゼの働きを抑えればいいと考えられています。その役割を担うのが、フィナステリドやデュタステリドです。いずれも服用することで、5αリダクターゼの活性化が抑えられ、ジヒドロテストステロンが生成されなくなります。これにより、AGAが抑えられるというメカニズムです。

5αリダクターゼには1型と2型があり、フィナステリドは2型にしか作用しません。それに対してデュタステリドは、1型と2型の両方に作用します。実はこれまで、フィナステリドを使っているのになかなか効果が得られないという人が存在しました。デュタステリドは、そうした人たちでも効果が得られる新しいAGA治療薬として、大きな期待が集まっています。

発毛率はフィナステリドの1.6倍という報告も

では、具体的な効果はどうでしょうか。繰り返しになりますが、デュタステリドは5αリダクターゼの働きを阻害してAGAの症状を抑えます。これにより抜け毛が減り、今まで細く短かった毛が、太く長くなるという効果が見込めます。また、5αリダクターゼの1型と2型の両方に作用しますので、フィナステリドよりもさらに幅広く効果があるとされています。これまでフィナステリドで効果を実感できなかった人でも、デュタステリドを使うことで発毛効果を得られる可能性があります。また、より高い効果を見込んで、初めからデュタステリドを使うのも選択肢のひとつでしょう。

さらに、デュタステリドは、5αリダクターゼの1型に効くだけでなく、2型に対する作用が、フィナステリドの約3倍あるともいわれています。また、GSK社による臨床試験では、デュタステリドを主成分とする治療薬であるザガーロ0.5mgの発毛効果は、フィナステリドを主成分とする治療薬である「プロペシア」1mgの約1.6倍も高いと報告されています。

ミノキシジルと併用することで相乗効果が得られる

デュタステリドの効果を実感するには、早い人で服用開始から3ヵ月、通常で服用開始から6ヵ月ほどかかるといわれています。継続して使い続けることが大切なのです。

また、「ミノキシジル」と併用して使うことも可能です。ミノキシジルとは、フィナステリドやデュタステリドと同様に、医学的エビデンスのあるAGA治療薬で、世界で広く使用されています。フィナステリドやデュタステリドがAGAの進行を止めるディフェンス的な役割なのに対して、ミノキシジルは血管を広げて毛母細胞に栄養素を行き渡らせて発毛を促すオフェンス的な役割を果たします。

ミノキシジルを使うことで血流が良くなり、デュタステリドが毛母細胞に行き渡りやすくなります。また、デュタステリドを服用して抜け毛を抑えることで、ミノキシジルの発毛効果がより高まるとされています。このように、オフェンスとディフェンスを併用することで、相乗効果があると考えられています。

デュタステリドを服用する際は、できるだけ毎日同じ時間帯に飲むのがおすすめです。それは、薬の血中濃度を一定にすることが大切だからです。時には朝に、時には夜にという不規則な服用を繰り返すと、成分の血中濃度がバラついてしまいます。また、アルコールと併用すると効果が下がったり、肝臓の負担が増加しかねません。そのため、お酒を飲む人は、デュタステリドの服用は朝か昼にと決めてしまうのがいいでしょう。

副作用の報告はあるが、割合は高くない

では、実際にデュタステリドを服用した際の副作用はどうなのでしょうか。グラクソ・スミスクライン社による臨床試験では、ザガーロ0.5mgのおもな副作用として、生殖系及び乳房障害(8%)、勃起不全(5%)、性欲減退(2%)、射精障害(1%)などが挙げられています。しかし、副作用の発現率そのものは、プラセボ(試験用に用いられたまったく効果のない偽薬)が15%だったのに対し、ザガーロ0.5mgが16%と、ほぼ同じ割合です。特に、性欲減退などを気にする人が多いようですが、デュタステリドは男性ホルモンであるテストステロンを直接抑えるわけではないので、ほとんど心配はないといえます。

ただし、肝機能障害がある人への投与については検証されていません。重度の肝機能障害がある人は服用を控えましょう。また、デュタステリドは成人男性用で、女性や未成年者は服用できません。特に、妊婦や妊娠の可能性がある女性は、胎児に影響を及ぼすおそれがありますので、服用できないのはもちろん、皮膚から成分を吸収するおそれもあるため、ふれることが禁止されています。デュタステリドを使う際は、女性がふれないような場所に保管するなど、十分注意を払いましょう。また、女性や未成年者に誤って輸血されないよう、服用中は献血ができません。献血するには6ヵ月の休薬期間を置く必要があります。

出典元:ザガーロカプセル0.1mg/ ザガーロカプセル0.5mg 添付文書

海外製のジェネリック医薬品やコピー品に注意

インターネットでは、海外製のジェネリック医薬品やコピー品が販売されていますが、それらには注意が必要です。国内の病院が処方する物以外はすべて、厚生労働省の未認可薬です。安いからと個人で輸入した物は、偽物や粗悪品の可能性があり、副作用が出ても「医薬品副作用被害救済制度」が適用されません。

自分にはどんな薬が合うのか、本当に薬が必要な症状なのか、自分の健康状態で飲んでも大丈夫なのか、といった判断は自身では難しいため、一度AGAや脱毛症を専門とするクリニックの診断を受けてからの服用を強くおすすめします。

投稿:メンズヘルスクリニック東京

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個人個人で髪の悩みはさまざまです。同じような症状でも原因や治療方法が全く違う場合があります。
ご自分で判断せずにクリニックにご相談ください。AGAは早めの治療が効果的です。

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