この記事の監修者

医療法人社団ウェルエイジング
Dクリニック東京 メンズ

事務長 加藤 知久 (かとう ともひさ)

髪に関する美容業界を経て、1999年にDクリニック名古屋の前身である錦クリニックに入職。入職当時より事務長としてクリニック運営に尽力してきた。日本における発毛治療分野の黎明期からこれまでの変遷を知る。
数年前に住まいを名古屋から東京近郊に移し、Dクリニックの中で最大規模を誇るDクリニック東京 メンズ の事務長として、スタッフ教育、業務改善、接遇強化に取り組み、毎日さまざまな髪のお悩みを持つ患者さまに真摯に向き合っている。

AGA治療は、健康保険の適用外です。そのため、治療費はすべて自己負担となり、経済的な負担は大きくなりがちです。AGA治療の経済的負荷を、医療費控除などの手段で軽くすることはできないのでしょうか?結論からいうと、医療費控除は基本的に適用となりません。ただし、一部適用される可能性がありますので、ぜひ知っておきましょう。

baseimage

AGA治療は保険適用にならない

病院でケガや病気の治療を受けるとき、多くは健康保険が適用されます。そのため、診察料や薬代の1割~3割を負担するだけで良く、残りは健康保険から病院に支払われるしくみになっています。

日本では多くの社会保障制度が定められています。健康保険制度もそのひとつで、ケガや病気を治療するために機能しています。ですが、健康保険制度の対象となるのは、厚生労働省が定めた治療や薬品に限られ、それ以外のものは「保険適用外」となります。

AGA治療は保険適用外ですから、美容整形や矯正歯科と同じように、基本的に健康保険を使うことができません。AGAは、直接的に体の機能を損ねたり、命に危険が及んだりするものではありません。そのため保険適用外となっていますが、本人にとっては大きなストレスであり、深刻な悩みにつながります。

医療費控除はどのような制度なのか

健康保険とは別に、医療費負担に対する行政のサポートとして「医療費控除」があります。これは、1年間に払った医療費について、その総額が一定額を超えたとき、超過分については所得から控除するというもの。つまり、一定額を超えた分は課税対象としないという税制上の優遇措置です。

対象になるのは、納税者と生計を一にする配偶者や親族。また、1年間は、1月1日から12月31日のあいだを指します。

病気やケガの治療に対する社会保障制度としては、前述した健康保険制度があります。ですが、治療が長期にわたったり、大がかりな手術を受けたりして大きな出費を強いられることもあります。そのために医療費控除制度を設け、多額の医療費については課税しないしくみにしているのです。

医療費控除を受けるには、1年間にかかった医療費から控除額を割り出してから、確定申告をします。すると、支払った所得税の中から還付金を受け取ることになります。

医療費控除額の算出方法は?

医療費控除額の計算は、下記の式で割り出します。

医療費控除額=1年間に支払った医療費の合計額-(1)-(2)

※(1)=生命保険などから支給される給付金や健康保険から支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金など

※(2)=10万円(その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額)

ほかに細かい例外的事例もありますが、この式で割り出された金額(最高200万円まで)が控除対象となります。例えば、年間にかかった医療費が40万円、そのうち10万円が民間の医療保険で補填できた場合を考えてみましょう。医療費控除額は次のように算出できます。

20万円(医療費控除額)=40万円(医療費総額)-10万円(補填分)-10万円

医療費控除額は20万円となりました。さらに、所得金額によって算出される所得税率を掛け合わせると、確定申告によって還付される額がわかります。この場合、所得税率が20%だったとすると、40,000円が還付されることになります。

40,000円(還付金)=20万円(医療費控除額)×20%(所得税率)

AGA治療は医療費控除の対象とならない?

AGA治療は、基本的には医療費控除制度が適用されません。一部適用されるケースがありますが、まずは医療費控除が適用されない理由を確認していきましょう。

医療費控除の対象となる「医療費」の定義については、法令できちんと定められています。医師の診療の対価であること、治療に必要な医薬品の購入の対価であることなどが挙げられています。

医療費控除の対象となる医療費

医療費控除の対象となる医療費は、おもに以下のようなものが挙げられます。その病状などに応じて、一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額とされています。

・医師または歯科医師による診療または治療の対価(ただし、健康診断の費用や医師等に対する謝礼金などは原則として含まれません)

・治療または療養に必要な医薬品の購入の対価(風邪をひいた場合の風邪薬などの購入代金は医療費となりますが、ビタミン剤などの病気の予防や健康増進のために用いられる医薬品の購入代金は医療費となりません)

・病院、診療所、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、指定介護老人福祉施設、指定地域密着型介護老人福祉施設または助産所へ収容されるための人的役務の提供の対価

※国税庁「医療費控除の対象となる医療費」

これだけ見ると、AGAの治療費は「医師による診療または治療の対価」ですし、「プロペシア」や「ザガーロ」などの薬代も「治療に必要な医薬品の購入の代価」です。

ですが、AGA治療は、健康保険だけでなく医療費控除も基本的に使うことができません。AGA治療が保険適用外とされる理由は、次のとおりです。

  • 薄毛や脱毛は身体機能を損なう「疾病」ではない
  • AGA治療は美容目的の医療行為であり「疾病治療」ではない

つまり、健康や生命に直接関係のないAGA治療は疾病治療ではなく、保険適用外となるため、医療費控除の対象にもならないのです。

AGA治療で医療費控除が受けられるケースも!

AGA治療は、例外的に医療費控除を受けられる可能性も、実はゼロではないのです。それは「何らかの病気が原因で薄毛になった、あるいは脱毛してしまった場合」です。では、どのような病気が薄毛・脱毛を引き起こすのでしょうか?

膠原病

膠原病は、関節リウマチや全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群など、全身の関節や臓器に炎症が起こり、腫れや痛みが現れる病気の総称です。部分的に薄毛になったり、円形脱毛症が起こったりと症状はさまざまですが、なぜ膠原病が薄毛・脱毛を引き起こすのか、詳しい原因はまだわかっていません。

鉄欠乏性貧血

体内の鉄分が不足してくると、赤血球に含まれるヘモグロビンの生成がうまくできなくなります。鉄欠乏性貧血となった影響で、抜け毛が増えることがあります。貧血は若い女性に多く、その原因のほとんどは鉄分の欠乏によるものといわれますが、中高年の方であっても油断は禁物です。

甲状腺機能低下症

ホルモンを司る甲状腺の機能が衰え、全身の代謝が低下してしまうのが、甲状腺機能低下症です。眠気や記憶障害、皮膚の乾燥、むくみなど、さまざまな症状が現れますが、脱毛もそのうちのひとつです。

これらのケースでは、薄毛・脱毛は病気によって現れた症状であり、改善するための治療は「疾病の治療」の一環とみなされる可能性があります。その場合は医療費控除の対象となることがあります。

医療費控除の手続きはどうすればいい?

AGA治療において、医療費控除の対象となる可能性がありますが、その境界は、誰が判断するのでしょうか。答えは「税務署」です。ですから「控除対象になるのでは?」と思ったら、税務署に相談してみるといいでしょう。

控除対象となった場合には控除の申請をすることになりますが、その場合には次の物が必要になります。

・確定申告の申請用紙

控除申請は確定申告で行います。確定申告の申請用紙は、税務署で備えつけの物がありますし、国税庁のサイトからダウンロードすることもできます。

・医療費の領収書

クリニックに支払った金額がわかる医療費の領収書が必要になります。コピーではなく原本が必要で、申告の際に添付します。ネット上で申告ができる「e-TAX」では、領収書の添付は不要です。

・源泉徴収票

会社勤めの方は、勤務先に源泉徴収票を発行してもらってください。原本を提出することになります。

・本人の口座情報

還付金を入金してもらうための口座情報になります。

フリーランスの方は毎年の確定申告の際、医療費控除の欄に必要事項を記入して、医療費の領収書とともに提出すればOKです。

医療費控除の対象になるのか確認しよう

AGA治療は治療期間が長くなりがちで、治療費の総額も大きくなりやすいものです。少しでも負担を軽くできるなら、それに越したことはありません。

まずは、信頼できるクリニックを選んで、カウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。あなた自身の状況に合わせた治療法と、おおよその費用を知るだけでも意味があります。その上でじっくり検討して、納得できたら治療を受けてみてください。

相談無料

AGAは一人で悩まないでください。
薄毛が気になりだしたら、お気軽にご相談ください

個人個人で髪の悩みはさまざまです。同じような症状でも原因や治療方法が全く違う場合があります。
ご自分で判断せずにクリニックにご相談ください。AGAは早めの治療が効果的です。

関連記事

最新記事