03-5224-5551(代表)onmousedown=

院長の部屋

〜アンチエイジング医療に邁進する精神科医のひとり言〜

Vol.309 真の勤労とは?

小林一広
記録的に真夏日の多かった5月も終わり、これから入梅となる気候的には憂鬱な6月になってしまいました。長期予報では今年の夏は“猛暑”になるような事を言っておりますが、もうこうなると多少の暑さでは驚かなくなってしまう日本の夏、キンチョウの夏でありますが、コラム読者の皆様方に於かれましてはお変わりなく御清祥のことと存じます。

先日島根で国の特別天然記念物であるコウノトリが誤射されてしまいました。猟友会のハンターがサギと間違えて殺してしまったとのことです。しかもその鳥は子育て中の母鳥だったので事態は大騒ぎとなりました。

残された父鳥だけで必死にイクメンに励んでいたようですが、周囲の目から見てもおぼつかないことが露呈され、結局4羽のひなは兵庫県立コウノトリの郷公園で人工飼育されることとなったというニュースが流れたのであります。

母親を失い瀕死目前の4羽のひなは無事に保護されて、めでたしめでたしのようなお話ではありますが、最後の最後に残った父親コウノトリの立場はどうなのかと私は強く言いたいのであります!

妻には逃げられ(まさか殺されたとは思っているわけがありません)、子供たちは何者かに襲われて消え失せ(これもまた人間に保護されたとも思っているわけがありません)、家族を全て失いたった1人、ではなかった1羽となってしまった彼の精神状態を慮れば、遂に頭髪精神医学からいよいよ鳥類精神医学までそのフィールドを広げるのかというかなり無理目のお話ではありました。(苦笑)

そんな趣味の領域のようなお話はさておいて、過日にはもっと驚いてしまうようなお話がありました。それは皆さんもご存知の著名な病院である「聖路加国際病院」に労働基準監督署の立ち入り調査が入り、その結果昨年4~6月の勤務医の残業時間が月平均95時間に達していたことが判明したというのです。

そのためその改善策として土曜日の外来診療科目数をナント20科も減らすことになったのだそうです。また夜間や休日の勤務に対する時間外手当を支払うように労基署から指摘もされて、約2年間に遡って最終的に総額十数億円を支払ったというのであります。

最近とにかくありとあらゆる業種での過労状態を指摘されて、老若男女が口を揃えて「ブラック、ブラック」と叫んでおります。私自身精神科医(これは至ってノーマルな分野の方です)の立場から、過労死と自殺の因果関係は非常に問題視しなくてはならない立場にあることは紛れもない事実であります。

休みたい人の休みを奪って、強制的に働かせることはもってのほかであり、私個人的にもあってはならない労働環境だと思っております。しかし一方でとにかく働きたい人の働く権利や時間を強制的に調整してしまうことにも問題があるのではないかと思うのであります。

水曜日は“NO残業デー”、金曜日の夕方は“プレミアムフライデー”とか言って十把一絡げに全てそうしましょうという発想が、かなりの極論を言わせて頂ければ『戦争』にだって繋がる(がった)思想なのではないでしょうか。つまるところ戦後70年経過してみても“個”の熟成がいつまでたっても出来ない国民性なのかもしれません。

例えばプロ野球の1軍と2軍、プロサッカーのJ1とJ2では試合数が違いますし、では試合数の多い1軍やJ2(サッカーはJ2の方が多い)は過労死が出やすいのでしょうか?自分や家族が少しでも有意義に生きて行くために必要な賃金を得るための労働とは、全てが辛くてしんどくて嫌で嫌で仕方がないものなのでしょうか?

確かにそのような労働条件でストレスフルな状態にありながらも、生活のために必死で勤務されておられる人も確かにいらっしゃるのも事実です。でも今やっていることが好きで好きで寝る間も惜しんで、今やっておかなくては後からでは遅すぎる仕事だってきっとあるはずなのです。

以前にこのコラムにも書きましたが、私の研修医時代の救命救急センターの勤務なんて2日に1日(つまりは月の半分)は当直をしていましたし、賃金で言えばマクドナルドの時給よりも安い月もありましたが、それが嫌で辛くて医者を辞めようと思ったことなど一瞬たりともありませんでした。自分自身にとりましてそれはそれで幸せな時であり、またそれがあるから今があるとも言いきれるのです。

「若い時の苦労は買ってでもしろ!」なんて昔からよく言われてきましたが、今それをまともに言うと場合によっては『パワハラ』で訴えられかねません。幼いころに母親からフルボッコにされたことも、今の時代ではひょっとすると『虐待』になってしまうのでしょうか?それこそ死語になってしまった「愛の鞭」はSMプレイ以外ではしっかりと『体罰』になりますしね~。

もっともっと“臨機応変”、“ケースバイケース”、“時と場合によって”、が普通に自然に通用する世の中こそが成熟した現代社会と言えるような気がするのですが皆さんは如何お考えでしょう。

 

 

我が家では朝に娘の通学と犬の散歩が一緒になる事がありまして、父と娘で先ほどのコウノトリの悲惨な話をしながら歩いていましたら、娘が突然「でもその父鳥は今頃若いメス鳥と再婚して、それまで以上のとても幸せな生活を送っているかもよ」と言い出した後からその朝の親子の会話は全くなくなってしまいました・・・。(汗)

メンズヘルスクリニック東京の診療外来

  • AGA専門外来
  • 円形脱毛症専門外来
  • 男性妊活外来
  • 男性更年期
    専門外来
  • 男性皮膚
    専門外来
  • 前立腺がん
    サポート外来
PAGE TOP

クリニック情報